第134話

「えェ……❓」

 一瞬、未来の腰の動きが止まった。



 僕は彼女の動きを封じようと下からギュッと未来ミライを抱きしめた。



「ミ、未来ミライ…… もう僕にはうしなうモノはないンだ……」

 すでに両親も亡くなった。

 僕が【御手洗みたらい】でいる意味はない。



「いいの……❓❓

『便所掃除』じゃ無くなっても」

 



「フフ……、ああ、どっちかって言えば小さい時から、【御手洗ミタライ】の苗字を変えたくて仕方なかった……」

 どんなに由緒正しい『名前』であっても、僕には勘弁してほしい。



「だから……」

 いったん躊躇ためらい言葉に詰まったが、意を決した。


未来ミライと結婚して、【松本】の婿養子になるよ」


「え……」



未来ミライ相応ふさわしい彼氏になってみせるよ❗❗

 だから、待っててくれ❗❗」

 真剣に彼女の瞳を見つめ告白をした。



 長い沈黙が部屋の中を支配した。

 いや、実際には数秒だったのだろう。


 しかし僕にとってはかなり時間が経過したような気がした。




「フゥン……、嫌よ❗❗」

 不意に、未来は僕の申し出をこばんだ。



「えェ……❓❓❓」どうして……






※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

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