第79話 飯野 瞬

「どうだ……❓ アキラ、これから海の方へドライブに行くンだけど…… 彼女も一緒に」

 飯野は車から出てきて俺たちを誘った。


「え……」チラッとエリカを窺ったが、困惑した顔をしていた。



「瞬……👄✨💕 もォ~最低ェ……

 ミカの前でナンパするなよ❗❗❗」

 飯野の彼女らしき、金髪の美少女が不満を漏らした。



「フフ…、遠慮しとくよ❗❗ 飯野」

 俺も今夜はお前らのドライブに付き合っている暇はない。



「何でだよ。彼女ォ~😆🎶✨

 俺、飯野 シュンだ……」 

 エリカに自己紹介をした。


「香山エリカです……」消え入りそうな声で挨拶をした。


「いやァ~、美人じゃン…… エリカ❗❗

 アキラの彼女にしちゃァ~」 

 慣れた仕草で握手を求めた。


「……😔💦💦💦」

 おずおずとエリカも応じた。



「フン…、っとけよ」俺はそっぽを向いた。

 まったく失礼なヤツだ。



「そォ~ーよ。瞬❗❗ 早くコンビニに入ろうよ❗❗」

 金髪の美少女ミカが手招きしいそがせた。



「ッるせェな…… 先に入ってろよ」

 不機嫌そうに飯野は顎で命じた。



「チェッ」金髪の美少女は舌打ちし店へ入っていった。



「よォ~、そォ~言えば、知ってるか❓

 アキラ❗❗」

「え…… なんだよ」



「ブスの方の田山ッて、居ただろ❗❗」

「え、ブスの方の田山……

 ああ、居たけど」

 小学校の頃、二人、田山と言う姓の女子がいた。


 ひとりは美少女で、もうひとりは『ブスの方の田山』と呼ばれていた。



「……」エリカは眉をひそめた。



「アイツ、中三の夏休みにアメリカへ留学してさァ~、それから向こうで整形したらしいンだァ~ー…😆🎶✨」


「え…、せ、整形……❓❓❓」



「ブスが整形したッて、大した顔にならねェッて❗ そう思うだろ❗❗ アキラも❗❗」

「フン…、知るかよ❗ そんな事」



「ああ、そう言えばアキラ❗

 俺がブスの田山から貰ったバレンタインのチョコを捨てたら、拾ってたよな❗❗」


「え……」ああ……

 そう言えば、そんな事もあった。



「瞬❗❗ 早くゥ~ー❗❗」

 コンビニのドアを開け、金髪の美少女が呼んでいた。



「フフ…、しょーがねぇな。じゃ、またな」

 飯野は俺の胸をトンと叩いた。


「エリカちゃんも、今度、デートしようぜ」

 プレイボーイのように慣れた仕草でウインクをした。


「うゥ…、飯野、お前なァ~ー❗❗

 人の彼女に……」

 まったく信じられない。

 金髪の美少女がいるのに、なんて浮気性なヤツだ。



「……」エリカは固い表情で、ギュッと俺の手を握った。




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆



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