第4話・値切りの宇宙人
前回の冒険のことを熱く語ったユウノスケとピコル、ユウリは楽しそうに話ている二人を見てとても嬉しそうです。
「また一人の宇宙人が仲間に入ったんだよ。ねピコル」
「そうなんですよ、僕にじゃんけんで負けたくせに、勝負は楽しいと言って冒険がしたいと言ってました。しかも、弟とも仲良くなったんですよ!」
「あらそうなの、たくさんお友達ができて良かったわね。てかユウノスケ、勉強は?」
「えっと……」
「えっとじゃなーーい、冒険もいいけど少しは勉強もしなさいよ」
「はーーい」
ユウリは最近冒険のっことばかりだったので、ユウノスケに勉強しろと言ってきました。そしてユウノスケとピコルは二階に上がり、勉強をすることにしました。
「わあ、ちょっとここの問題難しいな……」
「ユウノスケ君、ここはこう解くんだよ」
ピコルは丁寧にユウノスケがやっている勉強を教えました。
「ピコルすごいね! 頭いい」
「もう照れるな、頑張ってユウノスケ君!」
その日は、ピコルに勉強を教えてもらい、ユウノスケと二人一緒に寝たのだった。
次の日の夜……
映像を映し出すピコル……
「わがなはゴールデンピコール、次の日の指令を言うぞ」
「よろしく!」
「ゴールデンピコール様お願いします!」
「これじゃ、『値切りの宇宙人』この値切りをしている宇宙人は誰なのか確認してくるのじゃ」
「分かりました!」
そう言った二人は、タンスの裏の扉の前に立って何か言っているようです。
「ねえピコル、地球にはお金があるんだけど、宇宙にもあるんだね」
「そうなんだ、宇宙にはマニーっていうお金のような物があるよ」
「一文字変えただけじゃないか。まあそれはよしとして、次の指令も頑張ろうぜピコル」
「うん!」
そして、二人は扉を開けて次の指令『値切りの宇宙人』に向かったのだった。
「てここいきなり街じゃん! いろんな物が売っているんだね」
「そうみたいだね、はいこれマニーだよユウノスケ君」
そう言ったピコルはユウノスケに10マニーを渡しました。
「ピコル、マニー持ってるじゃん!」
「実はね、指令をクリアするとゴールデンピコール様からマニーをもらえるんだ」
「はあ? それも早く言ってよな。俺もマニー欲しいのに」
「ごめんごめん、実はゴールデンピコール様から、ユウノスケ君は使い方があらそうだからピコルが管理しろと言われてたのさ」
「確かに、落とし玉とかすぐに使ってたからな……分かったこれからは、ピコルがマニーを管理してね」
その後ピコルは目からその惑星のマップを映し出し、探索することになりました。
「ユウノスケ君! この街はいろんな物が売ってるね。ちょっとここよってみない?」
「よしのった! 行こうぜピコル」
ピコルが指さした先には、特売日という文字が入ったお店でした。到着すると……
「安いよ安いよーー、このアメ5マニー」
そこには、ぼぼちゃまとぼぼっちゃまが食べていた虹色に光るアメが売っていました。
「これ5マニーだってさ、安いのかな?」
初めての惑星での買い物だったので、ユウノスケはその虹色に光アメが高いのか安いのか分からなかったようです。
「うーーん、僕も分からないや……もう少し探索してみようか」
そして歩き出した二人は、ある怪物に遭遇したのです。
ドンドンドンドン、大きな足音をさせながら、サイのような人間サイズの生物が歩いていました。
「あら何を買おうサイねーー」
なんとそのサイのような生物はしゃべっていたのです。しかし、そのサイのような生物を見て周囲の宇宙たちは距離を開けているようでした。
「こんにちは! お買い物ですか?」
ユウノスケは話かけたようです。
「あらこんにちは、わたしはサイサイサイ、ここでいろんな買い物をしにきたのよ」
「サイサイサイさんは女性なんですね、どんな物をお探しなんですか?」
とピコルが聞くと、
「化粧品を探してるんだけどね、どこにも見当たらないのよ……」
困っているサイサイサイに対し二人は何と言うのだろうか。
「なら一緒に探しましょうか? 今日は時間もありそうだし、大丈夫だよねユウノスケ君」
「全然いいよ、ここたくさんお店あるから迷うもんね」
と化粧品探しを手伝うことに決めたようです。その後その街を探索していると……
「なかなか見当たらないサイね。」
「そうだね、でもきっと見つかると思うよ!」
「あっこれじゃないですか?」
三人が見つめる先には……化粧品を売っている所があり見つかったようです。
「あったサイ! わざわざありがとうサイね。助かったサイよ。何か協力できることあるサイ?」
サイサイサイは、お礼に何か協力できることがないか聞いてきました。
「なら俺たちの仲良にならない? いいよねピコル」
「ぜひ仲良になりましょう!」
と言い、ユウノスケはいつもの『フィギュアにしますか』ボタンを押しました。するとシューシューシュー、サイサイサイを吸い込み始めました。
「私の名前はサイサイサイ、きっと力になれると思うサイから、いつでも呼んでサイね」
と言いベルトの中に入っていきました。
「これからよろしくなサイサイサイサイ」
「ユウノスケ君、サイ一個多いよ!」
「でも何でサイサイサイはしゃべれたのかな」
「宇宙人以外の生物は、仲間にしたら喋れるようになるんだけど、不思議だね。中には仲間になる前でもしゃべれる生物がいるみたいだね」
それはピコルでも謎なのでした。
その後、歩き出した二人は何か会話をし始めました。
「ピコルは何か欲しい物とかあるの?」
「僕はねアメは一個持ってるからな、えっと……何か服が欲しいかな」
「なら服見に行こうか」
そう決めた二人はまた歩き出しました。
すると、また何かの生物に遭遇したようです。そこには、怒り狂っているイノシシのような生物の姿がありました。
「わーー止まらないよーー」
その怒り狂っているイノシシのような生物は、道を一直線に走り回っていました。周囲の宇宙人はそれには困っている様子で、ユウノスケとピコルは助けることに決めました。
「そんなに走り回ったら迷惑かかるよ!」
「ユウノスケ君! そのイノシシのような生物は怒り狂っているんじゃなくて、止まれないのに困っているみたいだよ!」
「そうか、なら仲間に助けてもらおう」
そう言ったユウノスケは、ベルトの左側の『仲間に助けてもらいますか』ボタンを押したのでした。
「助けて、テイディベアーキャット!」
そうすると、シューシューシューベルトの中からテイディベアーキャットが出てきました。
「おう待ってたぜ、俺が来たからには大丈夫だ」
何か聞いたことがあるセリフ、本当に大丈夫なのであろうか。そんなセリフを言っている最中、勢いあまってイノシシのような生物がピコルに激突してしまいました。
「ごめんなさいーーわざとじゃないんですーー」
イノシシのような生物は、激突したことに深く反省しながら走り回っています。ピコルはと言うと、
「僕は宇宙人だから体力ゲージがないんだ。今までありがとねユウノスケ君」
ピコルはイノシシのような生物が激突したことにより大ダメージをくらっていました。それに対しユウノスケは、
「はいアメ食べて回復しよう」
即答でアメを食べなよと言い、ピコルに虹色のアメを食べさせました。すると……
「僕はこのアメを食べるために冒険してるのかもしれない」
「そんなジョークいいよ、ほら暴走している生物をなんとかしないと、テイディベアーキャットなんとかしてーー」
ユウノスケはテイディベアーキャットに向かってそう言いました。
「誰か止めてーー」
止まれないようすのイノシシのような生物、テイディベアーキャットはその暴走を止めれるのでしょうか。
「おっ、止まれないのか。よしそれなら俺が止めてやるよ」
と言い両手を広げてそのイノシシのような生物を全力で止めました。すると、その暴走は止まりピタッと止まりました。
「ありがとうございます。自分では制御できなくて困ってました。ピコルさんと言いました? ぶつかっちゃってごめんなさいね」
「いいんですいいんです。アメ食べたのでもう大丈夫です。次は走る時は注意してくださいね」
「申し訳ございません。実はテイディベアーキャットさんを見てかっこよくて仲間に入りたいなと思いました。仲間にしてくれませんか?」
「いいんじゃねーか? こいつはわざとじゃなかったんだし」
テイディベアーキャットも絶賛募集中のようで、ユウノスケに頼んだようです。
「いいよ、ならこれからよろしくな」
と言い、ベルトの右側のボタン『フィギュアにしますか』のボタンを押し始めました。すると……シューシューシューイノシシのような生物を吸い込み始めました。
「私の名前は『イノイノシッシ』です。よろしくお願いします」
と言ってイノイノシッシはベルトの中に入っていきました。
その後、テイディベアーキャットは『楽しかったぜニャン』と言い、ベルトの中に入っていきました。
すると……キュイン、ユウノスケのレベルが4に上がったようです。
「テイディベアーキャットのおかげでレベルが上がったな、感謝しないと!」
そして、イノイノシッシを仲間にした二人はまた歩き出し服を探しました。
「この服安いよ安いよーー」
やっと服が売っているのを見つけることができました。
「やっと見つかった! お互いにサイズが合う服買おうか」
「うん! そだねーーならユウノスケ君に似合う服選んであげるよ!」
二人はお互いに似合いそうな服を探し初め、見つけたのがお揃いのマントがついている服でした。
「この服かっこいいね。あれピコル似合うじゃん」
「ありがと、この服着てから冒険しようか」
買う服を決めた二人は1マニーを支払い、着替えてから街の探索をし初めました。
「あっ僕、虹色のアメ食べたからまた一個ほしいな。アメがないと不安だよーー」
「そうだな、ならあのアメが売っていたところに戻ろうか」
そう言った二人は、また虹色のアメが売ってあった場所に戻りました。
「安いよ安いよーー、このアメ5マニー」
「えっと、4マニーにしてよーー」
「おお、ネギリンじゃないか。久しぶりだな」
なんと値切りをしている宇宙人がいました。
「値切りしている宇宙人とか珍しいね、どんな宇宙人なんだろう」
「ちょっと、聞いてみようか。すみません」
ユウノスケとピコルは、値切りをしている宇宙人に話しかけてみました。
「なんです? 君たちは」
いきなり話かけられたので、その宇宙人は驚いているようです。
「あの……俺たちもそのアメを買おうと思ってるんですけど、店主さんとお知り合いなんですか?」
「そうなんだーー、このお店のアメを売っている店主は僕が子供の頃に遊んでもらってたんだ」
知り合いということで、店主は久しぶりにネギリンと会えて、アメを4マニーで売ってくれるのでしょうか。
「本当大きくなってからネギリン、4マニーと言わずに一つあげるよ。おお君たちは友達なのかな?」
「僕たちは、ネギリンさんとは今日初めて会いました」
ピコルは正直に言いました。すると、
「そうかい、ただネギリンと同い年ぐらいに見えるな。なら4マニーでいいぞ!」
とお店の店主は太っ腹で、虹色のアメが5マニーするところを、ネギリンと会ったことで4マニーにしてくれると言いました。
「ありがとうございます! はい4マニー」
ユウノスケは4マニーを渡し虹色のアメを買いました。
「これはピコルが持っててね」
「ありがとうユウノスケ君、またピンチの時食べるよ。それにしてもネギリンには感謝だね」
「僕は特に何にもしてないような……」
ユウノスケとピコルはネギリンにお礼を言い、仲間に入るか誘いました。だが、
「誘ってくれてありがとう。でも僕の夢は虹色のアメを売っているこのお店みたいなのがしたいから、その時はまた遊びにきてね」
なんと、仲間に入ることを断ったのです。それに対し、
「そっか、頑張ってね! 応援してるよ」
とユウノスケが言うと、
「分かったよ。もしお店出したら虹色のアメ買いに来るからねーー」
とピコルも応援しているようです。
『指令クリア』
どこからかこの言葉が聞こえてきました。
「それじゃあねーー」
「また来るねーー」
そして、ユウノスケとピコルはユウリの待つ家に帰ってきたのでした。
「あらお帰りなさい、今回の冒険はどうだったのかな?」
その日はまた晩御飯を食べながら、冒険のことを熱く語ったのでした。
その頃別の惑星では……
「暗いの大好き、でももう少し明るくてもいいんじゃないかな」
「そうだよね、でもいいんじゃないかな」
何かネガティブなことを言っている宇宙人がいるようです。
次回に続く。
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