第11話・地底を制しているつもり
前回の話しでは、暴走していた生物とされていたのはタヌキのような生物で、お腹を叩くと衝撃波が出るとのことでした。そのタヌキのような生物はいきなり攻撃してきたが、ピピカルのおすわりでなんなく負けを認め、反省している所をユウノスケが見てから気に入り仲間に入ることになりました。これからポンポンマルはユウノスケたちと共に活躍してくれることに期待です。
「皿洗いはよろしくねーー」
そう言って皿洗いを押し付けて来たのはユウリです。
「ええめんどくさいんだけど!」
ユウノスケは耳をほじりながら答えました。
「皿洗いしないんだったら次の晩御飯、作らないもんね」
ユウリはむすっとした顔つきでそう言いました。
「ユウノスケ君、僕が洗っとくからゆっくりしていていいよ!」
なんと優しいピコル、
「本当に? ありがとう!」
そこは手伝えよと言いたくなる所だが、ピコルの優しさが発揮されました。
「ユウノスケは本当めんどくさがりやピヨね」
ピヨキチはあきれかえっていました。
「俺は先に二階に上がって寝るから、ピコルも皿洗い終わったら寝ようね!」
「分かったよ!」
普通ならイラッとくる所だが、心優しいピコルはなんとも言わずに皿洗いをして二階に上がりユウノスケと一緒に寝ました。そして次の日の夜……
「わがなはゴールデンピコールさて次の指令じゃ、何やらある惑星の宇宙人が歩いていると落とし穴にはまって困っているらしい。その落とし穴の原因を突き止めてくるのじゃ!」
「分かりました!」
ユウノスケとピコルは揃って答えました。
「頑張ってね!」
「頑張ってピヨ!」
ユウリとピヨキチも応援してくれています。
そしてユウノスケとピコルは、タンスの裏の扉に入り次の指令『地底を制しているつもり』に挑みました。
惑星に入ると、普段なら目的地から離れた場所に到着するのですが、いきなり村のような場所に到着です。
「わあお、今回はいきなり宇宙人が住んでいる村じゃん!」
「そうみたいだね、一応マップ出してみるね」
ピコルが目からマップを出してみると、目的の場所は村から少し離れている場所のようです。
「あれ? この村に噂の生物がいると思ったのに予想と違っていたね」
「そうみたいだね、ユウノスケ君ちょっと村の宇宙人に話してみてよ!」
「えーー俺人見知りだからな、ピコルが話しかけてよ!」
「人か宇宙人か分からないけど、まあ僕が話しかけるね」
この時ユウノスケが人見知りではないことをピコルは知っていました。何食わぬ顔でいいよと言ったピコルは優しいですね。
「あの、すみません。この惑星のことについてお聞きしたいのですが」
ピコルが村を歩いている宇宙人に話しかけました。
「おおどうしたんじゃ、何を聞きたいのかのお?」
「実はこの惑星で、宇宙人が落とし穴にはまって困っていると聞いたのですが」
「そうなんじゃよ、この村から少し離れた場所に行くと、その落とし穴にはまって足が抜けないとのことなんじゃ。どうにかならんかのお……」
その村のおじいちゃん宇宙人は困っているようです。
「俺たちに任せてよ! さっそくその落とし穴にはまる場所に行って確認してくるね!」
「そうかそうか、頼もしいのう、よろしくたのんだぞーー」
そしてユウノスケとピコルは見つめ合い、真剣な表情でうなずき村から出て落とし穴にはまると言われている場所に向かいました。その途中……
「ああ歩くのだるいんだけど……」
「ユウノスケ君はいつもそんな感じだよね」
「よしこうなったらまた頼もう! 助けてイノイノシッシ!」
ユウノスケがベルトのボタンを押すと、シューシューシューと音が鳴ってイノイノシッシが出てきました。
「あらご主人様、また呼んでくれたんですね。今回のご用件はなんでしょうか?」
「またこの場所まで乗せてくれないかな?」
とユウノスケがピコルから出されたマップを指差し聞いてみると、
「わたくしの担当分野でございますわ、さあご主人様たち背中に乗ってくだしまし」
そしてユウノスケとピコルはイノイノシッシの背中に乗り、目的地へと向かいました。その途中……
「前にもおっしゃったとは思いますが、私は一人では止まれないので」
「分かってるよ、助けてポンポンマル!」
そしてユウノスケがベルトのポンポンマルのボタンを押すと、シューシューシューと音が鳴ってポンポンマルが出てきました。
「さっそく呼んでくれたんですね、ってえーー!」
イノイノシッシの走るスピードが早くてみるみるうちにポンポンマルから離れていきます。
「ポンポンマルーーごめんよーーまた呼ぶから今回はベルトに入っててーー」
そうユウノスケが叫ぶとポンポンマルは遠くからお辞儀をしてベルトの中に戻りました。
「よしこうなったら助けてテイディベアーキャット!」
ユウノスケがベルトのテイディベアーキャットのボタンを押すと出てきました。
「もうユウノスケ君は何で始めからそうしなかったのかな」
この時ピコルはユウノスケの顔を見ながらそう思っていました。
そしてテイディベアーキャットは、熊のような体つきなのに、こみかるにイノイノシッシの前に行き動きを止めました。
「あらまたあなたに止めてもらいましたね。感謝していますわよ」
「俺たち最強コンビだろ? ニャン」
「そうでしたね、うふふ、今回も楽しい旅をありがとうございました」
「また止めてやるからよ! いつでも言ってくれよ! ニャン」
そしてイノイノシッシとテイディベアーキャットはベルトの中に戻っていきました。
「サンキュー、イノイノシッシとテイディーベアーキャット!」
ユウノスケは心の中で感謝しています。
「あのお二方はいつも仲が良いですね」
ピコルはニッコリとした顔でそう言いました。そして目的地に来ると何やら地面が揺れ始めました。
「この揺れはやばいぞ! ピコル近くの木にでもつかまるんだ!」
「分かった!」
すさまじい揺れとともにユウノスケとピコルは木につかまり、ガタガタ震えていました。するとそこにひょこっと出てきたのは……ピコルと身長が変わらないくらいのモグラのような生物でした。
「やあ! こんにちは!」
……ユウノスケとピコルは目が点になり話しかけてみました。
「こっこんにちは、なんだったのさっきの揺れは演出? もしかして近くの村の宇宙人が落とし穴にはまるっていう原因はこのモグラのような生物なのかな? どう思うピコル?」
「そうかもしれないねよし聞いてみようか。あの、何で宇宙人のみなさんを落とし穴にはめようとしているのですか?」
そうピコルが聞いてみると、
「何ですかその落とし穴にはまるとは?」
そのモグラのような生物は何を言っているのか分からないような顔をしています。するとそこに近くの村の宇宙人が通りかかりました。
「ああ散歩は楽しいなーー。ってえーー何でこんな所に落とし穴があるの? ビックリした!」
その宇宙人はモグラのような生物が掘った穴に片足がはまってしまいました。
「なかなか抜けないな。おっとそこのお二人、体持って引っ張ってくれないか?」
「いいですよ! せーーの!」
スポンと音が鳴って近くの村の宇宙人の足が抜けました。
「ありがとうございます。おかげさまで足が抜けました。しかし何でこんな所に落とし穴なんかがあるのかな?」
「すみません。僕がその穴掘りました!」
ユウノスケ、ピコル、近くの村の宇宙人の目線が一直線にモグラのような生物の方に向きました。
「まあ、この穴はこのモグラのような生物は悪気があってしたことじゃないよねピコル」
「そっそうだよね、許してあげませんか?」
「ううん、許す!」
足がはまっていた宇宙人はモグラのような生物のことを許しました。
「どうだい? 仲間に入らないかい?」
ユウノスケはさっそく仲間に入るかどうか聞いてみました。
「ユウノスケ君はいつも勧誘が早いんだよもう……まあ悪そうな方ではないので僕はいいよ!」
ピコルも納得しました。
「イッツホールインワン!」
その足がはまっていた近くの村の宇宙人はゴルフが好きなようです。
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」
そのモグラのような生物もユウノスケたちの仲間に入ることにして、自分が掘っていた穴を埋めて両手を広げました。
「アラブラカタブラーーじゃなくて、押すよ!」
そしてユウノスケはベルトの仲間にしますかボタンを押しました。するとシューシューシューと音が鳴りそのモグラのような生物を吸い取り始めました。それと同時に、
「僕の名前はモグリンだよ、これからよろしくね」
と言い入っていきました。その後、
「グッドラック!」
と叫びながら宇宙人は近くの村に帰っていきました。
それに対してユウノスケとピコルは、
「お前がな!」
とツッコミました。
「キャラ濃いなあの宇宙人」
「一瞬だけどあの宇宙人さんに元気貰った気がするような?」
とその時、キュインと音が鳴ってユウノスケの頭の上を見てみると、レベルが8になっていました。
「やった、レベル上がった!」
ユウノスケは喜んでいます。
「レベル上がるのこのタイミングなんだね。あはははーー」
ピコルは少しあきれていました。
そんなこんな言っていると、『指令クリア』という声とともにユウリの待つ家に帰ってきました。
「あらお帰りなさい、今回の指令もお疲れ様」
「お帰りピヨ! 晩御飯できてるピヨよ!」
いつものように帰りを待っていてくれた二人、そしてユウノスケ、ピコル、ユウリ、ピヨキチの四人で晩御飯を食べて、指令のことについて熱く語ったのだった。
次の日の夜になると……
「僕も指令に行ってみたくなったピヨ!」
「あらピヨちゃん頑張ってきなさいよ」
ユウノスケとピコル、
「大丈夫かな……」
なんとピヨキチが指令に行くようです。
次回に続く。
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