第116話

『瞬~ー❗❗ 誰が、一発やったらポイ捨てだってェ!』

 私は、拳を振り上げ飯野瞬を睨みつけた。



『あ……、いや…… ち、違うんだ……

 お、落ち着けよ。ミ、未来ミライ…… なァ~……』

 首を横に振り、必死に言い訳をしようとするが私は、まったく聞く耳を持たない。



『腹に力を入れろォ~ーー❗ 瞬❗❗』

 私はグラスをテーブルへ置き、もう一度、拳を握りしめ怒鳴った。



『うゥ……❗❗ やめてくれ。顔はァ~』

 訳もわからず飯野瞬は両腕で顔をガードしながら呻いた。




『舐めてんじゃねェ~ぞォ~~ー……❗❗』

 怒りに任せ、目いっぱい彼のボディへパンチを放った。



 『ボゴォ~ーーッ❗❗』と鈍い音が響き、シュンのどてっ腹にパンチがめり込んだ。


「うッゲェ~ーー❗❗❗」

 アヒルの首を絞めたみたいな情けない悲鳴が響いた。




『あァ~……、シュ、瞬君❗❗』

 周りの取り巻きも驚いて目を丸くしていた。



『ぐ、グウゥ~……ッ』飯野は悶え苦しむように腹を押さえ、膝から崩れ落ちた。



 まるで私の足元で土下座をするような格好だ。


「……😓💦💦💦」

 店員も唖然として見ていた。

 もちろん声もない。



『フン、悪かったな❗❗ の女でェ……』

 私は憎しみの眼差しで瞬を見下ろした。



『ううゥ…… ち、違う……』

 懸命に首を振り言い訳をしようとするが、声にならない。

 痛みで目から涙がこぼれた。



『もう二度と、私の前に顔を見せるなァ~!

 今度は、その自慢の顔面に思いっきりパンチを叩き込むぞォ~ーー✨👊😠✨』

 もう一発殴ろうかと振りかぶった。



 私の啖呵たんかに怖れをなしたのだろう。



『わ、わ、わ、わァ~~ーー

 ゴッゴメンよォ~ー🙇💦💦💦

 顔だけは止めてくれェ……』

 すぐさま飯野瞬は、土下座をして謝った。






※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る