第201話

「あら、和真君……😆🎶✨」

 ちょうど玄関から出てきた隣りのオバさんが、愛想よくニコニコと僕に挨拶をしてきた。



「あ……、ど、どうも……😅💦💦」

 僕も軽く会釈した。

 どうやら、僕の影に隠れてヒカリが見えなかったようだ。



 ヒカリが横から顔を出し笑顔を振り撒いた。

「フフ、どうも始めましてェ……😆🎶✨」

 金髪の派手な彼女が隣りのオバさんに挨拶をした。



「えェ……😰💦💦」

 オバさんはヒカリの姿を見て絶句した。



 当然だろう。



 真面目で地味な僕と腕を組んでいる彼女が金髪ヤンキーでは、誰が見てもミスマッチだ。



「あ、あの…… そちらの方は……❓」

 オバさんもいぶかしげに訊いてきた。



「え、ああ……😳💦💦 ええェ~ッと」

 僕も返答に困ってしまった。

 なんて答えれば良いのだろう。



「フフ……✨😌✨✨ チ💟ポの彼女です」

 事もなげにヒカリは微笑んだ。



「えェ……❓ な、何…チ、チ💟ポ……❓」

 隣りのオバさんも目を白黒させて聞き返した。



「ハッハハ……😅💦💦💦

 か、彼女はヒカリさんです。

 僕は、新保シンポですから……

 ちょっと、滑舌が曖昧なのでェ……」

 なんとか誤魔化そうとして笑顔が引きつった。



 いくら滑舌が悪くても、ハッキリ『チ💟ポ』と聞こえただろう。




「さァ~…、ヒカリさん、どうぞ。

 早くウチの中へ入って下さい❗❗」

 無理やり彼女の背中を押し屋敷の中へ入った。


「マ、マジィ~……😒💦💦」

 少し彼女は不満げだが仕方がない。



「じゃ、オバさん…… また」

 早々に頭を下げ、挨拶を切り上げた。



「え、ええェ……😓💦💦」

 隣りのオバさんも応えに窮したみたいだ。

 


 慌てて僕はヒカリの背中を押し、屋敷へまねいた。



「おォ~ー🎶✨ 懐かしいなァ~😆🎶✨」

 ヒカリは、僕の屋敷の中へ入ると沁々しみじみと呟いた。



「さ、さァ~…… ど、どうぞ……」

 これ以上、自宅の前で騒がれては堪らない。





∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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