第8話 織田 真莉愛《マリア》

「いえ、あの…… すみません」

 僕は電話口で、あたふたして謝った。

 まさか織田 真莉愛マリアから電話が掛かって来るとは思わなかった。


『おいユーマ❗ 舐めてンのかァ~ー❗❗ 

 誰が、オダマリなンだよォ❗❗❗』

 かなり怒った口調だ。ヤバいことになった。


「あ、いえ…、その……😅💦💦 

 すみません…… マ、真莉愛マリア様ですねェ」

 即座に僕はペコペコと見えない相手へ頭を下げた。


『フフゥ~ン……、ユーマのクセに、舐めた口きいてくれるなァ~ー❗❗』


「いえ、ちょっと、さっきまで…… 母親と電話していたモノで、勘違いしまして」

『はァ~~、知るか。今すぐ迎えに来いよ』


「む、迎えにッて、どこにですか……」

『駅前の喫茶店だよ。決まってンだろ❗❗』


「え、駅前ですか❓」

 何が、決まっているのだろうか。


 ようやく帰ってきたと言うのに、このだるように暑い中、また駅前まで行くのか。

 うんざりしてきた。


『じゃ、今から五秒で来いよ』


「な……、そんな五秒でなんか、行けるワケないでしょ」

 僕をなんだと思っているのか。

 自転車で行っても駅までなら、優に三分は掛かる。


『ユーマのクセに口答えするンじゃねぇ~❗

 私が五秒で来いって言ったら、五秒で来るンだよ❗❗』

 有無も言わさぬ口調だ。


「いや、でも…… どう考えても五秒じゃ行けませんよ。

 『ど💟でもドア』もありませんし……」


『知るかッて、言ってんだろ❗❗❗ 五秒で来なかったら、わかってるのか。

 喫茶店の客前でユーマの皮つきウ💟ンナーを引っこ抜いて、お前のケツの穴にぶちこむぞォ~~❗❗』


「ど……、どんな公開処刑ですか」

 皮つきウ💟ンナーをケツの穴にッて……


『いいから、とっとと来いよォ~❗❗

 あと三秒なァ~ーー❗❗❗』


「えェ~ー~ーー……」

 なんて、無茶クチャな人なんだ。



 とにかく僕は急いで部屋を飛び出した。






 ※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°※*:☆

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