2話

 俺はセリアの後ろをついて、冒険者ギルドに入った。


「お〜い。こっちに冷えたやつじゃんじゃんもってきて〜!」


「こっちにはつまみ大量で〜!!」


 と、冒険者らしき人たちがしきりに注文しあってる。


 え?なんか俺が想像してたのと違う!!

 ギルドって酒場のことだったのか⁉︎


 と右の壁を見てみると、何やら依頼書らしきものがはってあった。


 俺はそれらを眺めていた。


「カズくん。ここが冒険者ギルドだよっ。どうかな?」


 セリアが背伸びをしながら話しかけてきた。


 いや。どうかなって...。


「まぁ。なんか想像してたのとは違う感じはしたかな。」


「そーだよねー。他の町や村はふつうギルドに酒場なんてないんだからさ。ここはちょっと特別なんだよ。」


 そうなんだ。俺の思っていたことは間違ってなかったんだ。


 俺はセリアと一緒に中央のカウンターに向かった。

 セリアはそこに座っていたギルドの職員らしき人に話しかけた。


「すみませーん。この、隣の子の冒険者登録をお願いしたいんですけど。」


 その女性職員は...いや、少女の職員?は首を大きく振って。


「わかりました!!では、登録料をいただきますね!!!」


 と言ってきた。


 登録料⁉︎そんなのいるんか?と、金なんかないぞと思いながらきいていた。


 あれ?でも金ってあれか?あの、ポケットに入っていたやつか?


 俺はポケットに入っていたやつのことを思い出した。


 でも、この世界の金の価値なんてわかんないしなぁ。


「その登録料って、どれくらいするんですか⁇」


「はい!1ゴールドです。」


 俺はポケットの中から一枚のコインを出した。


 そうするとセリアが驚いたような顔で、俺を見てきた。


「よくお金持っていたね。今どれくらいあるの?」


「今、一枚使ったから残り9m...いや9ゴールドだ。」


 ここで嘘ついてもしょうがない。


 少し待っていると、職員が奥から地球儀みたいなものを持ってきた。


「これは、あなたのステータスを図るために必要なものです。ここに手をかざすと、この下に設置してあるカードにあなたの情報が書きたされていきます。そしてこのカードは、冒険してレベルが上がるごとにステータスが更新していきます。」


 俺は、この地球儀みたいなものに手をかざした。


 すると、地球儀みたいなものが白く光り出して、どんどん俺の冒険者カードに文字を書いていく。

 それをおれはワクワクしながらな見ていた。


「はいっ!これで終わりです。次にこのステータスを元に、職業を決めてもらうのですが...」


 おっ⁉︎これはあれか!異世界転生者あるあるのチートステータスか。そして、勇者的存在となり、みんなから期待されて。そのうち魔王なんて簡単に倒しちゃったりして。もう、金なんでガッポガポでさ。ウハウハ生活できるやつじゃん!!


 そんな感じでニタニタしてる俺をセリアはヤバイ人を見てる感じで見ていた。


「あっ。どれもふつーですね。知力がそこそこ高いのと...。うわっ!でも魔力がめちゃくちゃありますね!」


 おっ?魔力が高いのか。なら魔法使いにでもなろうかな。


「あ。でも瞬発力があまりないので魔法使い系は無理ですね〜。」


 は?今なんて言った?瞬発力⁇なに、魔法使いになるには瞬発力が必要なの⁇たしかに元の世界でも足は遅かったけどさ。え?なにそれきいてない!!


「このステータスだと、魔石取りか魔道具職人にしかなれませんね〜。」


 え?


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」


 横でセリアが腹を抱えて爆笑してやがる。


 なにこいつ!めっちゃムカつくんだけど!!さっきまでの俺が抱いた印象返せよ!!!


「じゃあ、冒険者の最低職業でいいんで。」


 というと、職員が不思議そうな顔して。


「はい?冒険者が一番下のランクですよ?」


 え?なにそれ。冒険者で冒険者ってこと?は?意味わかんないんだけど。


「そんなことも知らないの?当たり前のことだよ。なに言ってんのクスクス。」


 セリアが笑いながら言ってきた。


 こいつ!まだ笑ってやがったのか!!くそッ!でもまだ我慢だ。全て教えてもらったら後で言い返してやる。


 無事、冒険者登録を終えた俺は最後にギルド職員から

 魔法詠唱カードをもらって、いろいろと説明してもらった。

 要約すると、こういうことだそうだ。このカードは魔法詠唱カードというが、魔法を詠唱するためのカードではないらしい。魔法を覚えるためのカードだということだ。このカードに表示されている魔法が覚えられる魔法らしい。そして、ここにのっている魔法を覚えるには、モンスターを倒してもらう魔法ポイントを使うとのこと。魔法によって使うポイントの量が違うのだそうだ。ちなみに覚えた魔法は、冒険者カードの方に自動で転記されるらしい。

 まぁこれは使ってみないとわかんないな。


 とりあえず、強くなったり魔法を使ったりするにはモンスターを倒しまくることが大切らしい。たまにレア食品やポーションで、経験値を得ることができるそうだが、効率が悪いとのことだった。


 そのあと俺とセリアは冒険者ギルドをでて、村を探索することにした。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る