第180話

 まさに、一触即発だ。


『ケッケケェ……😆🎶✨ 死ねェ~ー~ーー~ー……❗❗』

 モヒカンの目が光り、一歩いっぽ足を踏み込んだ。


 一気に、モヒカンが間合いを詰めた。

 これで、射程圏内だ。

 すぐさまビーナスも身構えた。


 しかしかたわらから見ても上背うわぜいがあってリーチも長いモヒカンが俄然、有利だ。



『うゥ……😰💦💦』ヤバい……


 モヒカンが、振り回していた右腕はフェイントだった。



 逆の左腕が唸りをあげた。

 どうやらサウスポーだったようだ。


『死ねェ~~ーー……❗❗❗』

 まさに死神の大鎌のようなロングフックだ。

 唸りを上げ、左のロングフックが火を吹いた。

 


『ヤバい……❗❗❗』

 右腕の動きに騙されて、あの左のロング フックを喰らったら一発でノックアウトだ。



 ビーナスの華奢な腕では、例えブロックしても腕ごとしまうだろう。



 左の剛腕が唸りをあげてビーナスの顔面へ突き刺さった。


『うゥ……😣💦💦💦』見ていられない。

 ビーナスの顔面が叩き潰される所なんて。


 

 咄嗟に、僕は両目をつぶり顔をそむけた。



 《グッシャッ》と言う打撃音が響いてくると思ったが、意外にもモヒカンの剛腕は、ビーナスの顔面をすり抜け空振りに終わった。

 


『ぐゥ……❗❗❗』まさか……


 まるで魔法を見せられたようだ。


『バ、バカなァ~……』

 モヒカンのロングフックがビーナスの顔面をり抜けていった。

 空振りしたモヒカンも目を白黒させた。



 尚もビーナスはダンスを舞うように左足を軸にクルッと反転し、バックスピンを掛け強烈な背面蹴りをモヒカンのドテッ腹に叩き込んだ。



『ぐッゲェェ~~ー……😫💦💦💦』

 モヒカンの巨体がくの字に折れ曲がった。




『ううゥッ、ローリング ソバット❗❗❗』

 ヤンキーの取り巻きのひとりが叫んだ。



 まさに華麗な『ローリング ソバット』だ。



 後方回転 回し蹴りがモヒカンの叩き込まれた。

 一瞬で勝負が決まった。



『うッゲェ~~ー……😫💦💦💦』

 倍以上、大きなモヒカンの巨体が宙に浮くほど強烈な後方回転 回し蹴りだ。



 モヒカンの巨体が地響きを立てて地面に叩きつけられた。

『ウッゲッゲゲェ~……』

 腹を押さえ転げ回り悶絶した。

 


 まるで、映画のアクションシーンでも見ているような錯覚にとらわれた。



『た、た、た……、たけちゃん❗❗』

 一斉に、手下の取り巻きが心配げにモヒカンの元へ駆け寄った。





∠※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆


 



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