第5話・闇を明るくしようとする物

 前回の冒険のことを熱く語ったユウノスケとピコル、ユウリは楽しそうに話ている二人を見てとても嬉しそうです。


 「また仲間が増えたんだ! しかも二人も!」

「ネギリンさんは仲間にならなかったね。でも夢はお店を出すことみたいだから応援しなくっちゃ」

ユウノスケとピコルは、とてもルンルンでユウリに話ました。

「ゴールデンピカールもあなたたちの成長を見て、きっと喜んでくれてるわよ。また頑張らないとね」

ユウリも手を口元に当てて喜んでいるようです。


 「もう母さん、ゴールデンピカールじゃなくてゴールデンピコルだってば、何回間違えてるのもう」

「ユウノスケ君ゴールデンピコル様じゃなくて、ゴールデンピコール様だよ、僕の名前に横棒一つ付けないと!」

「もう長いんだよ名前……そんなことより次の指令行こピコル」

「分かった!」


 そして、ピコルは目から映像を映し出しました。

「わがなはゴールデンピコール、黄金惑星の取締役だ」

「もう自己紹介は百回くらい聞いたよ、それより次の指令はどんな内容なの?」

とユウノスケが聞くと、

「それよりとはなんじゃユウノスケ君、まあよかろう次の指令は少し難易度が高いぞ、名付けて『闇を明るくしようとする物』じゃ」

難易度が高いというゴールデンピコール、それに対してピコルは、

「いざという時は、きっとピピカルさんが助けてくれるので大丈夫です」

「またーー、ピコルはピピカルちゃんに会いたいだけでしょ」

ユウノスケは、また細い目をしてピコルを見ています。

「さあ、次の指令も頑張ろうねユウノスケ君」

「ほんと話聞いてないふりうまいんだから」


 そう言った二人はタンスの裏の扉の前に行き、指令を初めようとしています。

「頑張ってくるのよ、ユウノスケとピコルちゃん」

ユウリも笑顔でお見送りをしてくれています。

「分かったよ! 母さん晩御飯楽しみにしてるよ」

「ユウリさんがお見送りしてくれるなら元気一億倍です。頑張ります!」

そして二人はタンスの裏の扉に入り次の指令『闇を明るくしようとする物』に挑戦したのだった。


 扉が消えて惑星を見渡してみると木が生い茂っており、薄暗く霧がかかっているので遠くが見えません。

「ピコル……この惑星、薄気味悪いね」

「そうだね、遠くが見えないから余計に怖いよ……それよりも、ユウノスケ君は指令を明日に伸ばさなかったね」

「なんか嫌な予感がしたんだ。当たらないといいけど」

その惑星は、霧がかかり遠くが見えない、薄気味悪さに二人は少し震えているようでした。


 「とりあえずマップ出そうかピコル」

「そうだね!」

ピコルはその惑星のマップを目から映し出すとなんと、ボスマークがついていました。

「ボスマークついてるじゃん! ちょっと気合い入れないとね」

「僕たちは指令を始めた時よりも少なくとも成長してるはず。頑張ろうユウノスケ君!」

そして気合いを入れた二人は、真剣な表情で歩き出したのだった。


 数キロ歩いていると森を抜けたのか、草原が見えてきました。

「あれ? ここって『ギャップありすぎ星』ではなかったよね」

「違うよ別の惑星、マップの中に一つ大きな街がありそうだね。行ってみようかユウノスケ君」

「了解!」

ここからは以前の薄気味悪い森の中ではなく、空気透き通るような草原に到着し大きな街に向う所だった。だが、


 ドンドンドンドン、また足音が聞こえてきました。

「この足音は、今までよりも大きい! ピコル気をつけて!」

「本当だ! ユウノスケ君見てあれ!」

二人が遠くを見てみると、そこには数十メートルもあろうかと言うくらいの恐竜のような生物が現れたのです。それを見て、


 「うぎゃーー!」

驚きを隠せれまんでした。それを見た二人がおこした行動とは、

「あんなのと戦ったら負けるに決まってるよね。どうするピコル?」

「でも、あのサイズからだったら逃げれないよね」

「よし戦おうか! ピコル!」

「怖いけど……それしかないようだよね」

なんと二人は逃げるのではなく、戦うことに決めたようです。徐々に近づいてくる恐竜のような生物。迫りくる大きな影に二人は震えていました。


 「よし、まずは風キリ舞で攻撃してみる」

「分かったユウノスケ君頑張って!」

攻撃したのはいいが全く効いていない。次は、

「風キリ舞が効いていないのなら、次は氷ケツ舞だ!」

「頑張ってユウノスケ君!」

だが、効いている気配はまったくない。


 「これならどうだ、雷ゴウ舞だ!」

「それならきっと大丈夫!」

しかし、何か気づいたようだが効いていない。かなりの強敵のようです。だが、二人は気づいたことがありました。


 「あれ? もしかして俺たちの存在に気づいていないのかな」

「うん……そうみたいだね」

「そんなのやだ!」

「なら気づいてもらうために、あのお方を出すしかないね」

ピコルに言われてユウノスケが思い浮かべたのは、あのお方でした。


 「うん……まあ大きな存在と言えばあいつしかいないよね、分かった、助けてドラブラゴ!」

そう言うとシューシューシュー、ベルトの中からドラブラゴが出てきました。


 「おう久しぶり、俺が来たからにはもう大丈夫だ。俺の仲間を痛めつけてるのはどこのどいつや」

そう言ったドラブラゴの先には、数十メートルもあろうかと言う大きさの恐竜のような生物の姿が、さて気づいてくれるのでしょうか。


 「お前か俺たちの仲間を痛めつけてるのは! ってウルトランじゃねーか!」

「あらドラブラゴ、久しぶり」

やっと気づいてもらえたようです。さらにドラブラゴと知り合いのようです。それを見たユウノスケとピコルはと言うと……


 「えーー! 知り合いなの?」

とても驚いているようで、何かこそこそ話を始めました。

「ドラブラゴと知り合いなんだってさピコル」

「そうみたいだね、どれくらいの付き合いなんだろうね」

「テイディベアーキャットの時はワンパンでやられたのに、やっと役に立ったんだね」

「僕感動した!」

二人は感動しているようでした。


 「ウルトラン会いたかったぜ、何万年ぶりかのう?」

「本当久しぶりね何万年と言わず、何十万年ぶりだと思うけど」

「あの頃は懐かしいな。海に行ってデートしたかのう」

「そうね、あら懐かしい思い出ね」

なんと、ドラブラゴとウルトランは付き合っていたようです。それに対しユウノスケとピコルは、


 「ウルトランは女だったみたいだね。しかもドラブラゴと付き合っていたんだってさ」

「そうみたいだね、でもドラブラゴのおかげで一件落着だね」

二人は何か安心したようです。


 「おいユウノスケ、久しぶりにウルトランと海に行ってくるからよ、ちょっと自由にさせてくれないか」

と言ったドラブラゴに対しユウノスケは、

「全然いいよ、ご自由にどうぞ」

即答でいいよと言いました。しかし、ウルトランはユウノスケとピコルのことを気づいているのでしょうか。


 「これが俺のご主人様でユウノスケと言うんだ、そして横にいるのが元ご主人様のでしの宇宙人でピコルと言うんだ、仲間よくしてやってくれウルトラン」

ドラブラゴはユウノスケとピコルのことを紹介したようです。すると……

「あら、そんなとこに誰かいたのね、初めましてウルトランと言います。よろしくお願いします」

ウルトランも自己紹介をしてきたようです。

「気づいてなかったんだってよピコル」

「何か悲しいね……」

二人は何か悲しそうだったが、ドラブラゴとウルトランが久しぶりに会えたということで、海に行くお見送りをしました。


 「ドラブラゴとウルトランーー楽しんでこいよーー」

「帰り待ってるねーー、またねーー」

ドラブラゴとウルトランが海に行く姿を見て、お互いに手を振り合いながら別れたのだった。すると……


 キュイン! ユウノスケのレベルが6になったようです。

「ねえピコル、レベルって2も上がることあるんだね」

「そうみたいだね、これも僕たちが頑張ったからだよユウノスケ君!」

「頑張ったのかな、まあいいや、サンキューなドラブラゴ」

と言いまた歩き出した二人でした。


 マップを見てみるともう少しで街に到着すると言う時、そこにずっしり構えていたのは象のような生物でした。

「誰だね君たちはここから先は、俺を倒さないと進めないぞ。パオーーン」

その象のような生物は、その街の門番のようです。


 「これはよけては通れなさそうだな。よしピコル戦うか」

「分かった!」

二人は気合いを入れました。だが、ずっしりと構えている姿は強そうで太刀打ちできるのでしょうか。

「ユウノスケ君、サイサイサイさんに助けてもらおう! このサイズだったらフィフティーフィフティーだよ!」

「そこサイズ関係あるーー? まあいっか助けてサイサイサイ」

そうユウノスケが言ってボタンを押すと、ベルトの中からサイサイサイが現れました。


 「あら、これはお買い物を手伝ってくれてありがとうございましたサイ。あの化粧品とても良かったんですサイ」

「やあサイサイサイ、それよりもちょっと頼み事があってさ、この象のような生物なんとかしてくれない?」

とユウノスケが言うと、

「分かったサイよ、私たちの仲間に何してくれているのサイ」

と言ったサイサイサイに対し、

「望む所だ、かかってこい。パオーーン」

バトル開始です。


 「パオーン!」

突進してくる象のような生物、

「サイーー」

それに対抗するサイサイサイ、白熱した戦いが始まりました。するとここで象のような生物の鼻から水が飛んできました!


 「何するのサイ、お化粧崩れちゃったじゃないの!」

「すまないすまない、これが俺の必殺技だからな」

なんと、突進よりも鼻から水を出した方が強いと言うのです。


 「どうだ俺の必殺技は、もう負けを認めたらどうなんだ。パオーーン」

それに対し、サイサイサイは泣いてしまいました。すると……

「えっと……ごめんなさい」

象のような生物は謝ってきたようです。


 「ユウノスケ君、ピピカルさんを出すんだ!」

「分かった!」

ピコルは何かをさっちしたように言いました、そして、ユウノスケがベルトの『宇宙人に助けてもらいますか』ボタンを押しました、するとシューシューシューピピカルが出てきました。


 「あーー、女の子泣かしたらいけないのにーー」

ピピカルはかなり怒っているようです。

「ごめんなさい、俺の必殺技見てもらいたくて」

それに対しピピカルは……

「おすわり」

象のような生物はそこにうずくまり一言、

「参りました。悪そうな方たちではなさそうなので、どうぞお通りください」

と言い道を開けてくれました。

「分かればいいだよ、またねーー」


 ピピカルのおかげで象のような生物にも勝てたようで、何やら会話をし始めたようです。

「ピピカルさん久しぶりです。やっぱりピピカルさんは強いね!」

「ありがとうピコル、でも当たり前のこと言っただけだよ」

笑顔で話すピピカルにピコルは顔がにやけていました。

そして、街に到着すると中の住人が出てきました。


 「やあやあこれはこれは旅人のお方がこんな所に来るなんて、何年ぶりかのう」

「こんにちは、僕はユウノスケ」

「僕はピコルと言います」

自己紹介をして指令の内容を伝えると、

「そうかそうか、わしはこの街の長老で『暗じい』と言うぞ、わしの家でゆっくりしていきなさい」

暗じいの家に呼ばれゆっくりと話すことになりました。


 「あの、指令のことなんですけど『闇を明るくしようとする物』ってどんな感じの物なんでしょうか」

とユウノスケが聞くと、

「君たちは、近くの森を通って来たと言っておったな。実はなその森の霧がかかっている原因はある恐竜のような生物とわしはにらんでおる」

とここでユウノスケとピコルはウルトランを一瞬思い浮かべましたが、そんなわけないと思い話の続きを聞きました。


 「その生物は森の奥深くに生息しており、この街の住人の一人が見たことがあって、その姿は実に凶暴でその時は逃げたと言う、だからあまり近づかないことだな」

見た目だけでも凶暴と言う街の住人、これには二人も息を飲み真剣に聞いていました。

「そうなんだ、でも指令だから頑張ります! 行ってきます!」

と言い、不安ながらも森に戻ることに決めました。


 「気をつけて行ってくるのじゃぞ!」

「ありがとうございました。それでは行ってきます!」

気合いを入れた二人は街を後にした。


 「またあの森まで戻らないといけないのか。ボスマークついてたからこの街に逃げ込んだけどさあ、戻るのなんかだるいな」

「頑張ろユウノスケ君!」

「よし、こんな時は、助けてイノイノシッシ」

とユウノスケが言ってベルトの『助けてもらいますか』ボタンを押すと、シューシューシューイノイノシッシが出てきました。


 「お二人ともお久しぶりです。何のご用件でしょうか」

「おおイノイノシッシ、ちょっと背中に乗せてマップの森まで送ってもらえないかな?」

「たやすいご用件です。さあ乗ってくださいまし」

ユウノスケとピコルは、イノイノシッシの背中に乗って森へ出発しました。


 「うぎゃーー」

「どうしたの? ユウノスケ君」

「俺、絶叫マシン苦手なんだよーー」

「あははは、意外だね」

「ちゃんとつかまっていてくださいよご主人様たち」

「うぎゃーー」

イノイノシッシはかなりの速度で森に向かいました。そして近くに来ると……


 「ごめんなさい、お気づきのようですが自分では止まることができなくて」

「うぎゃーー、そうだった。助けてテイディベアーキャット!」

とユウノスケが言うと、シューシューシューベルトからテイディベアーキャットが出てきました。

「おうまた呼んでくれたな、次の用件は何だ」

「まっまたイノイノシッシを止めてーー、うぎゃーー」

「かしこまりやしたニャン」

テイディベアーキャットは、以前もイノイノシッシを止めたことがあるのであっさりと止めることができました。


 「ふう、ありがとうテイディベアーキャット」

「たやすい御用ですニャン、てかよおイノイノシッシ」

「何ですの?」

「俺たちボケとツッコミでお笑いできるんじゃねえかニャン」

「ふふふ、私はボケとツッコミどちらか分からないですけどね」

なんとコントができるのではないかと言うのです。

「ありがとう、イノイノシッシとテイディベアーキャット、ナイスコンビネーション」

「最高でしたよ、おかげで森に到着しました」


 「全然大丈夫ですよ。またいつでも呼んでくださいね」

「たやすい御用です。ニャン」

と言い、イノイノシッシとテイディベアーキャットはベルトの中に入って行きました。


 二人が森の中に入って行くと……また霧がかかっていて遠くが見えません。これには二人も、

「不気味だね」

「うん、僕怖いよ……」

とても怖くて震えているようでした。そしてマップを見てみると……

「もう少しでボスのとこつくみたいだね」

「よし、怖がってばかりじゃいけないな。気合い入れないと!」

とボスマークがついている所に近づいてみると、そこにいたのは……ティラノサウルスのような生物でした!


 「うぎゃーー! こんなの勝てるわけない!」

二人はかなり驚いているようで叫びました。

「ピコル、これは無理だって、逃げよう」

「そうだね、逃げるのも悪くないってユウリさん言ってたもんね」

そう二人が逃げる準備をしていると……ティラノサウルスのような生物の鼻提灯が割れて気づかれました。


 うおーー!怒り狂ってているティラノサウルスのような生物、これには、

「ひょえーー!」

予想ができるくらい驚き、逃げることを辞め戦うことに決めました。


 「うーー、どうしようかピコル、覇気だけで負けちゃうよ」

「ならこれを使うんだ!」

「いつものやつね……」

あんまり期待していないユウノスケ、だが、

「それはね『光ヨウ舞』太陽の光で攻撃ができるんだ!」

「なにーー! これこそ最強だ」

太陽の光で攻撃ができるという『光ヨウ舞』ティラノサウルスのような生物に降ってみると……


 「ぎゃおーー」

太陽の光で攻撃し敵が倒れました。

「あれ? 倒しちゃった。強いな『光ヨウ舞』」

「でしょ、たまには役に立つんだーー」

なんと光ヨウ舞一振りでティラノサウルスのような生物を倒し霧が消えました。クリアかと思ったが……


 「ユウノスケ君、ボスマークが消えていない!」

「何ーー! なら他にもボスがいるってことか」

そう言っていると、森の奥が光り出し奥から出てたのは……なんと黄金に輝くティラノサウルスのような生物でした。


 「こっちが本物か! ピカピカ光るのはゴールデンピコールだけで十分なのに」

「ユウノスケ君ゴールデンピコール様でしょ、てか絶対強いでしょこのピカピカ光るティラノサウルスのような生物」

いきなりするどいかぎ爪で攻撃してきてよけるのが精一杯です。

ユウノスケは光ヨウ舞で攻撃しているが、全然効いている気配はなく作戦をねりました。


 「光ヨウ舞が全く効いていないな、どうしようピコル」

「なら……ピピカルさんに助けてもらうしかないね!」

「そうだね!」

ユウノスケも納得しシューシューシューシューベルトの中からピピカルが出てきました。

「あらまた呼んでくれたのね」

「ピピカルさん、その黄金に輝くティラノサウルスのような生物に『おすわり』使ってくれないかな?」

そうピコルが頼むと、

「全然いいよ、おすわり!」

だが、全く効いていない。かなりの強敵のようだ。


 「なにーー! ピピカルちゃんのおすわりが効かないなんて、どんだけ強いの!」

ユウノスケもこれには落ち込んでいる様子で、次の作戦をねりました。

「ねえピコル、何でこいつは雄叫びあげないのかな」

「えっ本当だね、何でだろう……」

そこでユウノスケが気づいたことは、

「こいつは機械だ!」

黄金に輝くティラノサウルスのような生物が機械であることに気づき、作戦をねりなおしました。


 「こいつは、機械だから誰かが操作してない限り、一定の攻撃しかしてこないと思うんだ、だからそれに合わせて攻撃しようピコル!」

「ユウノスケ君、今日は頭冴えてるね」

「今日はとはなんだよ、てか攻撃くるよよけてピコル!」

「おっと危ないなもう」

危うくユウノスケの一言で助かったピコル、ピコルはユウノスケに言葉を投げかけました。


 「ユウノスケ君、相手が機械ならきっと充電が切れたら終わりだと思うから、時間稼ぎしよ」

「ピコルも頭いいじゃん! ならあの子を呼んで時間稼ぎしようか」

ユウノスケが考えたのは、ニャタロウに走り回ってもらい相手の充電を切れさせるということでした。


 「助けてニャンタロウ!」

シューシューシューベルトの中からニャンタロウが出てきました。走り回るニャンタロウ、だが一向に止まる気配のない敵、ニャンタロウはばてたのか遊び疲れたのか、ベルトの中に入っていきました。


 「おいニャンタロウ、もうどうしようもないな……」

とユウノスケが負けを認めて家帰りのボタンを使おうとした瞬間、何やら聞こえてきました。

「ウルトラン覚えてるかこの森」

「覚えてるわよ、懐かしいわねーー」

そこには、ドラブラゴとウルトランがやってきました。そして横切ると同時にウルトランに激突した黄金に輝くティラノサウルスのような生物、故障したようです。


 「やった! ありがとうウルトラン、感謝するよ」

ユウノスケは偶然にもウルトランに救われ感謝しているようです。そして、

「われわれはこの森を明るくしようとしただけだ」

と言い、完全に故障したようです。


 「はい? 何か聞こえなかった? ピコル」

「確かに聞こえた、何だったんだろうね」

そんな会話をしていると、ある宇宙人が近寄ってきました。


 「君たち見かけない顔してるね。あれ? 『オウゴンティラノ』が壊れてる!」

「えっこの黄金に輝くティラノサウルスのような機械知ってるの?」

なんと、ユウノスケとピコルが行った街の、森を抜けたもう一つの街の宇宙人だと言うのです。

「知ってるよ、このオウゴンティラノは黄金惑星から、ここを明るくしてもらうために貰ったんだーー」

「えーー!」

ユウノスケとピコルはそれに驚き、ゴールデンピコールの映像を映し出しました。


 「わがなはゴールデンピコール、黄金惑星の取締役だ」

「ねえゴールデンピコール、このオウゴンティラノのこと知ってる?」

「なんじゃそれは、見覚えないのお」

なんと、黄金惑星の取締役のゴールデンピコールでさえ知らないと言うのです。

「黄金惑星は広いからのお、誰かがこの惑星にそのオウゴンティラノやらを送ったのであろう。わしの方でも探っておくから二人ともお疲れさん」


 「本当ゴールデンピコールは適当なんだから……」

「だからユウノスケ君、ゴールデンピコール様だって、てか君は何でオウゴンティラノのこと知ってるの?」

とピコルが聞くと、

「あのね、僕たちこの森で遊びたくて……でも霧がかかっていてどうしようか悩んでたんだ。そうしたらある男の人と、このオウゴンティラノがやって来て、このオウゴンティラノを置いていってくれたんだ」

なんと、宇宙人ではなく男の人が置いていったと言います。


 ピンときたピコルは、

「その男の人ってどんな格好してたのかな?」

と聞くと、

「なんか冠をかぶった男の人だったのだけ覚えてる!」

「その人はもしかすると」

ピコルが思い浮かべたのは、コスモボールの王様でした。


 「教えくれてありがとうね」

「うん、でも霧がなくなったな。何でなんだろう?」

霧がなくなったことを不思議に思っている隣町の宇宙人に対し、

「俺が英雄のユウノスケだ。覚えておいてくれ」

とかっこつけて言い後ろを振り向いた瞬間。

「ユウノスケ君、背中に毛虫ついてるよ」

「ひょえーー!」

かっこつけたのが台無しでした。そして、霧もはれ隣町の宇宙人ともお別れしてハッピーエンドです。だが、気になるのはなぜオウゴンティラノが送られてきたのか。本当にコスモボールの王様なのかが気になる所です。


 そして遠くを見てみると、

「またこの森に来れて良かったぜウルトラン」

「私もよ、しかしドラブラゴが元気で良かった」

ドラブラゴとウルトランは夢中で楽しんでいるようです。

『指令クリア』

どこからかこの言葉が聞こえてきて、ユウノスケとピコルはユウリの待つ家に帰ってきたのだった。


 「あらお帰りなさい。今回の指令はどうだったの?」

ユウリはまた笑顔で帰りを待っていてくれたようです。その後、ユウノスケとピコルは晩御飯を食べながら冒険のことを熱く語ったのだった。


その頃別の惑星では……

「黄金に輝く物は最高だーーあっはっはっーー」

何やら黄金に輝く物が大好きな人がいるようです。


次回に続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る