第172話

「もうイケメンは、りごりだなァ~……」

 由莉愛は、一気に缶コーヒーを煽った。


 感情がたかぶったのだろうか、いくぶん声が震えていた。


 かすかに大きな瞳が涙で潤んだ。



「あ……❗❗」

 その事に気づいた僕は、急いでハンカチを用意し差し出した。

「ど、どうぞ…… ユ、由莉愛ユリアさん」



「フゥ~ン……、悔しいけど……

 アイツの言う通りだよ……」

 恥ずかしそうにハンカチを受け取り、軽く目頭を押さえた。



「え……、な、何がですか……❓❓」


「ガサツで、色気がなくって、嫉妬深い……

 だからウザいッて……😔💦💦💦

 私は、いっつもそうやって……

 彼氏に、振られるから……」



「ウウゥ~ン……、そんな事ないよ。

 由莉愛さんは、他の人よりもずっと感情表現が豊かなんだと思うよ」

 嫉妬するのは、それだけ愛情が深いと言うことなのだろう。



「ふゥ~ン……、どうも……😔💦💦💦」

 少し照れ臭そうに缶コーヒーを飲んだ。


「フフ……😅💦💦 でも彼氏と別れて、良かった……」

 つい僕は本心をポロリと漏らした。


「え……😒✨✨ ンゥ……、何よ。

 それッて……、嫌みィ~❗❗」

 キッと、鋭い眼差まなざしで睨まれてしまった。



「え、いえ…、別に…… だって、僕にとっては由莉愛さんが振られて良かったです」

 慌てて言い訳をした。おそらく誤解しているのだろう。



「はァ~…… 何…… いつもイジめられてるから皮肉を言ってるのォ~ー」

 ギュッと股間の辺りをまんだ。


「イ~ッ、痛ッてェ~……😣💦💦💦

 どこをまんでるンですかァ~……❗❗」



「ふン……、佑樹ィ~❗❗ 

 私が、振られてザマーみろッて思ってンだろォ~ー❗❗」



「いえいえ……、ち、違いますッてェ…… 

 これで彼氏とは完全に別れたッて事ですよねぇ……❗❗」



「あン…… 知るか。あんなヤツ……😒💦💦

 もうずゥ~っと前から別れてるよ❗❗」



「だ……、だとしたら……

 いま、フリーなんですよねェ~……」


「え……、まァ~、そうだけど……

 だったら、何……」


 

「じゃ、マジで僕と付き合って下さい」

「え……❓❓」


「僕は…… さっきの彼氏みたいにイケメンじゃないけど……

 絶対に由莉愛さん以外の女性を見向きもしませんから……

 お願いします……」

 そるそる手を差し出した。



「フフ……✨😌✨✨✨ おバカねぇ……

 佑樹は❗❗」



「え……😓💦💦」やっぱりダメなのか……






 ※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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