第396話お星さまの光
「ぎゃあ、何だこの光は!?」
「またか!! あの鳥が生きているのか!?」
「ぎゃあぁぁぁっ!!」
「今度は何だ!?」
何か周りが煩いです。それに僕転んで擦りむいたところ以外痛くありません。もじゃもじゃさん、剣で僕のこと斬ろうとしてたよね? もう切ったけど痛くなかったのかな?
僕はそっとお目々を開けました。そしたら。
僕が妖精の王様に貰ったお星さまの石がピカァッて光ってます。それからリュカやシルフィーにルルちゃんのお星さまも光ってるの。
その時また誰かの悲鳴が聞こえました。振り返ったら、マシロが雷さんのことやっつけてたの。
「ユーキ!! ピュイが結界消してくれたんだよ! マシロのこと手伝おう! このお星さま、妖精の王様の力が入ってるでしょう、ユーキの魔力も入れたらもっと光って、みんなが周りが見えなくなって、でもマシロは気配で分かるから、きっとアブラム達倒しちゃうよ!」
「でもぼく、まりょくためられないでしゅ」
僕はお目々覚まさないピュイちゃんをぎゅって抱きしめながら、リュカ達と考えます。考えてたらアブラムが慌てて僕達の方に来ようとしました。マシロは今もじゃもじゃさんと戦ってます。
アブラムとっても怒ってるお顔してて、僕また走り始めました。でもすぐに追いつかれちゃったよ。それで僕のお洋服掴んで、ニヤッて笑いました。
「主!!」
「ユーキ!!」
マシロは結界のなくなったもじゃもじゃさんに、今攻撃してて僕の所に来られなくて、お兄ちゃんは腕を押さえてフラフラです。
「捕まえたぞ」
僕は足をバタバタ、ピュイちゃんを落とさないように、ピュイちゃんを抱っこしてない方のお手々で、アブラムのこと叩いて、離れようとします。リュカ達もバシバシアブラムのこと叩いたり蹴ったりしてくれて。
「ええい、煩いぞ!! もうこのガキは俺の物だ。お前達も俺の物になるんだぞ!!」
アブラムが赤い変な石を僕に近づけます。赤い結界はなくなったけど、まだ赤い変な石光ってたの。リュカ達が一生懸命石をアブラムから取ろうとします。
ダメだよ! 僕みんな守るって言ったもん。絶対に守るんだもん!!
魔力さんお願いします。僕に魔力貸してください! またたくさん練習するから。じぃじのお家に遊びに行ってた時みたいに、また1人で魔力溜められなくて、マシロ達にお手伝いしてもらうかもしれないけど。いっぱいいっぱい練習するから、今魔力貸してください!! お願いします!!
魔力さんにお願いしますしてすぐでした。マシロ達にお手伝いしてもらってる時みたいに、お胸がとってもあったかくなりました。魔力さんが魔力かしてくれたみたい。僕はすぐにお星さま握って魔力を流します。
お星さまが本物のお星さまみたいにキラキラ、ポワぁ。白く光り始めて、それからピカアァァァッ!! お目々を開けていられないくらいに光って。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ」
アブラムの叫び声が聞こえて、僕は落とされお尻地面にぶつけちゃいます。痛い!! でもお目々開けられないし。リュカ達ちゃんと居る? リュカ達のお名前呼びます。みんなお返事して!!
すぐにお返事してくれました。みんないつの間にか僕のお帽子に入ってたみたい。良かった。それから僕はお手々を触って、ちゃんとピュイちゃんを握ってるか確認。ピュイちゃんのふわふわ、もこもこのお毛々を触って、ピュイちゃんのことを確認しました。
ふぅ、ちゃんとピュイちゃん握ってた。良かった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
今度はもじゃもじゃさんの叫び声が聞こえました。きっとマシロが倒してくれたんだ。周りが明るすぎてお目々開けられないから分かんないけど、絶対そうだよ!
アブラムのお声もあっちに行ったり、そっちに行ったり、僕達のこと探してるけど明るくて分かんないみたい。でもだんだんと僕達の方に近づいて来たんだ。
「させるか!!」
すぐ近くてマシロのお声が聞こえました。バシッ!! バァンッ!!
「くっ!」
アブラム見えてないのにマシロと戦ってるの? マシロ頑張れ!! みんなで応援します。応援してたら、いきなり誰かが僕のことを抱っこしました。ビックリして僕慌てて暴れます。でも…。
「ユーキ良く頑張った」
あっ!!
「遅いよ!!」
「うん、遅い」
『みんな来た!!』
ルトブルのお声でした。僕のこと抱っこしたのルトブルみたい。ルトブルは僕のことぎゅってしたあと、誰かに僕のこと渡して、マシロのお手伝いしに行くって、ジャンプしたの感じました。ルトブル頑張って!!
僕はルトブル応援してから、ルトブルが僕を渡した人に抱きつきます。僕すぐに誰だか分かったよ。絶対間違えないもん。お母さんの匂い。それにお母さんの優しい抱っこ。
「かあしゃん!!」
「ユーキちゃん遅くなってごめんなさいね。でも無事で良かったわ」
お母さんが僕のことぎゅって抱きしめてくれます。そのうちだんだんと周りの明るいのが消え始めて、僕はお目々開けました。目の前にお母さんのお顔。僕はもう1回お母さんにぎゅってします。
「かあしゃん、ぼくがんばっちゃ!!」
「ええ、そうねとっても頑張ったわね」
「ユーキ!! 何でピュイぐったりしてるんだ!?」
お母さんの後ろからディル達がお顔出しました。ディル!! 僕はすぐにディルにお願いします。ピュイちゃんお元気にして、お兄ちゃんのお怪我治してって。お母さんに下に下ろしてもらって、両方のお手々の上にピュイちゃんをそっと乗っけます。ディルがすぐに魔法使ってくれました。
「ジョシュア、大丈夫!! 今動くのは危ないわ! もう少しそこに居て!」
「母さんは無事?」
「ええ、大丈夫よ!」
今マシロとルトブルがアブラムと戦ってて、風がびゅうびゅう、土がザァザァ、今動いたら危ないの。
僕はマシロ達の方をチラッと見ます。アブラムは赤い結界がないのに、マシロ達と戦ってるんだよ。それから向こうの方にもじゃもじゃさん達が倒れてます。あれ? 妖精の王様は?
妖精の王様を探そうとしたら、ディルがあっ!って。僕すぐにピュイちゃんを見ます。僕のお手々の上、ピュイちゃんがもぞって動いて、お目々をそっと開けました。でもぼぅ~ってしてるの。
みんなでピュイちゃんのお名前呼びます。ピュイちゃんもう大丈夫だよ。ディルが元気にしてくれてるよ。
ディルがもうちょっとって言って、緑色の光りが強くなりました。ピュイちゃんのふさふさモフモフのお毛々が、もっといつもの綺麗なお毛々に治って、くちばしのお怪我が治ります。
でもお体はいつものピュイちゃんに戻ったんだけど、ピュイちゃんボケっとしたまんまです。
「たくさん力使いすぎたんだぞ。治るまで時間がかかるんだぞ」
「ディル、ピュイちゃんなおるでしゅか? おげんきになるでしゅか? ピュイちゃんおげんきにちて」
「まかせろ! 絶対オレが元気にしてやるぞ!」
ピュイちゃん! もう少しだからね、絶対ディルが元気にしてくれるからね!
*********
「ふっ、我よりルトブル達の方が早かったか」
「間に合ったのか?」
「ああ。ルトブルが今マシロと一緒に戦っている」
「そうか良かった」
「我々もすぐに行くぞ。もう少しでここから出られる」
あと数回攻撃すれば壁が破壊できるだろう。奴め、我らのいる空間を、1番強力な空間にしたようだ。まったく面倒なことを。だがルトブルが間に合って良かった。ピュイが心配だが、ディルが何とかできれば。
後は…。
問題は彼奴の方か。早くしなければ間に合わなくなる可能性がある。まだ誰も気づいていないようだが。助けられるのはユーキだけだ。
壁に今までで1番大きな穴が空いた。良し、あと1発だな。我は最後の攻撃を壁に向って放つ。待っていろアブラム。マシロとルトブルは結界の消えたお前にも苦戦しているようだが、我が駆け付けた時がお前の最後だ。
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