第107話 未来

 兄のヒロを母親が殺したなんて……


 いったいどんな過去があったというんだ。



「さっきの話しじゃ、お兄さんのヒロさんは…… 亡くなったッて、聞いたけど」 

 僕にとっても少し聴きづらい話しだ。



 徐々に声のトーンが落ちていった。



 まさか、未来かのじょの母親に殺されたッて事は訊けない。



「うン……」スッと未来ミライは視線を伏せた。

「ちょっとねぇ……」やはりあまり話したくはないみたいだ。



 さっきまでとはガラッと様子が違った。



「ゴッ、ゴメン……。 話したくなかったら、これ以上は詮索しないよ……」

 もうこれ以上、追求してもしょうがない。



 僕は警察や探偵ではないのだ。



 複雑な彼女の家庭の問題に、土足で踏み込む権利は僕にはない。



「ううゥン……」ヤンキー美少女は、小さく首を振った。



 かすかに鮮やかなピンクゴールドのツインテールが揺れた。



「どうせ…… ネットで調べれば載ってるし……」


「そ、そォ~……」確かに、そうかもしれない。

 ネットには、有ること無いこと載っている。誹謗中傷なんでもありだ。



「ヒロは…… 栞里と同級生なの……」

「え…、ああ…… そうだけど……」

 僕は軽く頷いた。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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