第106話 ノーブラの

 確かに、未来ミライは美人三姉妹の三女だ。



 美人でやり手と評判の弁護士の長女 明里あかり、自他ともに認める優等生の次女 栞里しおりと続いては、さぞかし肩身の狭い思いをしたのだろう。



「真面目に…… 一生懸命やったトコで誰もめても認めてもくれない…… 

 いつも…… いつだってあの姉貴ひとたちと比較されて……」


「うン……」僕は、小さく相づちを打った。



「満点が当たり前…… 少しでも間違えば、容赦なくディスられて…… やれ……、

 『お姉ちゃんたちは、もっと出来たのに……』、『こんな問題も出来ないの……』

 『本当にダメな子、お姉ちゃんたちは、もっと優秀なのに……』

 『お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん……』

 いつまで経ってもお姉ちゃんが付きまとってくる。

 私には無理……❗❗

 そんなの息が詰まっちゃう❗❗」



「うゥ~ン……」

 よほど彼女にとって、プレッシャーだったに違いない。


 一見、ワガママに見えてヤンキーの未来かのじょなりの苦悩があったのだろう。


 ノーブラの膨らみのピンクの頂点がヤケになまめかしく見えた。



「逃げ出したい。こんな牢獄のような生活から…… いつもそう思ってた」

「うン……」


「でも…… 唯一、私の事を認めてくれた人がいたんだ」



「唯一……」

「うン…、それが、兄貴のヒロだった……」


「ヒロ……さん❓ お兄さんの」


「そうよ……」小さく頷いた。

 少し哀しそうな表情だ。



「……」しかしさっきの話しでは、その兄の松本ヒロは殺されたらしいが……



 それも殺した相手が……

 母親だなんて……

 



 いったいどんな過去があったと言うんだ。






 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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