百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.8-68 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の劇毒粘性体〜
Act.8-68 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の劇毒粘性体〜
<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト>
情報交換会が終わり、そこから三千世界の鴉を殺してビオラ商会の仕事などを終え、そこから三日間は平穏な日常が続いた。
ちなみに、情報交換会中に「そういえば、フォティゾ大教会の最高司教のレイティアがお前に会いたいって言っていたぜ?」って言っていて全く拒否権無く会談が二週間後に設定されちゃったけど、あんまり気乗りしないんだけどなぁ。
……うん、とりあえず約一ヶ月ってもう一ヶ月切ったんだけど、二日後にアクアマリン伯爵家のお茶会に行くのとアネモネの叙爵以外は、王女宮に行儀見習いに行くまで暇だと思っていたんだけどねぇ。
まさか、朝一番でバチストとバダヴァロートからモーニングコールが掛かってくるとは思わなかった。
『朝早くから申し訳ございません。恐らく昨晩頃だと思われますが、シルフスの街の付近に迷宮が出現しました。魔物が大量に出現し、フォルトナ王国の中央軍を派兵して頂いてなんとか対応しておりますが……』
『早朝からすまない。エナリオス海洋王国の領海にある無人島に迷宮が出現したようだ。エナリオス軍を派兵して対応しているが、迷宮の攻略まで到達できていない』
まさか、迷宮の出現報告が二箇所同時に届くとはねぇ。
迷宮は出現の初期段階に猛烈なスタンピードが発生する。まあ、一種の呼び込みみたいなものだねぇ……傍迷惑だけど。
急いで多種族同盟のトップ達に連絡を取り、緊急会議を開く。
『クソ面白いことになってきたじゃねぇかッ!?』
「不謹慎だから流石にその言い方はやめてもらいたいねぇ、クソ陛下」
『で、どうするんだ? 手近なところに残り二つ迷宮があっただろう? うちの国にある【メジュール大迷宮】と、フォルトナ王国北部にある【フェレッヴェル大迷宮】。どうする? どうせなら一気に攻略してしまえばいいんじゃないか?』
「無茶苦茶なことを言うねぇ。まあ、迷宮に挑戦したいなら予定を調整してから連絡を入れてねぇ。後、そういう話なら【フェレッヴェル大迷宮】は抜きかな? ヴァケラーさん達が攻略していたし、可能なら今日、攻略に参加してもらおうと思うし」
『エナリオス海洋王国の迷宮は我も攻略に参加させてもらいたいと思っている。ソットマリーノとボルティセも参加を希望している』
「じゃあ、エナリオス海洋王国の迷宮は三人希望ねぇ。それと、【メジュール大迷宮】とシルフスの街のどっちかを個人的にもらいたい。新入りの魔物達の練習を兼ねて挑戦したいからねぇ」
『んじゃ、【メジュール大迷宮】を譲るよ。他の迷宮挑戦希望者はシルフスの街の迷宮に挑戦ってことで決まりだな』
ってことで、結局迷宮挑戦はこんな感じになった。
-----------------------------------------------
◆【メジュール大迷宮】
・ローザ、榊、槐、椿、榎、楸、柊、日長、月長、玻璃、紫水、翡翠、碧羅
◆【フェレッヴェル大迷宮】
・ローザ、ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャ、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュア
◆エナリオス海洋王国の迷宮
・ローザ、バダヴァロート、ソットマリーノ、ボルティセ、エヴァンジェリン、スティーリア、ラファール
◆シルフスの街の迷宮
・ローザ、ラインヴェルド、オルパタータダ、レジーナ、エイミーン、バルトロメオ、アクア、ディラン
-----------------------------------------------
戦闘が苦手という翡翠も連絡を入れたら志願してくれた。翡翠って生産系の仕事をしたいって言っていたんだけどねぇ。服作りとか。
まあ、戦闘力的には何も問題ないんだけど。
様々なことを考えた結果、エナリオス海洋王国の迷宮→【フェレッヴェル大迷宮】→シルフスの街の迷宮→ 【メジュール大迷宮】という順での攻略となった。
ちなみにこの件はヴァーナム本部長に伝えてあるから迷宮攻略の暁には評価が反映されることになるらしい。
厄介なシルフスの街の迷宮を後回しにしたのは、ラインヴェルド達を送り込むから。
先に迷宮周辺の魔物狩りをしてもらえるようにお願いしたからねぇ。つまり、ボクが二つの迷宮を突破している間に魔物のスタンピードを壊滅させておいてって話だねぇ。まあ、嬉々としてやるだろうし、楽勝だろうけど。
さて、まずはエナリオス海洋王国の迷宮から行きますか。
◆
<一人称視点・リーリエ>
エナリオス海洋王国の国王と二王子にエヴァンジェリン、スティーリア、ラファールを加えたパーティは到着早々『深淵の洞窟の大海の主』と『サファギンエンペラーの戴冠』の時期でもないのに大量の
「魂魄の霸気――《海皇》。
「――
「魂魄の
『漆黒無双右太刀・
『
『――
それぞれがそれぞれのやり方で魔物を撃破していき、およそ十五分で海上と空上の敵勢力は全滅。今回は討伐を優先したから損傷が酷い魔物も多いけど、できるだけいい状態のものを回収して統合アイテムストレージに保管しておいた。
「それじゃあ行こっか?」
魔物を狩り終えてところで迷宮に突入。
「それじゃあ、予定通り突貫で進めるから、各自一層で魔物を狩ってきてねぇ」
「うむ、了解した。任せるぞ」
「宜しく頼む」
「お願いします」
『ああ、沢山狩って来よう』
『承知致しましたわ』
『できる限り頑張ってきますわ』
バダヴァロート達を送り出して、そこからは【練金成術】系スキルで穴を開けては自由落下し、更に落下したまま【練金成術】を続け、時折フロアボスや雑魚魔物を発見すると指輪を経由した闇の魔力でローザ=ラピスラズリがレベル95で習得する暗黒物質を顕現して勢いよく地面から噴き上げる超高火力の闇魔法のフェイク版――「ダークマター・フェイク」で撃破し、更に進んでいくという作業の繰り返し。
途中途中で上への螺旋階段を設置するという作業を行いながら迷宮を降りること三十分、ようやく最後の階――千層のラスボス前の扉が設置された大広間に到達した。
そこから上層部の魔物を粗方狩り尽くした面々と合流し、【アラディール大迷宮】でかつてエヴァンジェリンが待ち受けていたのと全く作りの同じ部屋に突入する。この時点で
『ようこそ迷宮へ。わたくしはこの迷宮の
豪奢な金髪の豊満な胸を持つドレス姿の女王のような容姿をした魔物が円形の闘技場の中心に立っていた。
「ってことだけど、エヴァンジェリンさん、どうする?」
『同じ
「本当にいいんだねぇ?」
『ああ、剣を交えることは後でいくらでもできるからな?』
他の面々にも異論はなさそうということで、ドミティアに双剣を構えて対峙する。
『
ドミティアの手が一瞬粘液――スライム状に変化して劇毒の塊が放たれた……もしかしなくてもスライム系の魔物だねぇ。
裏武装闘気で作り出した盾で防ぐと、そのままドミティアに迫る。
『
ドミティアの身体が変化し、溶けるようにスライム状に変化した。これで斬撃を無効化しつつ、劇毒でダメージを与えようって魂胆が丸見えだねぇ。
だけど残念、剣はフェイクなんだよねぇ。
「
「
MOBの捕獲確率に影響を与える隠し効果がある『
ドミティアの「
僅かに抵抗したドミティアだけど、支配者の鎖網はびくともしない。鎖がチカチカと緑色に点灯を続け、八回、鎖が明滅すると緑の光が消え、パリィーンと音を立てて鎖が砕け散った。
『捕獲に成功したようだな』
かつての自分を見ているのような感慨深い視線を向けるエヴァンジェリン。……そういえば、客観的にこういうやり方で魔物を従魔にするのを見るのは初めてだっけ?
HP:10,000,000
MP:10,000,000
STR:20,000,000
DEX:10,000,000
VIT:60,000,000
MND:50,000,000
INT:10,000,000
AGI:10,000,000
LUK:10,000,000
CRI:10,000,000
▼
「さて……念のために聞くけど、君はボクの従魔になってくれたってことでいいんだよねぇ?」
『そういうことになりますわね。よろしくお願いします、ご主人様』
「宜しくね。名前はこれまで通り、ドミティア・λ・ラビュリントを名乗るといいよ。……ところで、早速で悪いんだけど後三つ迷宮攻略が控えているから最下層に案内してもらえるかな?」
『三つも……ですか?』
ドミティアが驚愕の表情を浮かべたのは、まあ、本来千層クラスの迷宮は数日……数週間、あるいはもっと長い時間を掛けて挑戦することを前提にしているからだよねぇ? まあ、ボクみたいなズルは想定されていないんだろう。……ちゃんと一流の迷宮名乗るなら【錬金】防止はしとけって思うけど。
HP:10,000,000
MP:10,000,000
STR:20,000,000
DEX:10,000,000
VIT:60,000,000
MND:50,000,000
INT:10,000,000
AGI:10,000,000
LUK:10,000,000
CRI:10,000,000
▼
ちなみに、ステータスはこんな感じになった。こっから強化していくって感じかな? しかし、
『リーリエ様は初見に攻略する迷宮をまず真面目に攻略することはないからな。私の時は八百階まで螺旋階段を作られてしまったぞ? まあ、その後、迷宮をリメイクしてもらう際には第一層から真剣に攻略してもらったがな』
悪かったねぇ、真面目に攻略しなくて。でも、迷宮を楽しんでいる余裕なんてないからさぁ。一刻も早く魔物を迷宮の中に封印しないといけないし。
ドミティアと共に最下層に降りていく。
最下層には真紅の魔法陣が設置された小部屋と、青色の魔法陣が設置された小部屋、二つの部屋を繋ぐ中部屋があった。青色の魔法陣の上には山積みの硬貨や、
「とりあえず、宝石や貴金属などの換金アイテムと山積みの硬貨はボクを除いた全メンバーで均等に分配ってことでいいかな?
「これほどの財宝をもらっても本当にいいのか?」
「ソットマリーノ様、きっちり迷宮攻略に参加していたんだから遠慮なく受け取ってねぇ。ただし、国王陛下と国の未来を担う二人の聡明な王子様ならお分かりだと思うけど、大量のお金というのは経済を崩壊に導く。使う時は慎重に、徐々に市場に流していくようにねぇ」
「うむ、分かっておる。……勿論、無駄遣いはせぬよ。国を統べる者として民のために最もいい方法で使いたいと思う」
その後、真紅の魔法陣で迷宮内に魔物を留めるように変更を行うと、ボクはメンバー全員と共に『管理者権限・全移動』で転移した。
バダヴァロート、ソットマリーノ、ボルティセを海王城に送り届けてから、ボクはエヴァンジェリン、スティーリア、ラファール、ドミティアと共にラピスラズリ公爵家に戻った。
「それじゃあ、ボクは次の迷宮を攻略してくるからみんなはここで待っていてねぇ。今のうちにドミティアさんに色々と教えておいてもらえると助かるな」
『ああ、
『承知致しましたわ。このスティーリア、ローザ様のご期待に応えられるよう頑張ります。ローザ様、どうかお気をつけて』
『お任せください、ローザ様』
さて、次は二つ目の迷宮か……って、あれ? メールが来ている?
あっ、新しい二つの迷宮の名前も決まったんだねぇ。
-----------------------------------------------
◆エナリオス海洋王国の迷宮(【リュウーフェル大迷宮】) 攻略済み
◆【フェレッヴェル大迷宮】
・ローザ、ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャ、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュア
◆シルフスの街の迷宮(【ライウィエール大迷宮】)
・ローザ、ラインヴェルド、オルパタータダ、レジーナ、エイミーン、バルトロメオ、アクア、ディラン
◆【メジュール大迷宮】
・ローザ、榊、槐、椿、榎、楸、柊、日長、月長、玻璃、紫水、翡翠、碧羅
-----------------------------------------------
さて、それじゃあ改めて、ヴァケラー達が待っている【フェレッヴェル大迷宮】に、レッツゴー!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます