第495話アース達のプレゼント

 僕達がいっぱい遊んで、やっとご飯を食べ終わったアース達。早く遊ばないと寝る時間になっちゃうと思って、アース達に早くしてってみんなで呼びました。でもアース達はちょっと待てって言って、モグラさんを呼んで、お部屋から出て行っちゃいました。


 何で? 今日お泊りしてくれるんでしょう? どうしてお部屋から出て行くの? 僕ちょっと不安になっちゃいます。ディル達もどうしたのかなって。ドアの所を行ったり来たり。マシロがアース達はハロルド達の所に居るって教えてくれました。何で?


 僕はハロルド達の所に行こうとします。だって何してるか気になるもん。でもお母さんに止められちゃいました。すぐに戻って来るって。お母さんなんかニコニコしてます。ニコニコ? ニヤニヤ? 僕はのそのそベッドに戻ります。


 お母さんの言った通り、すぐにアース達は帰って来ました。急にドアが開いて、側に居たディルとシュプちゃんにドアがぶつかります。ビシャって。


「いてて、もう、急に開けるなよ!」


『ビシャってなったじゃん!!』


「ああ、すまんすまん。まさかすぐそこに居るとは。気配を確かめなかったんだ」


 ブツブツ文句を言いながら、僕達の所に戻って来るディル達。アース達はお部屋の中に入ると、変な歩き方しながら僕達の前に来て並びました。モグラさんはアースの頭の上に乗ってます。みんな手が後ろなの。何で後ろ?


「俺達からユーキにプレゼントだ!」


 ニヤニヤしながら、アース達がお手々を前に出します。アースとストーンのお手々には、大きなプレゼントの箱が。モグラさんのお手々の上には小さなプレゼントの箱に大きな可愛いリボンが付いてる箱が。


「ユーキ達はいつも、俺達にプレゼントをくれるからな。今度は俺達がプレゼントを渡そうって話になったんだ」


「俺達とモス達からのプレゼントだ。受け取ってくれ」


『チュッキィ!!』


「僕は初めてのプレゼントと言っているぞ」


 わわわ!? 僕達にプレゼント!! アース達が僕達にプレセントくれるって! 僕達はみんなでありがとうをしながら、1つずつプレゼントをもらっていきます。最初にアースが自分の分とモス達の分。次にストーン。最後にモグラさんが、アースから下りて来て、僕にプレゼントをくれます。


 僕は一気にみんなにプレゼントを貰って、前が見えなくなって、それにちょっとプレゼントが重くて、おっとっとってフラフラしちゃいます。危ないぞって言って、ジュードが僕のことを支えてくれて、セオドリオがプレゼントを持ってくれました。


「開けていい?」


「勿論だ!」


 セオドリオに1つずつプレゼントを貰って、順番に開けていくことにしました。最初はモス達のプレゼント。1番大きな箱で、ちょっと開けるの大変でした。中から出て来たのは大きな大きな魔力石でした。赤い色だから、火の魔法石。


 って、そう思ったんだけど。お父さん達がビックリしてて。これは魔力石じゃなくて、僕も小さいのは持ってるけど、魔力石になる前の魔力の塊だって。

僕は前に、お城の地下に落ちちゃった時に、小さいのを持って帰って来ました。僕が片方のお手々で持てるくらい、小さいやつ。でもこれは、僕のお顔よりも、ちょっと小さい塊。


「こんな物は見たことがないぞ。城に厳重に保管されている物でさえ、その半分の大きさにもならないのに。はぁ、またこれで…」


 お父さんのぶつぶつ、独り言が止まりません。アースはお父さんを知らん顔してお話始めました。


 これはモス達が、前に居た森で見つけたんだって。大きな大きな岩があって、誰がその岩を壊すか競争してた魔獣さん達。色々な魔獣さん達が挑戦したんだけど、少しもあの岩を壊せませんでした。


 最初アース、ストーン、モス達は、力が強いから、その競争には出ないで、見てるだけにしてたみたいです。だってアース達がやったら、すぐに壊れちゃうって、みんなが反対したから。


 でもたくさんの魔獣さん達が岩を攻撃したけど、結局誰も岩を壊せませんでした。それでモス達がアース達の代表で岩を壊すことに決まって。モス達は、昨日のキノコを採った時みたいに、思いっきり岩を攻撃しました。


 岩は半分に割れた後に、粉々に砕けて。でも粉々にならない部分がありました。それがこの大きな魔力の塊だったんだって。モス達もこんなに大きな物は見たことがなくて。最初みんなとってもビックリしてました。


 それでみんなでお話して、この魔力の塊はモス達が岩を壊して出て来たから、モス達のって決まったって。モス達は今までずっと、自分達のお家で大切にこの魔力の塊をしまってました。


「いつか誰かにプレゼントしようと考えていたらしい。自分が認めた者に。そうしたらユーキ達が俺達の友達になってくれただろう? 前回はまだユーキ達に会ったばかりだったからな。でも次回会ったときは渡そうと考えていたらしい」


「家にでも飾ってやってくれ」


「うん!! モス達にありがとでしゅ!!」


 僕はニコニコ。落とさないようにセオドリオに渡します。その間ずっとお父さんはブツブツ。どうする、何処にしまえば良いって。報告しないとダメかとか。僕お遊びのお部屋か。チョコミ達のお隣りに飾れば良いよ。チョコミ達の隣には、ピュイちゃんの卵も飾ってあるし。

 あっ、でも、台を少し大きくしてもらわないとダメかも。台の上ちょっとギュウギュウ。後でアシェルにお願いしようっと。

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