第15話 二人乗り……

 容赦なく真夏の日差しが、アスファルトの路面に照りつけられた。




 うんざりするほど暑い。

 軽く三十五度はいっているはずだ。




 今日も間違いなく真夏日だろう。



 駅前から帰宅への道すがら、僕は真莉愛マリアを荷台に乗せ、ママチャリを二人乗りしていた。 



 もちろん道交法違反なのは解っているのでスピードを出すワケにはいかない。ゆっくり注意して歩道を走っていた。



 ともすれば歩いている子供にさえ抜かれる始末だ。

 しかし真莉愛マリアと二人乗りが出来れば、それでも構わない。



「ほら、ユーマ✨😆🎶✨💕 もっと飛ばしてよォ…… 歩いてる子供に追い抜かれるじゃン」

 グイグイと彼女は背後から身体を押しつけかすが、僕は困惑し苦笑いを浮かべた。



「ハッハハ、そんな事は……💦💦

 解ってますけどォ……😅💦💦💦」

 背中に真莉愛マリアの柔らかなオッパイを感じた。



 思わずドキドキと胸がときめいた。



 昔から僕は、こんなふうに可愛い女の子と二人乗りするのが夢だった。



 もちろん、もう少し颯爽さっそうと街並みを駆け抜けたかったが、駅前には交番もあるので無理は出来ない。

 


 彼女のピンクゴールドの流麗な髪が風になびいて、僕の頬を撫でていく。

 甘いシャンプーのかおりが漂ってきた。




 これが僕にとって、生まれて初めてのデートだ。

 




 このまま、ずっと彼女と二人乗りで海岸線まで、風を切って駆け抜けてみたい。


 




 ※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆※。.:*:

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