第55話 馬場アキラ

 いつの間にか店内には、あいみょんの『マリーゴールド』が掛かっていた。



 切ないメロディが胸にしみる名曲だ。



「ケッケケェ…😆🎶✨ 友朗トモロー❗❗

 そんなに怖い顔するなよ。友達だろォ~ーー❗❗ 俺たちさァ~~ー❗❗」

 しかしアキラはそんな感傷など気にせず、下品な顔で笑い、旧知の間柄のように肩を組んできた。



「ンゥ~……😒💦💦」

 全くただでさえ暑いッて言うのに、鬱陶うっとうしいヤツだ。



「おい…😆🎶✨ 栞里の桃尻ヒップを見て、ポ💟ットドラゴン発動させてんじゃねぇ~ぞォ~ー❗❗❗」

 性懲しょうこりもなくまた僕の股間をギュッと握ってきた。



「し、してねェ~よ。そんな事……」

 完全にセクハラだ。


 全くコイツにはデリカシーの欠片カケラもないのだろうか。



 咄嗟に身体をくねらせ、馬場アキラの手をけた。



「フフ……」栞里も困ったように苦笑した。



「……😒💦💦」

 他の客らも白い目で僕らを見ていた。


「ううゥ~……😳💦💦」

 気の弱い僕は居たたまれない。

 頬を真っ赤にして顔を伏せた。



 だが、アキラは他人の目など気にしない様子だ。


「どうだ。友朗トモロー❗❗ 見るゥ~❓ 

 俺の彼女ォ~ー、ケッケケェ……」

 自慢げに笑った。



「え、彼女ッて、婚活の……❓❓」

 まさか、もうアキラには彼女が出来たのか。



「そ、『マッチング アプリ』で知り合ったエリカだよォ~ーー……😆🎶✨💕」

 スマホを僕の目の前に持ってきた。



「ン…、エリカ……😔💦💦」

 アキラの彼女なので、ド派手ハデメイクのキャバい子かと思ったが、画像を見る限り清楚で正統派の美女だ。



「ン…、マ、マジかよ……❓❓」

 さすがに見せびらかすだけの事はあった。

 スゴい巨乳の美女だ。これなら僕に自慢したくもなるだろう。



「ケッケケェ……😆🎶✨ 悪いな。俺だけ【婚活サバイバル】を卒業しちゃって❗❗」

 


「フゥ~ン…、ッたく、良かったな……」

 羨ましい限りだ。

 こっちは、まともに女性と話した事さえないのだ。



 このあと十分以上、アキラの自慢話しが続いた。

 だが、ほぼほぼしもネタなので、コンビニの店内でするような話しの内容ではない。


「わ、わかったよ…… じゃァ~な。

 続きは、あとで電話でもして来いよ」

 これ以上、アキラの自慢話しに付き合い切れない。



 取り急ぎ、夕食の弁当とジュースを買い、早々に帰宅のについた。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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