第45話 碧い真実

「いや、いやだなあ! 冗談はやめてよ。エイプリルフールじゃないんだから…………」


 お願い、嘘だって言ってよ…………!


「…………」

「アオイ…………どうして何も言わないの?」

「…………」


「そ、そうだ! アオイは幽霊じゃないじゃん! わたしはずっとアオイと一緒だったけど、幽霊が見えない時だってアオイは見えてたし触れてた!」


「…………ああ、確かにボクは人間としてキミと一緒にいた。でも実は、それは一時的にそうなっていたにすぎない。…………アカネ、ボクは…………3年前に死んでいるんだよ」


 意味が、意味がわからない。悪い夢を見てるんだと、そう思いたい。


「いや、でも…………。アオイ、アオイは…………」

「アカネ。今ボクが言ったことも、これから言うことも、すべて真実だ。聞いてくれるかい?」

「……………………」


 聞きたくない。聞きたくないよ。だって、もし聞いちゃったら、アオイとお別れしなくちゃいけなくなる。そんな気がするんだもん…………。でも、アオイの目、表情、すべてがわたしに訴えかけてくる。わたしに受け止めてほしいって。そんなアオイの顔を見てしまったら…………。


「…………わかったよ、アオイ。ぜんぶ、話して。わたしはアオイの親友だもん。なんだって受け止めてあげる…………!」


 虚勢を張って、無理やり笑顔をつくる、いや、つくれていないかもしれない。それでもアオイを、少しでも安心させたかった。


「ありがとう、アカネ。…………ボクの過去、そして今について話そう」

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