第398話妖精の王様が消えちゃう!! 僕守るもん!!
「ディル、ピュイちゃん元気にならないでしゅ」
マシロとルトブルがアブラムと戦ってくれる間、ずっとディルがピュイちゃんのこと元気になるように、魔法使っててくれました。
それでピュイちゃん、苦しそうに息はぁはぁしてたのと、お顔の色が悪いのは治ったの。それにお目々を開けてくれて、少しは僕達のこと見てくれるんだけど、それ以上元気になりません。いつも元気いっぱいのピュイちゃんに戻らないんだ。
「何でだろ、オレかなり魔力使ってるのに」
「もしかしてピュイ、魔力使い過ぎて、今のディルだとすぐには元気にならないのかも。ユーキ、さっき魔力使ったみたいに、また1人で魔力溜められる?」
リュカがね、僕がディルに魔力流してディルの力強くしたら、ピュイちゃん元気になるかもって。でも元気にならないかもしれないって。どっち?
マシロやルトブル、それからエシェットならどうしてピュイちゃん元気にならないか分かるかもしれないけど、今マシロ達は戦ってるし、エシェットは今ここに居ないから誰にもお話聞けません。
良し!! 僕頑張って魔力溜めるよ!
さっきみたいに魔力さんにお願いして、魔力を溜めようとします。でも今度は全然魔力が溜められなくて、どうして僕の魔力さんは僕のお願いだと、魔力溜めてくれないのかな? 前に海に居た時と、さっきだけ魔力溜めてくれたけど、いつも魔力溜めてくれたらいいのに。僕練習ダメダメなのかな?
僕がそう言ったらお母さんが、
「ユーキちゃん、お母さんもお父さんも、それにアンソニーやジョシュアも、アシェル達だって、最初はユーキちゃんと同じだったのよ」
みんな最初、魔力溜められなくて、とっても大変だったんだって。お母さん達とっても強いのに?
「そうよ。ユーキちゃんはいつもマシロ達にお手伝いしてもらってるけど、ちゃんと魔力溜められるでしょう。お母さんなんてユーキちゃんよりももっともっと、魔力が溜められなかったわ」
お母さんだけじゃなくてみんなそうなんだって。お兄ちゃん達は学校に行って、いつも先生に怒られてたんだって。
「ユーキちゃんはまだ小さいのよ。できなくて当たり前なの。魔力さんもユーキちゃんの体が心配だから、1人の時はあんまり魔力を貸してくれないのよ。だからそんなにしゅんとしないで。できる時にやれば良いのよ」
「そうだぞユーキ、オレもう少し頑張ってみるぞ」
「うん、ボクもごめんね。ユーキさっきたくさん魔力使ったもんね」
ディルがもう1回光り始めました。今までで1番強い緑色の光です。
僕はその間にマシロ達の方を見ます。マシロもルトブルもとっても速く動くから、時々見えなくなっちゃって、マシロ達やっぱり凄いです。
でもね、アブラムもマシロ達みたいに速く動いて、マシロ達に攻撃するの。前のアブラムあんなに速く動いてた?
うん、僕魔力溜められないけど、マシロとルトブルとディルのことたくさん応援しよう。応援なら僕できるもんね。
僕がすくって立ったら、リュカ達が僕のお隣りに並びます。みんな僕が応援するって分かったんだって。
「ディルがんばれでしゅ!! マシロ、ルトブル、がんばるでしゅ!!」
『がんばれ!!』
「頑張らないと、後で僕達が突撃しちゃうよ!!」
頑張れ!! 頑張れ!! 僕達はいっぱい応援しました。
応援して少ししたとき、急にアブラムがマシロ達から離れました。マシロ達は少し離れてアブラムのことを睨んでます。
「大丈夫なのか?」
マシロ誰とお話してるの? マシロはアブラムの方を向いたまんまなのに、誰かとお話してます。ルトブルじゃないの。それからアブラムがとっても怒ってるお顔してます。
「ああ、心配するな」
「良いのか?」
「ああ。私は十分幸せだった。幸せを与えてくれたこの国を、そして最後に出会えたとても素晴らしい輝きを秘めているユーキのために、この力を」
あっ、妖精の王様のお声だ!! 王様どこに居るの?
僕は王様が倒れてた所を見ます。でもそこには王様はいなくて。キョロキョロ、いろんな所探しちゃいました。それでやっと見つけたの。
妖精の王様は、アブラムが出てきた変な模様の所に立ってました。それで僕が見つけてすぐ、王様が変な模様を壊したんだ。それから雷さんともじゃもじゃさんが立ってた所の模様も壊して。
あれ、何か変? じぃ~って妖精の王様のこと見ます。あっちに行ったり、そっちに行ったりする王様、アブラムが王様の方に行こうとして、マシロ達がそれを止めます。妖精の王様動かないで、どこが変なのか見つけるから。もしかしたらとってもダメダメなお怪我してるかも。
大丈夫だよ、ルトブル達が来てくれたんだもん。エシェット達もすぐ来てくれるよ。だからあんまり動かないで。
「よしこの空間にあの陣はあの3つ以外ない。これで少しはお前達も有利に戦えるはずだ。私は他の陣を壊しに…」
王様がちょっとフラッとしました。マシロ達が妖精の王様から離れるように、アブラムをどんどん遠くにしていきます。でもアブラムがまた、さっきみたいに速く動いて、妖精の王様を攻撃しました。すぐに避ける妖精の王様。アブラムに攻撃して、アブラムが遠くに吹き飛ばされました。
「この男のことは頼む。私は他の陣を消してくる。すぐに戻って来るからそれまで頼むぞ!!」
妖精の王様が消えました。
妖精の王様が消えて少しして、偽物玄関ホールの壁が、ボロボロになって来て、パリンって割れたの。とっても明るい玄関ホールになって、モリオンが変な闇の力が少しだけなくなったって。他にもまだまだあるけど、さっきよりも全然良いよって。
僕達が今いる所、本物の玄関ホールみたいです。
どさあぁぁぁっ!!
僕達が喜んでたら、僕達の後ろで変な何かが落ちる音がして、すぐに僕達は振り向きます。振り向いたら妖精の王様が、前の時みたいにボロボロで倒れてました。
慌てて僕が近づこうとしたら、しゅって王様が立ったの。ぼろぼろのお体なのに、さっきみたいに苦しそうじゃありません。
「よし、私も一緒に戦うぞ!」
そう言って、妖精の王様が僕の所に来ます。それで僕の頭をなでなでしてくれました。
「ユーキ、私の所へ、私の国を、私の子供達を助けに来てくれてありがとう」
ニコッて笑う王様。今までで1番ニコッてしました。それからすぐに怖いお顔になります。アブラムがマシロ達から離れて、僕達の方に攻撃してきたんだ。妖精の王様がそれを止めてくれます。それから大きな光りの玉を投げて、僕達を守りながら戦ってくれる王様。
僕その時気が付きました。それで妖精の王様の方に走り始めます。お母さんが僕のこと呼ぶお声が聞こえて、マシロ達もお声も聞こえて、妖精の王様がビックリしたお顔して僕の方を振り向きました。
ダメ! 絶対にダメ! それ以上攻撃しちゃダメダメ!!
僕は妖精の王様に抱きつきます。そのせいでアブラムの攻撃が僕達の方に。でも僕は妖精の王様にくっ付いたまま、僕絶対に離さないよ。マシロ、ルトブル、お願い! 妖精の王様を一緒に守って!
妖精の王様が抱きつく僕のことを抱きしめます。そうだ!! 魔力さんお願い! お願いします! 妖精の王様に僕の魔力あげて! 妖精の王様消えちゃうの!!
さっきね、妖精の王様がアブラムに攻撃したとき僕気づいたんだ。妖精の王様の足なかったの。フワッて浮いてるみたいだったんだ。それでね僕、ダメダメだと思ったの。妖精の王様が消えちゃうって、何か分かんないけどそう思ったの。
妖精の王様消えるのダメダメだもん。妖精さん達も僕達もみんな、妖精の王様が消えちゃったら嫌だもん。泣いちゃうもん!!
ボロボロがさっきみたいに直らないから、魔力が足りないんでしょう? ピュイちゃんは絶対ディルが治してくれるよ。だから魔力さんお願いします。妖精の王様守って!! 僕の魔力で守って!!
「主!!」
「ユーキちゃん!!」
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