第585話突然のルーリアさん
「おい! そろそろ行くぞ! お前はいつまでエチゾロス様をお待たせる気だ!!」
「奴等の様子を見にっている者が、もうすぐ戻ってきます。そのほう…」
「ええい!! 煩い! お前の言うことなど、これ以上聞いていられるか。全く本当に役に立たない! おい! 行くぞ!! エチゾロス様申し訳ありません。すぐに奴等から石を奪ってきますので」
「…報告を待たぬのか?」
「ええ、どうせいつもと変わりない報告ですので。それよりもこのビリダスに変わり、私がしっかりと石を手に入れてみせましょう」
「分かった。こちらの新たな石は、しっかりと持ったな?」
「勿論です。しっかりと」
ブレデイルが自分の取り巻きと共にズンズン進みはじめた。本当に馬鹿な男だ。自分がこれからどうなるかも知らず。だが、奴について行かないわけにも行かないからな。俺はエチゾロス様に挨拶をする。
「では、私達も」
「奴等が居る。何が起こるか分からんからな、気をつけるのだぞ。それと奴の事だが、私達にもどれだけあれが発動するか分からない。下手をすればお前達がやられる事になるぞ」
「承知しております」
「私は戻るが、何があろうともお前達は戻ってこい。お前達にはこれからも働いてもらわないとにからな」
そう言って、簡単にその場から消えるエチゾロス様。そうして私達も精霊の石がある場所へ移動を始め。ブレデイル達に変化が起こる前に、精霊の石を奪う事ができたら、そのままここでその変化の過程を見るのも良いだろう。どうせ最後には消すつもりだからな。
向こうは今どうなっているか。おそらく子供から力を借りて、守りを固めているだろう。だが、どれだけ守りを固めようとも、最後に精霊の石を手にしているのは俺達だ。
*********
僕達が結界の中でお話しをしていたら、向こうの木の所でカサッと音がして。見てみたらそこに小さなルーリアが居ました。どうしてここに居るの? 精霊のお兄さんは1番安全な場所にみんな居るって言ってたよね?
『あれ~、何でここに居るの?』
みんなも気づいて、結界のスレスレまで行ってルーリアを見ます。マシロ達も気がついて、どうしてこんな所にいるんだって。
みんなが逃げた時、たまたま別の場所に隠れていて、みんなが逃げたの気づかなかったのかも。それか様子を見にここまで来ちゃったのかもしれない。霧の精霊お兄さんも気づかなかったって。
でもここはもうすぐ黒服達が来るかもしれないし。そうしたマシロ達がすぐに黒服達をやっつけてくれるけど。でもその時はマシロ達はみんなとっても強い攻撃をするでしょう? そうしたら風がブワッてなったり、攻撃が周りにいっぱい飛んできて、とっても危ないです。
「マシロ! けっかいいれてあげるでしゅ!」
『うん、あそこじゃ危ない』
『マシロ良いでしょう?』
みんなでお願いしたら、マシロがすぐに結界を少しだけ開けてくれました。だからみんなでルーリアを呼びます。
「こっちきてでしゅう!」
『危ないよう!!』
『早く結界に入って!』
でもなかなかルーリアは来てくれません。来てくれないけど、さっきよりも木の影からお顔は出してくれて。そうしたらルーリアは1匹だけじゃなかったよ。最初から見てるルーリアの後ろから、もっと小さいルーリアが出てきたんだ。
「ちっちゃいルーリアでしゅ!!」
『わぁ。とっても小さいね。まだ赤ちゃんかな?』
みんなが小さいルーリアを見て、ニコニコした時でした。マシロがバッ!!と振り向いて、アンドレアス達も剣を持って、マシロと同じ方を見たの。
『来るぞ!! おい、そこのお前達早く中へ入れ!!』
マシロがそう叫んだんだけど、ルーリア2匹ともブルブル震えて、2匹で抱きしめて固まっちゃいました。マシロの大きなお声と、みんなが剣を持って、それからとっても怖い顔になったから。ルーリア達ビックリして、それから怖くなって、動けなくなっちゃったのかも。
「チッ!!」
ハロルドがルーリア達の方へ走っていって、固まってる2匹をまとめて抱き上げました。それからすぐにこっちに走ってきて。でもその時、マシロ達が見ている方から、いっぱいの黒服達が現れました。
それでモヤモヤの塊の方に行く黒服達と、僕達の方に来る黒服達に分かれて攻撃していて。マシロ達もすぐに攻撃を始めます。
早くハロルド!! 危ないよ!! みんなが一生懸命ハロルドを呼んで、そうしたらハロルドの所に、黒服が1人来ちゃったんだ。危ない!! 僕達が叫んだら、ハロルドが剣と魔法で黒服を攻撃して、黒服を向こうの木の所まで飛ばしました。
それから一気に僕達の所まで走って来て、ルーリア2匹を僕達の方に投げてきたよ。わたた、わたた。キミルが慌てて魔法を何回か使ったら、わたぼこと木の実がいっぱい出て来ちゃって。でもそのわたぼこにルーリア達がクルクルぽんって落ちたの。だからルーリア達お怪我しませんでした。
「マシロ!!」
ハロルドが叫んだら、すぐにマシロが結界を元に戻してくれます。それから今度はみんなで黒服達をやっつけ始めました。ふぅ、危ない危ない。僕はルーリア2匹の頭をなでなでしてあげて、もう大丈夫って言いました。
「えと、みんな、とってもつよいでしゅ! それからこのなかもだいしょうぶでしゅ」
お話ししたんだけど、ルーリア達変なお顔して僕を見てたよ。
『取り敢えず大丈夫って事。見て、もうあんなに倒してるよ』
みんなでマシロの方を見ます。黒服さんがいっぱい倒れていました。
『それにしてもビックリしたね。まさか黒服達がくる時に、2匹が来るなんてさ』
『な、ビックリだよな』
『ハロルドに後でありがとう言ってね』
ルーリア達は、変な顔で僕達を見たまま。僕もお話し分かるかな?
『ほら、ユーキ、お話しは後にして、応援しなくちゃ!』
あっ!! そうだよ応援!! 僕が急いで立ち上がって、それからルーリア達にはワタボコの中で静かにしててねって言って、マシロ達の応援を始めました。
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