第62話

「大事な事なので二度言うわねぇ❗❗

 聞き逃さないでェ……❗❗

 ニートはなのよ❗❗❗」


「いやいや、何が大事な事なンだよ……❗❗

 働いたら負けッて、誰と争ってンだ❗❗」



「基本的にプロニートのお仕事はベッドで、ゴロゴロしてスマホゲームで遊ぶ事なのよ✨😌✨✨」


「どんな仕事だ❗❗ そんなの仕事じゃないだろォ~❗ 遊びだろォ~ーー❗❗」

 


「クレオちゃんは、友朗トモローされて、お仕事の出来ない身体にされてしまったのよ❗❗❗」


「するかァ~ー❗❗ あんな事もこんな事も❗❗❗」


「変なモノをクレオちゃんの秘密のポケットに入れたり出したりしたじゃン❗❗」


「入れるか❗❗❗ 変なモノなんか❗❗

 ふざけるなァ~~ーー❗❗

 秘密のポケットになんか指一本、入れてないだろォ~……❗❗」

 なんて、無茶クチャを言うヤツだ。



 しかし……

 これ以上、言い争っても勝ち目がない。



「解かったよ…… 風呂を沸かして来るよ」

 仕方なく風呂を沸かしに部屋のドアを開けた。


「あ、それから友朗トモロー❗ 忘れずに風呂上がりに美味しいスイーツと午後💟紅茶ティーを用意して❗❗❗」

 寝転んだまま、スマホをいじっていた。恥ずかしげもなく脚をバタバタさせるのでパンツが見えそうだ。



「用意ッて、ウチにスイーツなんてないよ」

 僕は部屋を出ようとしたが振り返って応えた。



「ないですッてェ…… ふざけた事を言わないで❗❗ プロニートが来たら、どんな家庭でも漏れなく甘くて美味しいスイーツを出すのが礼儀作法でしょ❗❗❗」

 呆れた顔をした。



「どこの流派だ…… 何だよ。その礼儀作法ッて。だいたい普通の家庭に突然、プロニートなんて来るかよ❗❗」



「良くッて、クレオちゃんは、甘くて美味しいスイーツに目のないタイプのプロニートなのよ❗❗」


「いやいや、全然、関係ないよねェ……

 プロニートとは」


「それと炭酸飲料の受け付けないタイプのプロニートなのよ❗❗」



「はァ~ー❗❗ それは単に、クレオの体質だろ❗❗」



「気が利かない子ねェ……

 だからいつまで経っても、皮が剥けない童貞バージンボーイなのよ」


「関係ないだろォ~ー❗❗ 僕が童貞チェリーボーイかどうかなんて❗❗」

 なんだ。

 その『バージンボーイ』ってェ……。



「つべこべ言わず、お風呂を沸かしたついでに、スイーツと午後の紅茶をかって来なさい❗❗❗」


「ンゥ~……」なんてままなヤツだ。昔から全然変わらない。



 突然、部屋へやって来て、『やれ、風呂を沸かせ❗ ジュースを飲ませろ❗❗

 スイーツを用意しろ❗❗』

 などと無理な注文をつける。

 


 しかし唸ったモノのここで口論しても仕方ない。


 ちいさい時から口ゲンカしても勝ったためしがない。

 


「わかったよ…… 行けば良いンだろ……」

 急いで風呂を沸かし、近くのコンビニへスイーツを買いに出掛けた。



 

∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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