第87話 田山イズミ

 続いて着信音が響いた。



「ン……」今度は、ちゃんと着信画面を確かめた。

 画面には、『友朗トモロウ』と記されてあった。



 もしかしたらエリカが見つかったのかもしれない。

 


「もしもし…… トモローか❓❓」

 望みを託して、すぐに電話を繋いだ。




『ああ……、アキラ❗❗ エリカさんは見つかったか❓』

「え……、あ、いいや……、こっちは、まだだ……」

 どうやらトモローの方も見つかってないようだ。




『ン…、そうか…… 電話も❓』



「ああ…… 繋がらない」

 頭を抱えて俺はベンチに座り込んだ。

「別に……、彼女がこばむなら……

 このまま会わなくても良いんだ……

 でも頼むから極端な事だけはしないで欲しい」



『ン…、極端な事…… ああ、そうだな……

 じゃ、僕も、もう少し探すよ』



「そうか……、ありがとう……。

 でも悪いからあとは、俺がで探すよ。

 ユーマにも礼を言っておいてくれ」



『おいおい、バカ言うなよ。水くさいな……

 僕たちは友達だろォ~……

 今日一日くらい探すよ』



「ああ……」

 そういってくれると涙が出るほど、有りがたい。

「じゃ、頼んだぞ❗❗」

 電話を切り、スポーツドリンクを飲んだ。



「ふゥ~……」

 火照った身体に冷えたスポーツドリンクが心地好い。



 どこかで、帰宅を促す音楽が流れた。



 俺は母校の小学校へ向かった。ひと通り調べたが、ここにも姿が見えない。

 


「あ❗❗ そうだ……」エリカを探している内に、やっと彼女の本名を思い出した。



 エリカの本名は、確か、『田山イズミ』だ。


 





 ※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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