第9話・黄金に光る生物の正体

 前回の話では鍛冶屋のカジジイに会いに行き、ユウノスケの持っている武器『風キリ舞』を強化してもらいました。だが見た目は変わりのない、刃を叩いただけのフィギュアの剣になりました。まだ使ってはいないが本当に強くなったのでしょうか。


 「カジジイさんと離れて寂しいピヨ……」

ピヨキチはかなり長い時間カジジイさんと暮らしていたので、何か寂しいようです。

「大丈夫だよ、これからは僕たちの家族だから楽しく暮らそ!」

「そうだよ、僕たちピヨキチと一緒に指令に出れるのは楽しみだよ」

「そうね、ピヨキチも私たちと一緒に美味しいご飯食べるわよ」

ユウノスケ、ピコル、ユウリはピヨキチが家族になったことがとても嬉しいようです。


 「ありがとピヨ! これからよろしくピヨ!」

ピヨキチはお辞儀をして、一緒に晩御飯を食べ始めました。

「美味しいピヨ! こんなに美味しいご飯は初めてピヨ!」

「あらありがとうねーー」

ユウリはピヨキチからの言葉に満面の笑みを浮かべています。とそこに……


 「わがなはゴールデンピコール、君たちがとても喜ぶ指令が入ったぞ! 実はな……黄金に輝く生物が出現したとのことじゃ!」

「プーー!」

ユウノスケとピコルは驚きのあまり、飲んでいたお茶を吹き出してしまいました。

「何やってるの二人とも……」

ユウリは困ったような顔つきでこぼれたお茶をふきとり、ピヨキチはこんなことを言いました。

「そんなにビックリすることピヨか?」

ピヨキチは黄金に光る生物がどれくらいの確率で出現するのか分からないようです。


 「そっか、ピヨキチは黄金に光る生物の素材から作られたからね……分からないのは仕方ないか」

ユウノスケはその返事をしました。

「その黄金に光る生物が出現したとされているのは『蒼星の惑星』じゃ、この惑星に行って黄金に光る生物を確かめてくるのじゃ!」

なんと黄金に光る生物がいるのは蒼星の惑星という場所、確かめて来いというゴールデンピコールに対しユウノスケは、

「そうなんだ、確かめるだけじゃなくて黄金に光る素材を入手してくるよ!」

「ユウノスケ君! 僕もサポートするよ!」

二人はとても気合いが入っているようです。だが、ゴールデンピコールはこんなことを言いました。


 「そうかそうか、じゃがのおそんなに甘くはないぞお、ワシとカジジイでも何回も負けて修行を積んでやっと勝てたというぐらいじゃ、じゃから無理はしないようにのお」

「分かった!」

「分かりました!」

そしてユウノスケとピコルは、タンスの裏の扉の前まできました。

「頑張ってピヨ! 今回僕はお留守番するピヨ!」

なぜかピヨキチは今回は指令には行かないようです。

「あらピヨちゃんは一緒にお留守番するのね、なら晩御飯の準備一緒に手伝ってもらおうかしら」

「分かったピヨ!」


 「ピヨキチは行かないのか。なら母さんのことよろしくね」

「ユウリさんのこと頼むよピヨキチ!」

「分かったピヨ! 美味しい晩御飯作るピヨから頑張ってきてピヨーー」

そしてユウノスケとピコルはタンスの扉の前に行き、次の指令『黄金に光る生物の正体』に挑んだのだった。


 蒼星の惑星に到着して周囲を見渡すと、壮大な海が広がっていました。

「すごいねここ! こんなにも海が広がっているなんて」

「うん! 何か僕、透き通る気分になってきた!」

ユウノスケとピコルは深呼吸をして、とてもすがすがしい気持ちのようです。

「ピコルとりあえずマップ出そうか」

「うん!」

ピコルは目からマップの映像を出してみると……そこには『黄金に光る生物』と書いてありました。


 「このマップはこんなご丁寧に表示してくれるんだね」

「さすがはゴールデンピコール様のマップだね」

「よし、行こうかこの黄金に光る生物の元に!」

真剣な表情で歩き出したユウノスケとピコル、黄金に光る生物の元に近づくにつれて二人はとても楽しみのようです。


 「俺めっちゃ楽しみなんだけど! ピコルはどう思う?」

この時ユウノスケはスキップをしていました。

「僕もだよ! でもどんな見た目してるんだろうね」

「きっと、かっこよくて強そうな気がする! ピコルは?」

「僕もそんな気がするよ、早く到着しないかな」

そんな会話をしているうちに、早くも黄金に光る生物がいるとされている街に到着しました。


 「見てピコル! 街の上の方が光ってる!」

「本当だね! きれいーー!」

黄金に光る生物に近づくにつれて、そのまぶしさが増していき足音が聞こえてきました。ドンドンドンドン、そこに現れたのは……


 「このリンゴうまいな。なんだお前たちは、もしや黄金の素材が欲しいのか?」

そこには少し大きめの黄金に光る宇宙人の姿がありました。それに対しユウノスケとピコルは、

「黄金に光る生物って宇宙人だったの?」

両手をほほにあて、かなり驚いているようです。

「わがなは黄金に光る生物とされている宇宙人『ゴールデンメン』よろしくな」

「よっよろしくお願いします!」

「よっよろしくです!」

ユウノスケとピコルはとまどいながらもあいさつをしました。


 「俺は惑星を旅していてな、数々の冒険している者たちが黄金に光る素材が欲しくて挑戦してくるのだ。君たちも俺に挑戦しに来たのか?」

「そうです!」

「なら話が早いな、かかってこい!」

そう言われてバトル開始です。


 「よし! カジジイに強化してもらった『風キリ舞改』だったけな。これを使おう!」

「そうだね! ユウノスケ君頑張って!」

そう言ってからユウノスケは『風キリ舞改』をゴールデンメンに向かってふると……以前よりも大きな風で攻撃しています。

「すごい! 見た目は変わっていないのに、とても大きな風で攻撃してる!」

「かっこいい!」

ユウノスケとピコルは、その強化されている風キリ舞を見て目が輝いています。だが……カン!と弾き、


 「そんなの痛くもかゆくもないぞ、次は俺の番だ」

とゴールデンメンは言い、人差し指からビームをうってきました。すると、そのビームはユウノスケとピコルに当たってもないにも関わらず、周囲に大きな穴が開きました。

「うわーー!」

ユウノスケとピコルは少し吹き飛ばされて、ユウノスケがベルトの体力ゲージを見てみると……

「やばい! 体力が九割削られている!」

「ユウノスケ君、まだ挑戦するの早かったかもね……」

人差し指から出されたビームで、ユウノスケとピコルは大きなダメージをくらってしまいました。


 「まだまだ、行くぞ!」

ゴールデンメンがまた人差し指で次はユウノスケの方を指しました。この時のピコルの心境は、


ピコルの過去……

「ゴールデンピコール様、どうやったら強くなれると思いますか?」

「それはな、大切な仲間を助けたり守ったりするともう一つ強くなれるはずじゃ、仲間がピンチの時ピコル君は逃げると思うかね?」

「……その時が来ないと分かりません」

「はっはっはっはそうじゃな、まだ経験したことないもんな」

「はい……」


現在に戻り、ユウノスケの前にピコルが立ちました。

「ピコル何やってんだ!」

「ユウノスケ君、僕はね普段気が弱いんだ。だけどね、誰かを助ける時は気合いが入るんだよ」

ピコルは真剣な表情になりました。するとユウノスケは、

「なんかこの場面どこかで見たことあるような……まあピコルとりあえず『家帰りのボタン』でも押そうか」

するとピコルは、

「もう、かっこつけたの台無しじゃん! まあとりあえず見てて!」

するとゴールデンメンが、

「もういいかーー、うつぞーー」

ゴールデンメンは大人のようで、しばらくの間待っていてくれたようです。

「望むところです!」

「ピコル逃げろ!」


 そして、ゴールデンメンの人差し指からビームが出たと同時に、ピコルの目から以前よりも強力なビームが出ました。その後相打ちに、

「君なかなかやるな、名は何と言う?」

「僕はピコルと言います」

するとユウノスケは、

「ピコルって叫んでたじゃん……もしかして、てんねんなのかなゴールデンメンは」

それに対しゴールデンメンは、


 「ピコル、成長したな」

なぜかゴールデンメンはピコルのことを知っていました。

「なんでゴールデンメンさんは僕のこと知ってるんですか?」

とピコルが聞くと、

「実はな……俺はピコルの父親だ!」

それに対しユウノスケとピコルは、

「えーー!」

今にも目が転げ落ちそうなくらい驚きました。


 「すまなかった。実はある指令を受けていてな。それがこの俺に勝った者たちに黄金の素材を渡すとのことなのだ」

「それはゴールデンピコール様から指令を受けてるの?」

とピコルが聞くと、

「ゴールデンピコール様の父親からだ。ピコルが幼い頃にゴールデンピコール様が取締役になった頃から俺はこの指令を受けている」

なんと、ゴールデンメンは指令を受けて、勝った者に黄金の素材を渡すということでした。


 「じゃあ、ゴールデンピコール様もお父さんと戦ったの?」

とピコルが聞くと、

「ゴールデンピコール様は俺の父、ピコルのおじいちゃんと戦ったはずだ」

「そうなんだ、ならお父さんはおじいちゃんからその指令を受け継いだってことなんだね! かっこいいじゃんお父さん!」

「そうだろーー! ピコルもそう思ってくれるか。だがな、まだお前には俺はまだ倒せれない。厳しいことを言うかもしれないが、出直してこい」

腕を組み見下ろしてくるゴールデンメンは、強くなれと言わんばかりにピコルに厳しい言葉を言いました。


 「分かったよお父さん! 僕いつかお父さんに勝って黄金の素材を貰うもんね!」

「おお! 期待してるぞピコルよ! またいずれ会おう!」

と言いリンゴをむしりながらゴールデンメンは歩いて行きました。

「あの……俺の存在忘れてない?」

ユウノスケは指で頭の後ろをかきながらそう言いました。

「あっごめんねーー。こんな所でお父さんに会うとは思ってなくて……しかし黄金に光る生物とされているのがお父さんだったなんてビックリした!」

それに対してユウノスケは、

「そうだね、でもかっこいいじゃんピコルの父さん! 俺たちも強くなってゴールデンメンに勝とうぜピコル!」

「うん!」

そう言ってユウノスケとピコルは家帰りのボタンを押しました。


 「あらお帰りなさい」

「お帰りピヨ!」

ユウリとピヨキチは美味しいご飯を作って待っていてくれてたみたいです。

「ただいまーー」

「ただいまですーー」

ユウノスケとピコルも返事をしました。


 「晩御飯めっちゃ美味しそうじゃん!」

「本当だ! ありがとうございます!」

ユウノスケとピコルは晩御飯を見てそう言いました。

「ピヨちゃんと一生懸命作ったご飯なんだから絶対美味しいに決まってるんだから!」

「ユウリさんと頑張って作ったピヨ!」

「ありがとう!」

そしてその日は、四人仲良く晩御飯を食べゴールデンメンについて語ったのだった。


 次の話では……

「そうかそうか、ピコルの父ちゃんに会ったのか」

ゴールデンピコールが何か言いたいようです。


次回に続く。

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