第588話色々な叫び声
戦いに戻って行ったマシロ、とっても凄かったです。うんとね、ハロルドやアンドレアス、霧の精霊お兄さんも凄かったけど、マシロが1番凄かったよ。1回に1人ずつ黒服を倒さないで、何人もいっぺんにやっつけちゃうんだ。僕もみんなも拍手しちゃいます。
でも黒服達も、やられちゃった人達のお怪我を治して、またマシロ達の方に来るから、なかなか黒服達が減りません。最初よりも半分くらいになってるけど、それでもまだまだいっぱい。
それにいつも闇の魔法ばっかり使っている黒服達。でも今日は違いました。土の魔法とか水の魔法とかも使って攻撃してくるの。それでねその魔法を見て、リュカが気づいたって。
『1番強いのは、多分何回も色々な場所を行ったり来たりして、それから指示出してるあの黒服だよ。逆に1番弱いのは、あそこで煩くしてる黒服。騒いでるだけで何もしてない奴ね』
さっきから僕達の応援の邪魔してる、あのうるさい黒服が1番弱いんじゃないかって。リュカがぷんぷん怒ってます。
『威張ってるだけで、弱い奴って居るよねぇ。ほら街で悪い事する騎士達とかさ。自分は強いと思ってて、でも実は弱いっていう。僕ああ言う奴ら、大っ嫌いだよ。口ばっかり!!』
それからもあの1番弱い煩い黒服に邪魔されたけど、頑張って応援した僕達。少ししたらリュカが1番強いって言ってた黒服が、1人の黒服を呼んで、何かお話しを始めました。それからすぐにあの1番弱い黒服の所に行った強い黒服。
そうしたらまた弱い黒服が騒ぎ出した後、お洋服からあの色々ないろんな石がくっ付いてる魔力石じゃなくて、別の石を出しました。それから他にも黒服が何人か集まってきて、みんながその石を出したの。そして…。
『アンドレアス! 嫌な予感がする、我は止めに行くぞ!!』
『私もそう思う! 行け!!』
マシロが叫んで、すぐに集まってる黒服達の方へ行こうとしました。でもさっき、先に強い黒服とお話ししてた黒服がマシロの方に行っちゃって。アンドレアスの方にもハロルドの方からも黒服達が行って、マシロ達の事を止めちゃったんだ。
「向こうへは行かせません」
『退け!!』
マシロが攻撃するけど、すいすい避けちゃう黒服。なかなかマシロは前に進めなくて。アンドレアスも黒服が増えたちゃって、なかなか倒せなくなっちゃったんだ。
その時でした。ブンッ!!て、何かが広がったんだよ。風みたいなやつ。うんとね、何かは見えなかったんだけど、こうブンッてなって、それからブワってなって。僕達を通りすぎてきました。何だろう? 僕は通り過ぎて行ったのが何か見ようとして後ろを向きます。でもすぐにまた前を見て。凄い叫び声が聞こえたの。
「ぐあぁぁぁ!!」
「ぎゃあぁぁぁ!!」
とってもとっても苦しそうな叫び声で、見た方にはあの集まってる黒服達が。そしてそれを見た瞬間、
「ガハッ!!」
今度は強い黒服が、思いっきり向こうの木の所まで飛ばされてぶつかって、そのまま倒れました。よろよろ立ち上がろうとする強い黒服。そのまま倒れちゃえば良いのに。そうしたらマシロ達の敵が1人減るんだもん。
「ビリダス様!!」
マシロと戦ってた黒服が、飛ばされた強い黒服を呼んで、そっちに行こうとします。あの強い黒服、ビリダスってお名前みたい。
「来るな! 大丈夫だ、スポーツお前はそいつの相手をしていろ!」
ぴたっと止まる黒服。こっちの黒服のお名前はスポーツだって。すぐにスポーツはまたマシロと戦い始めます。ビリダスはちょっとフラッとしていたけどちゃんと立って、上を見ました。僕達もまた弱い黒服達の方を見ようとして。
「ぐがあぁぁぁっ!!」
また叫び声が。でも見る前に今度はハロルドが叫んだんだ。
「ユーキ! みんなも目をつぶれ!!」
僕は急いでルーリアさん達を抱きしめて、それからすぐにお目々を瞑りました。ルーリアさん達分かったかな? どうしたのかな? でもハロルドのお声ちょっと怖かったから、ちゃんとお目々を瞑らないとダメダメです。
「良いか、俺が良いって言うまで目を瞑ってろ。大丈夫、俺はここに居るからな」
ハロルドがお話ししてくれてる時も、とっても苦しそうな叫んでるお声が聞こえています。それからとっても怒ってるお声も。うんとね、ビリダスに怒ってるの。
「ビリダス! これは何だ!! 貴様、石に何をしたぁ!! ぐががっ」
「ふんっ、ようやくお前達が役に立てる時が来たのだ」
「何だと!?」
「全くここまで来ても、何もしないとは。まぁ、最初からお前達が役に立つとは思っていなかったが、ここまで役に立たないとは思っていなかった。だがこれでお前達も少しは。あの方々のために命を捧げ、役に立つ事ができる。良かったな」
「何を、何を言っているんだ! 早くこれを止めないか! ぐっ、ゴホッ!」
「1度それに魔力を流せば、もう止める事はできない」
「な、何を、ぐがあぁぁぁ!!」
「お前達はこれから自我が完全に消滅し、俺の言う事を聞くだけの物となるのだ。人形といったところだな。お前達の体がボロボロになり、消えるまで、俺がしっかりと使ってやるから安心しとろ」
「ぐっ、と、止めろ、止めるんだ! ぐあぁぁぁっ!!」
とってもとっても大きな、弱い黒服の叫び声と、他の黒服達のとっても大きな叫び声が聞こえて、それからまたブワッ!!て、僕達の所を何かが通り過ぎていきました。
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