第27話

 やっと冷房も効いてきて快適に過ごせるようになった。



 真莉愛マリアはソファに腹這いになりスマホをいじっていた。



 チラッと、覗くと可愛らしい桃尻が見えた。身体じゅうが火照ってきた。



「……😳💦💦💦」

 だが、ジィッと覗き込んでいる訳にもいかない。仕方なく僕はテレビに視線を向けた。



「ねぇ、ユーマ❗❗ お風呂は」

 不意に、爪先で僕の股間の辺りを突っついた。



「え……、お風呂なんて、まだ沸いてませんけど」

 変な所を突っつくなよ。



「何、やってンのよ。女子を家にまねいたら、お風呂を用意するのが常識でしょ❗」



「いやいやまねいたらッて、勝手に乗り込んで来たンでしょ……」

 全く勝手な言いぐさだ。



「良い度胸ねェ…… ユーマのクセして私にクレームをつける気❓❓」

 こぶしを握り上から目線で睨みつけた。



「いえ、あの…… 解りましたよ。

 今、沸かして来ますから」

 これ以上、逆らっても勝ち目がない。

 慌てて風呂を沸かしにバスルームへ向かった。



 点火していると、リビングで着信音が響いた。

「ン……」

 まさか、僕のスマホなのだろうか。

 急いで引き返そうとすると、リビングから真莉愛マリアの声が聞こえた。


『ハイ、もしもし……😆🎶✨』

 真莉愛マリアは妙に甲高いアニメ声で応えた。



『えェ……、あれェ、これ優真ユーマのスマホだよねェ……』

 スピーカー仕様にしているのか、相手の声が響いた。いくぶん戸惑っているみたいだ。

 この声は間違いない。



「あ、アキラだ」なんでリビングから友人の馬場 アキラの声がしているのか、訳がわからない。



『そうよ。ユーマなら今、お風呂を沸かしてるの…😌✨✨💕💕』

 事もなく真莉愛マリアは応えた。






 ∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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