第170話

 翌日の夜、駅を出てバイトから帰宅途中、公園の前を通り過ぎようとした。



「ンゥ……❓❓」

 何やら公園が騒然としていた。



 どうやら公園の中で、男女が口喧嘩をしているみたいだ。

 それもかなり激しい口論だ。



『はァ~…… このォ~開き直るなよ❗❗』

 公園の外まで女性の怒鳴り声が聞こえた。


「あ、あの声は……❗❗❗」

 聞き覚えがあった。


『ッるせェ~なァ~❗❗ ウザいンだよ❗❗

 由莉愛はァ~~ー❗❗❗』

 男性の方も声を荒げた。


「ン……❓❓」由莉愛……❗❗❗

 やはりあの聞き覚えのある女性の声は由莉愛なのか。

 急いで僕は喧嘩をしている方へ駆け寄った。



 公園の中で男女二人がののしり合っていた。

 


「ッざけんなァ。お前が二股掛けたクセに、私の所為せいにするのかよォ~~~ー……❗❗」

 相当、由莉愛はキレている口調だ。



「だから、ウゼェーッて、言ってんだろォ~ー❗❗❗ いちいち、どこにいるだとか。

 GPSを着けろとか。ラインを返せとか。

 すぐに電話に出ろとかァ~……❗❗」

 彼氏だろうか。長身でモデルみたいなイケメンの男性だ。



「くゥ……、そんなの当たり前だろォ~❗❗

 彼女なンだからァ~❗❗❗」



「はァ~、うんざりなんだよォ~ー❗❗

 そんなに拘束されてたまるかァ~❗❗」


「だから、二股掛けたッて言うのか❗❗」



「ああァ~、そうだよ❗ ふざけるな❗❗

 いくら綺麗で巨乳でスタイルが良くても、お前といると息が詰まるんだよォ~ー❗❗」


「な……、なァにィ~ーー❗❗❗」


「もう金輪際、俺のところに連絡して来るなよォ~ー❗❗」

 男性は逃げるように駆け出した。



「るッせェ~ー❗❗ こっちからお前なんか願い下げだよ❗❗」

 由莉愛は、モノ凄い剣幕で怒っていた。



「……😓💦💦💦」僕も声を掛けるタイミングを逃した。


 しばらく彼女の様子をそっと見つめていた。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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