第29話

「スゴいのォ~🎶✨💕 ユーマ❗❗

 スゴい スゴい スゴォ~ーい✨😆🎶✨」

 真莉愛マリアは僕のすぐ横で、麻美レイナの真似をしていた。


「お、おバカかァァ~ーー~ー😡💢💨」

 ジョークにしてもヤり過ぎだ。

『おおォ~😆🎶✨』

 電話の向こうではアキラが反応した。


「スゴいのォ~…… ユーマァ~😆🎶✨」

『ヒュゥ~🎶✨ 良いねぇ✨💕 彼女ォ~ー

 何が、そんなにスゴいのォ~ーー❓❓

 ねぇ~、俺も交ぜてよォ~ー…😆🎶✨』

 電話の向こうでアキラはノリノリだ。


「ユーマァ~✨💕 もっと激しくしてェ」

 真莉愛マリアは、僕をからかってたのしんでいるみたいだ。


「あ、あのねぇ……😲💦💦」

 どんなプレイだよ。助けてくれェ……。


『おォ~い、ユーマ❗❗

 何を激しくするンだよ……』

 アキラはスッカリ乗り気だ。


「るッさい❗ 激しくなンかするかァ~❗❗

 もう切るからな❗❗」

『ま、待てよォ~😆🎶✨ 

 優真ユーマ、【婚活】はどうすンだよォ~~❓』

「え……、こ、婚活……」

 今は、それどころじゃない。

 この通話を早く切りたい。


『俺は、さっそく【婚活アプリ】で美女と予約アポ取ったぞ❗❗』

 アキラは、手柄のように威張った。


「え…… アポ❓❓」

 さすが自称ナンパ師のアキラは、やることが早い。


 僕のような草食系 童貞バージンボーイは失恋ふられる事を想定してしまうので、婚活アプリで相手の女性と会う事を躊躇ためらってしまう。

 

『ケッケケェ……😆🎶✨ プロしゃ た感じじゃ、清楚でアイドルッぽくて、チョー美人なンだ……』


「はァ~…… そりゃ、良かったな」

 わざわざ僕に自慢か。何の報告だよ。


『ケッケケェ……😆🎶✨  上手くいったら紹介してやるよ』


「フゥ~ン…、わかったよ。じゃァ~な」

 僕は、まだ喋ろうとするアキラを無視し、一方的に通話を切った。


「あ、あのねェ……」やっとひと心地ついたが、僕は真莉愛マリアに視線を向けて睨んだ。


「キャッキャッ……😆🎶✨」

 真莉愛マリアはご機嫌だ。手を叩いてよろこんでいた。


「勝手に僕のスマホを繋がないでよ」

 これが、親からの電話だったら洒落シャレにならない。

 親との電話中に、『アンアン』と喘ぐ真似をされたらたまったモノではない。

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