百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.8-69 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の暗黒魔槍術師〜
Act.8-69 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の暗黒魔槍術師〜
<一人称視点・リーリエ>
ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャ、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュアと合流し、【フェレッヴェル大迷宮】に挑む。
普段は依頼を受けた冒険者達や挑戦を希望する冒険者、騎士団などが名簿に名前を書いて自己責任で参加することができるんだけど、今回、ボク達が攻略している間は一切誰も入れないという取り決めがなされている。
「久しぶりの迷宮ですね。前は六十五層まで行ったところで撤退しましたけど……」
「ヴァケラーさん、今回は千層スタートですよ?」
「なんかこれまでの努力がなんだったんだ? って感じですよね」
迷宮挑戦経験のあるヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャがなんとも言えない表情になる。
「それじゃあ、ボクは作業に入るから皆さんは一層を中心に魔物狩りをお願いねぇ。最下層に到達すれば魔物を迷宮内に封印できるけど、外に出てしまった魔物までは封印できないから」
ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャの五人は迷宮の六十階層まで潜って経験のあるパーティで、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュア――ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュアも迷宮攻略経験はないけど、練度の高いパーティであることは間違いない。
そんな彼らに雑魚一掃を任せるのは忍びないんだけど、まあ、これも重要な仕事だから。
ヴァケラー達を送り出して、そこからは【練金成術】系スキルで穴を開けては自由落下し、更に落下したまま【練金成術】を続け、時折フロアボスや雑魚魔物を発見すると指輪を経由した闇の魔力でローザ=ラピスラズリがレベル95で習得する暗黒物質を顕現して勢いよく地面から噴き上げる超高火力の闇魔法のフェイク版――「ダークマター・フェイク」で撃破し、更に進んでいくという作業の繰り返し。
途中途中で上への螺旋階段を設置するという作業を行いながら迷宮を降りること二十五分、ようやく最後の階――千層のラスボス前の扉が設置された大広間に到達した。ちょっと慣れてきて時間短縮できた?
そこから上層部の魔物を粗方狩り尽くした面々と合流し、【アラディール大迷宮】や【リュウーフェル大迷宮】で
「ヴァケラー、こういうのが迷宮攻略なのか?」
「ディルグレンさん、分かっていて言ってますよね? こんなやり方、アネモネさんにしかできませんよ!」
「俺達の努力ってなんだったんた?」
「さあ、なんだったんでしょうね?」
「ジャンロー、ハルト、アネモネさんと比較するのは良くない。重要なのは、今の私達がどこまで戦えるか」
「儂らも今度挑戦したいのぉ……第一層から。儂らの実力がどれほど通用するか、見てみたいもんじゃ」
「そうですわね。私達も随分強くなりましたから」
「後は食糧の問題だけだな」
本当に悪かったねぇ、邪道な攻略方法で。
「今のヴァケラーさん達の実力なら九人でも
「元々そういう約束ですからね。……しかし、俺達でも勝てるもんなんですか? エヴァンジェリンさんとかトーナメントでは無茶苦茶強かったじゃないですか?」
「まあ、ステータスのパラメータ面で強化こそされていないけど、戦闘経験や追加された
まさか、勝てないと分かっていて参加している人なんていなかったよねぇ? 全員優勝目指していたんじゃないの?
中はお馴染みの円形の闘技場、その中心には漆黒の
……エヴァンジェリンに似ているけど、同系統なのかな?
『ようこそ迷宮へ。私はこの迷宮の
口上もそっくり……性格も似ていそうだ。真面目一辺倒って感じだよねぇ。
『
リヒャルダは黒いオーラを槍の穂先のような形に変化させて、槍で高速で突きを放ってきた……なるほど、やっぱりタイプはエヴァンジェリンと同じなんだねぇ。
黒い穂先をそのまま飛ばせるんだ。……飛び道具完備か。って、それはエヴァンジェリンもだったねぇ。
「千羽鬼殺流・太歳」
木星の鏡像となる仮想の惑星の名を冠する鬼斬の技で霊力を溜めて放出して暴風を起こし、黒い穂先を破壊する。
『
槍の穂先に黒い水の激流を纏ったリヒャルダが槍を振り下ろし、水の斬撃を放ってきた。
裏武装闘気の盾を顕現して受け止めつつ、「
『……くっ、面妖な攻撃を使う』
「それ、魔法のある世界の住人には言われたくないセリフだねぇ。
MOBの捕獲確率に影響を与える隠し効果がある『
リヒャルダに「
僅かに抵抗したリヒャルダだけど、支配者の鎖網はびくともしない。鎖がチカチカと緑色に点灯を続け、八回、鎖が明滅すると緑の光が消え、パリィーンと音を立てて鎖が砕け散った。
「さて本日二人目、従魔ゲットだねぇ」
HP:50,000,000
MP:10,000,000
STR:55,000,000
DEX:15,000,000
VIT:32,000,000
MND:30,000,000
INT:10,000,000
AGI:50,000,000
LUK:10,000,000
CRI:30,000,000
▼
「さて……一応念のために聞くけど、君はボクの従魔になってくれたってことでいいんだよねぇ?」
『そういうことになるな。よろしく頼む。ご主人様』
「宜しくね。名前はこれまで通り、リヒャルダ・δ・ラビュリントを名乗るといいよ。……ところで、早速で悪いんだけど後二つ迷宮攻略が控えているから最下層に案内してもらえるかな?」
HP:50,000,000
MP:10,000,000
STR:55,000,000
DEX:15,000,000
VIT:32,000,000
MND:30,000,000
INT:10,000,000
AGI:50,000,000
LUK:10,000,000
CRI:30,000,000
▼
『承知した。……ところで、迷宮とはそんなに時間を掛けずに攻略するものなのか? 魔物の他にも仕掛けられた罠もある上に、何より階層が千層となれば攻略には時間が掛かってしまうものだと思うが』
「……リーリエさんは突貫工事で迷宮を打ち抜いて螺旋階段を作ってしまいましたからね」
「全く、ちゃんとボスは仕留めてきているよ? その都度、『ダークマター・フェイク』放って一片も残らないように消し飛ばしたけど」
『…………うむ、そうか。
その後、真紅の魔法陣が設置された小部屋と、青色の魔法陣が設置された小部屋、二つの部屋を繋ぐ中部屋がある最下層に辿り着き、まずは魔物を迷宮内部に封印した。
続いて、青色の魔法陣の上にある山積みの硬貨や、
「こんなにもらってもいいんですか?」
「まあ、本来はヴァケラーさん達で攻略する予定の迷宮を横取りしちゃった感じだからねぇ。取り分が少なくなって申し訳ないけど、これで許してくれると嬉しいなぁ」
「俺達だけでは絶対に攻略できなかったのに、こんなに報酬をもらってもいいのでしょうか?」と世迷言を言ってくるヴァケラー達に「次は皆さんで攻略してくださいね」と伝え、『全移動』を使ってヴァケラー達をブライトネス王国王都の冒険者ギルドに送り届けてから、エヴァンジェリン達の待つ屋敷にリヒャルダを送り届けた。
……さて、後迷宮は二つか。
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