第33話 佑磨
「
静かに、
「え、あ…、ハイ……」僕は小さく頷いた。
おそらく
さぞかし似合いのカップルだったに違いない。
しかし容態が思わしくないのは、ひと目見て歴然だ。
「私の…… ただひとり愛した人……」
いつになく優しい眼差しだ。
心なしか、大きな瞳が潤んでいた。
「はァ~……」なんと声を掛けて良いか、解らない。
「こうしていると、すぐにでも、『あ~❗ 良く寝た』ッて起き上がってきそうでしょ」
「ええ…、そ、そうですねぇ」確かに……
「フフ…、彼ッたら、
哀しそうに、
「え……❓」
「恋人の私を
二年も寝てるの」
「はァ…、二年もですか……」そうか。
やはりずっと植物状態なのだろう……
「こんな良い
かすかに声が震えた。顔を伏せ、ひと
「……」僕は掛ける言葉も見つからない。
「佑磨は、暴走車から私を
「え……」庇おうとして事故に……
「おかげで、彼の家族には怨まれるし……
『佑磨を返せ❗❗ この人殺し❗❗』
とか……
ッたく、散々よ」
「……」そうなのか……
うつ向いたまま僕には応えようがない。
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