第35話 【真夏の女神《ビーナス》】

「フフ……👄✨💕 お待ちどうさま」

 真莉愛マリアは、いつもと変わらず小悪魔のように微笑み、スッと腕を組んできた。


 柔らかな胸の膨らみが僕の二の腕へ押しつけられた。



「あ、いえ、もう済んだンですか…😳💦💦」

 一瞬、ドキッとした。仄かに香水の匂いが漂ってきた。


「フフ、何がよ……」また思わせ振りに微笑んだ。


「え、何がッて、言われても……😳💦💦」

 詳しくは言えない。


 いくら真莉愛マリアでも病院のベッドで過激な情事ことはしないだろう。




「フフ…、ユーマのクセに、さ、お腹が空いたわ。買い物して帰ろ」

 しっかりと腕を組んだ。



「あ……、う、うン……」小さく頷いた。



 今日の真莉愛マリアの甘える仕草は、無性にいとおしくて、いじらしく思えた。


 病院を出ると、まだ日差しは眩しく蒸すように暑苦しい。



「ねぇ、今度、二人で海に行こうか❓」

 真莉愛マリアは努めて明るく振る舞っているみたいだ。



「うン、いいけど…… 水着はあるの」



「平気、平気ィ~。ほら、水着がなけりゃ、真ッで泳ぐしィ~✨😌✨💕」

 ようやくいつもの調子を取り戻してきた。


「どこが平気なンですか……

 真ッで泳いでたら逮捕つかまりますよ」


「フフ……、じゃユーマが、しっかり逮捕つかまえてよォ~ー✨😆🎶✨💕」

 さらに身体を密着させた。

「えェ……❓」


「こんな極上な珍品レアモノ、二度と手に入らないンだから……」

 恋人みたいに僕の肩に頭を乗せた。



「フフ、確かに、ねぇ……」  

 彼女の言う通り納得だ。





 ちょっとエッチな【真夏の女神ビーナス】だ。



 金輪際、彼女みたいな美女と親密な関係になる事はないだろう。



 『婚活の授業』がなければ、本来、僕とは関わり合いになる事はなかったはずだ。





 まさに運命ディスティニーと言っても過言ではない。





 【婚活の時間】も決して悪くはない……








 ∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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