第10話 遊夜の会(友家の開)壱

 その後、ぼくは授業を受け、一時間目現代文二時間目數学三時間目体育四時間目英語A五時間目世界史六時間目科学が終わりぐだーとするぼく。

「……やっと終わったか。長かったな……これがずっと続くんかな……」と呟くぼく。

 ぼくはふと、さなちゃんの方を見るとさなちゃんが慌てて走って来て物凄く息が荒くなっていた。

 教室なんだから走らなくてもいいし慌てなくてもいいのに、それにぼくは逃げません。

「ね、翠くん!そろそろ行こうよー!楽しみー!!!」

 さなちゃんはぼくの袖を無理矢理引っ張り教室を出て学校を出た。

 ……あの、ぼくの休憩時間が……。

「あの、残り四人……は、どうやってぼくの家に来るの?」

 さなちゃんは走りながらこちらを見て説明した。

 ぼくはふと思った。このまま話すといつか電柱へとぶつかるんじゃないかと思った。本当にぶつかったら、パーティーどころの問題では無くなることにゾッとする。

「あー、さっき場所を教えたから大丈夫。それに部活もやってるからね。明日休みだし!遊びまくれるように皆に夜遅くなるからって両親に伝えておいてって言ったから!」

「そっか」

 走ってぼくの家へと向かい、あっという間に家に着いた。

 ぼくは呼吸が乱れ少し休憩すると言って部屋に戻った。さなちゃんはリビングで暇を潰した。

「……今日ここで、パーティーか……」

 ぼくは制服から普段着に着替え、少し休憩した。

 数分後、ぼくは休憩が終わりリビングに戻り階段を下る。そして、さなちゃんを見つける。

「そろそろ準備しよっか」と言うぼく。

「だね。準備しよう」

 さなちゃんも制服から私服へと着替えエプロンを着用していた。

「ねえ……翠くん。どう……?」

 少し頬を赤らめていた。

 初めて異性の目の前でこんな姿になっていることに恥ずかしがっているのだろう。

 無理して、ならなくてもいいのに。

「……可愛いよ」とぼくは答えた。

 だが、多分可愛いと思う……。

 ぼくにとって可愛さの基準は分からない、

 分からないけれども、

 今なら多分、

 可愛いと思った。

「ありがとう」と言い。さなちゃんはデシャップへと向かった。

 今回はバーベキューをすることになり、さなちゃんは食べ物を用意してぼくは食器を提供し色々と皿を並べた。

 そして、さなちゃんは野菜や肉などを切ったりしていた。そう言えば……前、さなちゃんは料理をすることができないと言っていたのだが、普通にできていた。していた。

 ぼくはさなちゃんが料理する後ろ姿から眺めていた。

 ぼくはさなちゃんが前言っていたことを思い出すがあまり思い出せれなかった。ぼくに言っていたことは嘘と言うことになるのだろうか?それとも……どうなんだろうな。少し思考したが結果分からず考えるのをやめた。

その後、灯も点け丁度良い明るさに合わせるのに結構大変だった。

 そして、時刻は十八時となり外は少し暗めになっていた。

 準備が終わり肘をぐぅーと伸ばし欠伸をした。

「――終わったね」

「あぁ、終わったね」

 ぼくはさなちゃんとハイタッチをし、イェーイと言い叫んだ。

 こういうのも楽しいのか……と色々とさなちゃんと喋ってたらインターホンが鳴ったのでさなちゃんはと一緒に玄関の方へ向かった。

 ぼくはドアを開けた。

「ども、こんばんは」ぼくは一礼した。

「よお」「こんばんは」「こんばんは」「失礼します」

「こちらです」

 庭の方へ彼らを誘導し庭へと向かった。

「そう言えば初めてだね。よろしく」

「えーと、よろしく。出澄くんに駿我くん」

 彼は首を傾げた。呼び方間違えたかと思ったが、多分違ってないだろうと思い話を続けた。

「俺は駿我、隣におるのが出澄、そしてなっちゃん、その隣が彩華だ」

「うん。さなちゃんからは聞いてるよ。仲が良いんだね」

 駿我くんは運動部らしく、いかにも軽そうな感じの人でちょっと茶色が入っている。何でもかんでもプラス思考の持ち主だ。服装は運動部らしいジャージだった。ぼくは運動部に所属したことが無い視点から見ているからこの表現はあっているかは分からないが多分あっていると思った。それでぼくは悪くないと思った。


 出澄くんはさなちゃんが言ってた通り、代表的な人だった。髪は、男性の平均的な長さだった。校則に引っかからない程度の長さだった。服装は高校生が良く履く服装だった。


 なっちゃんは肩までは付かない感じで髪色は茶髪よりだった。可愛いよりは美しい方だった。だが、ぼくの趣味でも好意外だった。服装はいかにも今流行りの服を着ておりモデルさんレベルだった。次元が遥かに違ったように見えた。


 彩華ちゃんもなっちゃんと同じ感じでまるで双子かのように思うが服装も今のと色が違うだけで他は全て同じだった。


「駿我くん出澄くんなっちゃん彩華ちゃんよろしく」

 一人ひとりに握手をして「よろしく」を告げた。

「呼び捨てで良いしタメ口でもいいさ」

 駿我くんはぼくに言ってきた。

「……分かった」

「お前らも良いよな」

 駿我は彼らを見て言った。

 彼らは「いいよ」 と同時に言った。なんと素晴らしい。

「そうか、分かった」

「そう言えばキミ、名前なんて言うんだ?」

 駿我はぼくに聞いてきた。

「…………」

「翠くんだよ!」

 さなちゃんは後ろからぼくの両肩にポンッと手を置き言った。

 多分言わせたくないだろうか、察してくれた。

「翠か……。分かった」

「宜しくな!翠!」

「宜しく、駿我」

 ぼくは駿我と握手した。彼からすれば極普通なのだろうとぼくは思った。

「す、すげぇ。庭デカすぎだろうが!」

 大きく声を出し発狂する駿我に出澄は突っ込む「少しは静かにしろ」とチョップを入れられ、駿我はあうって声を出した。

「その、翠くん。あの、さなちゃんとはどういう関係なの?」

 彩華ちゃんがぼくの耳元で訊いてきた。

「普通にクラスメイトだけども?」

「いや、クラスメイトの割には接触しすぎだし、それに女性だし」

 目を細めぼくの方を見る彩華ちゃんにゾッとした。

「だったら、クラスメイトの友達?」

「ふーん。そっかー」

 呆気なく認めてくれたことにホットした。

「……」

「とりあえず、楽しもうよ」

 さなちゃんはぼくの袖を引っ張り、走った。

「そうだな」

「おーおー」

 彩華ちゃんが感動して手を揃えて見ていた。

「自由に食べてもいいよ」

 ぼくは彩華ちゃんの元へ添えた。

「ありがとう」

「駿我、野菜も食べろよ。肉だけだと、体に悪いぞ」と注意する出澄。

「わかってる。わかってる」ニコニコしながら出澄と笑いながら話していた。彼ら本当に仲良いよな。

 またもや、肉の方へ手を伸ばしていた。

「おーい、なっちゃんも食え食えー!!」と勧める駿我。

「分かってるよー」と慌てて返事をするなっちゃん。

「……そう言えばやけに彼ら仲良いよね?」とぼく。

「あぁ、俺たち幼馴染みなんだ。出澄となっちゃんはガキのころからの知り合いで、さなと彩華は中学一年の時に知り合ったんだよな。そして、中学二年の時にクラスが同じになってよ。意気投合したって言うか、なんか気が合ったんだよな。なんか自然にさ。だから、幼馴染みとも言えるな」と説明してくれたは良いが全部一人で納得して幕を閉じる駿我だった。アルコール含んでいたらこれの倍以上にテンション高いんか……

「……幼馴染みか。自分には無い存在だからなあ」

 幼馴染みって親の次に自分のことをよく知っている存在で信用できる人だよな。羨ましい。

「――翠くんってもしかして、料理とかしている?」

 ぼくに聞いてきたのはなっちゃんだった。

 何故この質問が今、飛んできたのかは分からないが回答をすることにした。

「うん。料理は好きだよ。毎日やっているからね。趣味の一部と言ってもいいね。それがだんだんと普通になって来ているんだけれどね」

 満面な笑みで頷くなっちゃん。

「ほほぉ、それは、それは男子が料理っていいね〜」さなちゃんの体に肘でグイグイするなっちゃん。そしてなっちゃんがぼくの方見てきた。それに気づいて少し慌てて混乱するさなちゃんだった。それの反撃か「変なこと言わないのっ!」ってさなちゃんも肘でグイグイする。これが友達か……所謂親友か……

「へぇー翠って料理できるのか、俺したことないな――」

「俺もしたことないわ」

 駿我に続き出澄も同意した。

「まあ、慣れだよ。何度も挑戦していけば、できていくものだよ」

「ふうん。俺は料理できなくてもコンビニ弁当で済ますしな」ワッハッハッーと笑う。

 ぼくの言ったことが真っ白に消え去った。

「さなちゃん。はい。肉焼けたよ」

 ぼくはさなちゃんの方に肉を渡した。

「ありがとう。翠くんも食べなよ」

「うん」

 バーベキューを楽しみ、色々と会話が弾み時間があっという間に進んだ。

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