第496話特別なプレゼントがいっぱい!!

 次はストーンのプレゼントを開けます。ストーンのプレゼントは、前にプレゼントでもらった石と同じなんだけど。でも石の中に入ってるお花と虫さんが違う石でした。今度のお花は紫で、虫さんはちょっと緑色の、でも透明なトンボさん。体全部、お羽も透明なんだよ。

透明の石の中に入ってるから、よく見ないと分かりません。最初僕分かりませんでした。


『これは明るい所で見るんじゃないんだ。すまないが明かりを消してくれ。』


 ストーンがそう言ったから、アシェルとエイムさんが、部屋の明かりを全部消しました。そしたら僕の持ってた石がポワッて紫色に光ったんだ。ん? あれ? ちょっと違う? 

 良く見たら紫色のお花が光ってたの。それでその紫の光りのおかげで、トンボさんが良く見えるようになって。今度は透明緑色のトンボさんが、濃い緑色のトンボさんに見えるようになったんだ。


「いろ、かわった!」


『そうだ。このトンボはこの花と一緒じゃないと、よく見えないんだ』


 前のお花や虫さんみたいに、このお花もトンボさんも、もうどこにも居なくて。でもストーンは昔、少しだけ見たことがあったんだて。

 明るい所だと見つけるのが難しかったトンボさん。森の中に居るとほとんど見つけられませんでした。透明の緑で、他の緑色と混ざっちゃって、見つけられなかったんだって。


 でも夜、この紫のお花の近くに居る時だけ、色が変わって良く見えるようになるの。どうしてかはストーン達にも分からないけど、夜、光ってるお花とトンボさん、とっても綺麗だったって。


 アシェルとエイムさんが明かりをつけます。トンボさんは元の透明の緑のトンボさんになって、また見えにくくなっちゃいました。


『部屋にでも飾れば、夜寝る時に光って見えるから綺麗だぞ』


「あいがとでしゅう!!」


 この石は枕の近くに置いてもらおう! 


「まったく、またとんでもない物を」


「相変わらず今では見られない、絶滅してしまったものばかりじゃな」


「ユーキの周りには、あまりよくない物が多いのう。ウイリアム、気を付けるんじゃぞ」


 お父さん達と王様じぃじが何かお話してました。


 次はアースのプレゼントです。アースのプレゼントは、何かが入ってる木の皮の袋2つでした。プレゼントの袋の中にまた袋? 何が入ってるのかなって、僕は木の皮の袋をまた開けました。


 中から出て来たのは、ふわふわの綿でした。キミルが遊ぶときに出してくれる綿よりも、ちょっと固い綿。キミルが寄って来て、綿を触ったり、そのまま綿を伸ばしてみたり。そしたらアースがまとめてるんだから伸ばすなって。すぐに袋を閉じちゃいました。


『キミル、この綿見たことないよ? 種の綿じゃない?』


『そうだ。これは木や花の種に付いてる綿じゃない。これは魔獣の毛だ。フーリーと言う名の魔獣の毛だぞ。奴の毛はとっても不思議で…』


「フーリーだって!?」


 アースがお話してる途中で、お父さんが大きな声で叫びました。お父さん、アースがお話してるのに煩くしちゃいけないんだよ。でも、驚いてるのはお父さんだけじゃなくて、お母さん達も王様じぃじ達もなの。アース達からプレゼントを貰うと、いつもお父さん達ビックリするよね。


「あの森にはフーリーが居るのか!?」


『いや、あの森には居ない。前に居た森に居るんだ。レシーナに連れて帰ってもらって、奴に毛を貰いに行って来たんだぞ』


「まさかフーリーが生きているなんて」


 エシェットが教えてくれました。フーリーはお馬さんみたいな魔獣で、でも毛がモコモコ。羊魔獣さんみたいなんだって。とっても珍しい魔獣さんです。


「最近見ていなかったが、そうか、お前の所には居るんだな。我が見たのは何年前だったか?」


「何年前!? 何年か前に会ったのか!? 我々の間ではすでに絶滅したと言われているんだぞ!」


『絶滅? まさか。人間が入って来れるような場所には居ないだけで、俺達が居た前の森には、フーリーの群れが住んでいるぞ』


「何て事じゃ。本来であれば国民、他の国に知らせなければいけない事じゃが」


「父上、これについては後程。知らせることによって問題が起こる場合もあります。ここは慎重に、後程アース達と話をしてから決めましょう」


 僕に分からないお話を始めた王様じぃじ達。ま、いいや。


『それで、この綿って何に使うの?』


 リュカがアースに聞きまました。

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