第12話・ピヨキチ出動

 前回の話では、宇宙人たちが落とし穴にはまって困っていた原因は、モグラのような生物モグリンが掘った穴でした。そしてモグリンは自分が掘った穴を埋めてユウノスケたちの仲間になることに、これから活躍してくれることに期待です。


 「僕も指令に行ってみたくなったピヨ!」

いつもなら戦うのが嫌で指令に行かないくせに、今回は指令に行きたいと言い出したピヨキチでした。

「ピヨちゃん頑張ってきなさいよ」

軽々しくそれに答えたユウリでした。


 「大丈夫かなピヨキチが指令に行っても……」

ユウノスケは腕を組みながらそう言っています。

「でも、ピヨキチは黄金に光る素材から作られた機械だからね」

そうピヨキチは黄金に光る素材から作られた機械、ピコルのお父さんゴールデンメンも強いので、その渡された素材から作られたということで、なぜかピコルは根拠もない自信がありました。


 「頑張るピヨ!」

一人でガッツポーズをしているピヨキチ、本当に大丈夫なのであろうか。とそこに、

「わがなはゴールデンピコール、喜ぶのじゃまた指令が入ったぞ!」

映像に出てきたのは黄金惑星の取締役ゴールデンピコールでした。

「喜んでいいのか分からないけど、次の指令の内容は?」

とユウノスケが聞いてみると、


 「なにやら巨大な生物がその惑星で迷惑をかけておるそうじゃ、その巨大な生物をなんとかしてくるのじゃ!」

「えっそれウルトラン……なわけないか。分かりました!」

「分かりました!」

「分かったピヨ!」

そしてユウノスケ、ピコル、ピヨキチはタンスの裏の扉の前まで行きました。


 「頑張ってくるのよピコルちゃんとピヨちゃん!」

「はーーい!」

ユウリは応援してくれているようです。

「母さん俺には言ってくれないの?」

「あっ忘れてた」

ベロを出しながら言うユウリは子供のようでした。

「ほんと母さんわざとらしいんだから……まあいいよ頑張ってくるね!」

そしてタンスの裏の扉に入り次の指令『巨大な生物をなんとかしてくるのじゃ』に挑みました。


 「なんだここは! 山ばかりある惑星だね!」

ユウノスケは遠くを見ながらその絶景に見とれています。

「わあ背伸びしたくなってきた!」

ピコルはまた背伸びをしたくなったようです。

「すごいピヨ! カジジイさんが住んでいる惑星しか知らないから驚きピヨーー!」

そうピヨキチは黄金の素材から作られてから、別の惑星に来たことがないので感動しています。


 「よしピコルマップを出して!

「分かった!」

そしてピコルが目からマップの映像を映しだすと、山を超えたあたりにボスマークがついていました。

「ボスじゃん! ゴールデンピコール何も言ってくれなかったのに」

ユウノスケはボスということを言ってくれなかったので少し不機嫌そうです。


 「ボスって何ピヨか?」

「簡単にまとめるとボスっていうのは、普段戦っている相手よりも強いってことだよ」

ピコルはピヨキチに丁寧に説明をしました。

「そうピヨか、僕怖いから帰ろうかな」

いきなり帰ると言い出すピヨキチ、この先が不安です。


 「大丈夫だよ、僕とユウノスケ君がいるから安心してね」

「分かったピヨ! ありがとピヨ!」

そして歩き出した三人、またこんな会話が……

「俺歩くのだるくなってきた」

「ユウノスケ君、それ言うと思った。次は誰呼ぶの?」

「山を超えないといけないからな……あの子を呼ぼう助けてドラブラゴ!」

ユウノスケがベルトのドラブラゴのボタンを押すと出てきました。


 「おお呼んでくれてありがとよ、で今回の用件は?」

「このマップのボスマークの所まで乗せて行ってくれないかな?」

とユウノスケが聞いてみると、

「分かりやした。それでは乗ってください!」

そして三人はドラブラゴの背中に乗りボスマークがついている場所へ出発しました。その途中こんな会話をしました。


 「あのさあ聞いてもいい?」

「なんですかい?」

「ウルトランとはあれからどうしたの?」

「ああウルトランとは、あの後少し散歩をしてお別れしやしたよ」

「そっか、あの時助けてくれてありがとうってウルトランに言いたいな!」

「はい? なんのことでしょうか?」

「気づいていないならいいや、あはははーー」

そう前回ピンチの所をウルトランが通りかかって助けてくれたので、ユウノスケはお礼を言いたいようだが、ドラブラゴもデートに夢中だったので気づいていなかったようです。


 「さあ目的地につきやすよ、急降下するんでしっかり俺につかまっていてくれ!」

「分かった。ってうぎゃーー!」

そうユウノスケは高所恐怖症なので、特に怖がっています。その後目的地に降り立つと……

「ご主人様たち、俺がそのボスとやらを倒しやすのでご安心を」

気合いが入っているドラブラゴ、するとドンドンドンドンと周囲が揺れ始め、山のわきからボスが現れました。


 「うおおーー!」

強烈な雄叫びとともに現れたのは、なにやら大きな鬼のような生物でした。

「ドラブラゴ頑張ってね!」

「ドラブラゴさん頑張って!」

「ドラブラゴ頑張るピヨ!」

ユウノスケ、ピコル、ピヨキチは応援してくれています。すると……


 「すいやせん、雄叫びだけで腰が引けてしまいやした。また別の用件の時呼んでください。それでは」

と言いベルトの中に入っていきました。

「何やってんだよドラブラゴ、まあいいやよし、ポンポンマルを呼ぼう!」

ユウノスケがベルトのポンポンマルのボタンを押すと出てきました。


 「こんにちは! 呼んでくれてありがとうございます」

ポンポンマルはピピカルに怒られたのか丁寧な言葉使いになっています。

「ポンポンマル、さっそくだけどあの大きな鬼に衝撃波で攻撃してくれないかな?」

とユウノスケが言うと、

「おおっとこれは大きな鬼ですね! 分かりました!」

そしてポンポンマルがお腹を叩きだし、衝撃波が大きな鬼に攻撃しています。

「うおおおーー!」

さらに怒り出す鬼のような生物、これにはポンポンマルはどうしようもまりません。


 「ごめんなさい。僕の衝撃波ではびくともしないみたいです」

「全然いいよ! ありがとうポンポンマル、また呼ぶからベルトに帰っててね」

「はい!」

その後ポンポンマルはベルトの中に入っていきました。

「よし次は、助けてモグリン!」

ユウノスケがベルトのモグリンのボタンを押すと出てきました。


 「先日はどうもすみませんでした。僕の掘った穴でご迷惑をかけてみたいで……ってえーー!」

モグリンは目の前の大きな鬼を見てかなり驚いているようです。

「よしモグリン! その鬼の足元に穴を掘って足を落とし穴にはめ込むよ!」

「分かりました!」

「むちゃなこと言うんだからもう……」

ピコルは少しあきれていました。そしてモグリンが穴を掘り始めると、


 「ユウノスケさん!」

「なんだい?」

「鬼の足が大きくて引っかかります!」

「そうか、もうベルトに戻っていいよ! ありがとうモグリン!」

「分かりました!」

そしてモグリンはベルトの中に戻っていきました。


 「もうユウノスケ君たら、もう少し真面目に戦略考えようよ……」

ピコルはさらに悩まされています。そんな会話をしていると……


 「うおおおーー!」

ドシンと音が鳴って、鬼が金棒で攻撃してきています。

「危ないなもう、もう少しで直撃だったじゃん!」

ユウノスケはかんいっぱつ鬼の金棒の攻撃をよけることができました。

「ユウノスケ君、雷ゴウ舞を使うんだ! 大きいから雷の攻撃はきっと効くはずだよ!」

「分かった!」

そしてユウノスケはフィギュアの剣の雷ゴウ舞で攻撃すると、鬼の頭に雷が落ちました。


 「ああん?」

鬼は何かに気づいたようなふりをして、全く効いていません。

「もうどうすればいいだよ……」

ユウノスケは頭を抱え込んでいます。

「よしもうこうなったら」


 ピコルの過去……

とピコルがビームをうとうとした瞬間。

「もう僕がやるピヨよ!」

ピヨキチが鬼の方に歩いていきました。

「ピヨキチ何やってるんだ! 戻って来い!」

「ピヨキチ君! ダメだよ勝てっこないよ!」

ユウノスケとピコルは必死に止めようとしましたが、ピヨキチは鬼の方向に歩いています。そして近くに来て、ピヨキチに鬼が金棒を降り下ろすと……


 「そんなもんピヨか」

何とピヨキチは小さな羽のついた腕で、その鬼の金棒の攻撃をピタッと止めました。

「ピッピヨキチ! 強い!」

ユウノスケとピコルは感動しています。

「次は僕の番ピヨ!」

ピヨキチがテクテクと鬼の足元に歩いていき足先を殴ると……すさまじい勢いで鬼が山に向かって飛んでいきました。


 「うう……」

その鬼の頭にはピヨキチ……ではなくヒヨコが数匹飛んでいます。

それを見たユウノスケとピコルは、

「ピヨキチ! じゃなくてピヨキチ先輩今までご無礼なことばかり言ってすみませんでした!」

ユウノスケは急に話し方が変わりました。

「ピヨキチ君! そんなに強かったんだね!」

ピコルも驚いています。


 「そんな先輩だなんて、今まで通りでいいピヨよ。でもピコルのお父さんゴールデンメンは僕なんかよりはるかに強いピヨよ!」

そう、ピヨキチは黄金の素材から作られた機械、強くて当然かもしれません。だが、その黄金の素材を渡したゴールデンメンはもっと強いというのです。


 「そうなんだ! お父さんに勝てるのはまだまだ先かな……」

ピコルは少し肩を落としているようでした。そして、キュインと音が鳴りユウノスケの頭の上を見てみるとレベルが10に上がっていました。

「ピコルナイス! レベルが2も上がったぜ!」

ユウノスケは頭を上下に振りながら偉そうにしています。


 そんな会話をしていると、鬼が立ち上がり話してきました。

「あらごめんなさいね、私は本当は仲良くしたかっただけなのよ。ウフフフ」

その言葉を聞いた三人は目が飛び出るほど驚いています。


 「女性だったんだね。ピコルはどう思ってる?」

「はい……ギャップありすぎです。ピヨキチ君はどう思ってる?」

「ごめんピヨーー。やりすぎたピヨ」

三人はそれぞれ意見を言いました。すると鬼のような生物は、

「私もごめんなさいね、攻撃してきたからついカウンターしちゃった。てへっ」

性格が可愛いのかえぐいのか分からないが、ちゃんと謝ってきた女の鬼でした。


 「何でこの惑星の宇宙人たちに迷惑かけることするの?」

とユウノスケが聞いてみると、

「だって私のこと見た目だけで攻撃してきたから、少し金棒でなぎはらっただけなの……」

「そうなんですか、見た目だけで攻撃してくるとか最低ですねこの惑星の宇宙人は!」

ピコルは腕を組みながら話しました。

「何言ってるピヨ、僕たちだってそんな感じだったピヨよーー」

反省しているピヨキチ、三人の中では一番ましかもしれません。


 「しかも、こ、う、げ、きとか言って攻撃してきた宇宙人もいたの、ちょっと不気味だったわーー」

鬼が惑星の宇宙人に攻撃されたことを言ってみると、

「それってもしかして!」

ピコルがマップを出してよく見てみると、そのマップにはギャップありすぎ星と書いてありました。

「もっと早く気づいておけば良かった、ここ以前来たことがあるギャップありすぎ星じゃん! 多分それピピカルのお父さんのことだね」

ユウノスケはこ、う、げ、きと言う言葉を聞いてピンときています。


 「その方お知り合いなのね、でも大丈夫だよ! 軽くしかやり返してないので多分無事だと思います」

女の鬼はニッコリとした顔で話してきました。

「後からピピカルさんにちゃんと言っておきますね。今回かってに攻撃してすみませんでした」

ピコルは謝っています。

「すみませんでした」

「すみませんでしたピヨ」

ユウノスケとピコルも謝りました。


 「全然いいですよ、私も金棒で攻撃してごめんなさいね。またご縁があったら楽しく話しましょうね」

と仲直りをして手を振りながらお互いに分かれました。




そんな会話をしていると、『指令クリア』という言葉とともにユウリの待つ家に帰ってきました。


 「あらお帰りなさい。ピヨちゃん頑張ったねーー」

「母さん! ピヨキチめっちゃ活躍したんだよ! ねピコル」

「そうなんですよ! 大きな鬼が出てきて、ピンチの所を救ってくれました!」

「別に僕は何もしてないピヨよ、しかし怖かったピヨ」

可愛い見た目をして怖かったと言い、一回のパンチで大きな鬼を吹き飛ばすピヨキチは逆に怖いです。


 そしてその日は晩御飯を食べて、ゆっくり休み次の日の指令に備えました。


 その頃別の惑星では……

「口が開かないよーー。水が飲めないよ。助けてーー」

何やら水が飲めなくて困っている生物がいるようです。


次回に続く。

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宇宙人ピコル リバーユウキ @yuki12251990

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