第194話

 あの夏から数年が経って、また夏休みがきた。



 僕は炎天下の中、母校の中学校へ行く途中のコンビニへ立ち寄った。




 あまりにも暑いので何か冷たい飲み物でも買おうとした。



「ン……😓💦💦」

 店内の陳列コーナーの前で缶コーヒーにするか、ペットボトルのコーラにするかで迷っていると、不意に背後から何者かが抱きついてきた。



「キャッキャッキャ~ーッ✨✨✨💕💕

 ねぇ、コーラ買ってェ~ー✨😆🎶✨💕」

 女性の明るい笑い声だ。


 豊かな胸の膨らみが僕の背中に押しつけられた。



「えェ~……😲💦💦💦」いきなり誰だろう。

 こんなに馴れ馴れしい女性に心当たりはない。



 眩暈めまいがするほど濃厚な香水の匂いが僕の鼻孔をくすぐった。

 嗅いだことのない香水だ。



「あ、あのォ~… コ、コーラですか……」

 せっかくなので彼女のリクエストに応えた。


 ひんやりとしたコーラのペットボトルを手に取った。



「サンキュ~ー✨😆💕✨ しっかし久しぶりだなァ~。チ💟ポォ~🎶✨」

 背後から顔を覗かせ僕に笑いかけた。



「えェ……」チ💟ポ~ッて、まさか……


 聞き覚えのある声、そして、この全く遠慮なしに『チ💟ポォ~』と言う感じは、そうだ。


 間違いなく彼女だろう。



「あ、あなたは……❓

 ま…、まさか……、ワイルド✨ビーナス」

 一条ヒカリだ。



「おいおい……、誰がワイルド✨ビーナスだってェ……😡⚡」

 ヒカリは、背後から僕の首に腕を絡ませ、スリーパーホールドをかけてきた。



「ちょッ……、く、苦しいです……😣💦💦

 ヒカリさん……」

 チョークだ。

 完全に頸動脈を絞めにきている。


 

「フフ……✨👄✨ 何年ぶりかなァ~」

 のん気な口振りだが、さらに首をグイグイと絞め上げた。



「グゥ、ぐ…、ギブギブゥ……😣💦💦💦

 く……、く、首が絞まるッてェ……」

 すぐさま僕は彼女の桃尻の辺りにタップした。



 完全にチョーク気味にホールドが決まっている。

 下手ヘタをすると、このまま気絶オチてしまう。



「あァ~、チ💟ポ~、どこをタッチしてンだよォ~……」

 余計、ビーナスは怒ってグイッと力を込めた。



「いえいえ……、あのォ~……😣💦💦

 く……、ぐゥ…、苦しいですッて……」

 マジで、気絶オチる寸前だ。



 だんだんと視界がぼやけてきた。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

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