第348話雪だるまさんとアシェル

「とうしゃん! かあしゃん! にいしゃん! みちぇ!!」


 お話してたお父さん達が僕達の方見ます。それでお父さんはお茶を飲んでたんだけど、ブッ!! って、お口からお茶出しちゃいました。それからお口を拭きながら、とっても驚いたお顔してます。


 お母さんは最初ビックリしたお顔してたけど、今はニコニコです。アメリアとアシェルも。他のみんなはお父さんと一緒、ビックリなお顔のまんま。みんな凄いでしょう? 僕達雪だるまさんだよ。


「ゆきだるましゃんでしゅう! えと、このまえちゅっくった、ゆきだるまさんもいっちょ!!」


「ぶっ!! わははははははっ!!」


 僕がそう言ったら、ハロルドとタイドスとオクタビオが、大きなお声で笑い始めました。王様じぃじもザクスさんもです。じぃじとばぁば達は困ったお顔で、サルバドールさんは王様じぃじのこと、ちょっと笑いながら怒ってます。

 ん? 何で笑うの? 可愛いでしょう?


「何だそれ! 何してるんだユーキ! わはははははっ!」


「ちょっ、本当に、くくくくくっ!」


「確かに雪だるまだけど、ずいぶん独特な雪だるまだね。ちょっと太った雪だるま? ふふふふっ!」


 それ聞いてお兄ちゃん達も凄く笑い始めました。

 え~、ちゃんと雪だるまでしょう? 鏡がないからちゃんとは分からないけど、でもディル達も完璧って言ったもん。

 もう! 笑うのダメダメ。そうだ! この頃わたぼこ攻撃とかゆき攻撃とかしてなかったよね。


 僕はエシェットの方見て、それからキミルの方見て、笑ってるハロルド達に攻撃してって言いました。言おうとしたんだけど、お母さんが急いで僕の所にきて、しぃ~ってして、王様じぃじは攻撃しちゃダメって。

 何で? 王様じぃじもいっぱい笑ってる。僕達一生懸命雪だるまさんになったのに。お顔とか、ちゃんとみんなでお話し合いしながらなったんだよ。


「陛下だけはダメ。いつかユーキちゃんも分かるわ。ね。陛下の代わりにお父さんに攻撃して良いから」


「………何故私なんだ、しかし陛下に攻撃されるわけにはいかん」


 ハロルド達とお兄ちゃん達が逃げようとしました。僕は急いでエシェット達にお願いします。


「エシェット、キミル! ゆきわたぼここうげきでしゅう!!」


 2人の魔法が、僕の右と左からブワァッ! ってハロルド達の方に飛んでいって、でも途中で魔法が一緒になって、ふわふわもこもこがハロルド達のお顔にくっつきました。


「うわっ! 何だこれ! ぺっぺっ! 冷たいのと口の中にワタが!」


 キミルが僕のお隣に来て、エシェットと合体攻撃だよって言いました。今まではどっちかだけだったけど、今日は両方とも。ハロルド達が急いで魔法でお湯出して、お顔の雪を溶かし始めます。

 そしたらエシェットがもう少し固めるかって言って、また攻撃しました。


「ギャアァァァァァっ!」


 ハロルド達がお家の中に入っていきます。お父さんは最後にお家に入りました。エシェットが雪を少し凍らせたから、いつもより溶けるの時間がかかるって。僕達の雪だるま笑ったからだもんね!


 ばぁば達が僕達の所にきて、可愛い雪だるまねって。えへへへ。どこが煙くっつけるの難しかったとかお話します。

 

 お話してたらアシェルが、パスミル持って近づいてきて、少しの間僕達に動いちゃダメって言いました。それからまたさっきみたいに並んでって。何だろう?

 僕達また1列に並びます。


「そのままですよ。すぐに終わりますから」


 アシェルはお手々に何本もパスミル持って、大きな画用紙に何か書いていきます。僕待ってる間にお顔が痒くなっちゃって、掻こうと思ったらダメって言われちゃって、お母さんに代わりに掻いてもらいました。

 アシェルまだ? 僕雪だるまさんで動きたい。


「よし、これで良いでしょう」


 アシェルがパスミルをしまって、もう動いて良いって。ふぃ~。

 アシェルが近づいてきて、画用紙を僕にくれます。アシェル何描いてたのかな? 


「ふわわ! ぼくとマシロとみんなでしゅ! ゆきだるましゃんも!」


 アシェルが書いてくれたのは僕達でした。僕とマシロとディル達と、それから雪だるまさんに全部描いてあって、みんなそっくり本物みたいです。

 

「凄いなぁ!」


「ボク達そっくり!」


「僕ユーキの隣」


「キミルもちゃんと描いてある! モリオンもそっくりだね」


「うん! 本当だね」


『僕達もちゃんといるよ!』


『ピュイちゃんなのぉ!!』


『僕達は本物の雪だるまみたいだね』


『ぷゆゆゆん!!』


「お誕生日のプレゼントはもうお贈りしましたが、そちらもどうぞ。せっかくの記念ですから、旦那様がお戻りになられましたら、もう1度ご家族で描かれますか?」


 お父さん達も一緒に描いてくれるって。 僕達ありがとうしてからお願いしますします。

 

 はやくお父さん達戻ってこないかな? 笑うから凍っちゃってはやく戻ってこれないんだよ、もう!

 僕達は煙が少し消えてきちゃったから、新しく煙出して消えちゃった所につけて、お父さん達を待ちます。

 

 やっとお父さん達が戻ってきて、お母さんがアシェルの絵のお話してくれます。


「そうか。じゃあ頼む。さぁ、ハロルドも並べ」


 僕達の後ろにお兄ちゃん達が並んで、僕の後ろはお父さんとお母さん。お母さんがさっきよりもいっぱい動いちゃいけないけど我慢って。

 そっか動いちゃいけないんだよね。お顔痒くなっちゃったらどうしようかな?


 お話してたらアシェルが、今度は時間かかるから、ちょっとだったら動いても良いって。ふぅ、良かったぁ。

 お絵かきしてもらったら、みんなで雪だるまさんのまま、いろんなところ歩こうね。


 お絵かきの前にエシェットが本物の雪だるまさんを、もう少し冷やしてくれました。溶けちゃったらダメダメです。


「では始めます」


 アシェルがさっきよりもいっぱいパスミルを持って、さささって描いていきます。さっきはお手々が見えてたのに、今度はお手々が見えません。攻撃の時とおんなじ。お手々を速く動かしてるから、僕見えないの。

 アシェルの後ろで王様じぃじ達が、アシェルの描いてるところ見て、うんうん頷いてます。


 まだかなぁ、まだかなぁ。早くみたいなぁ。

 さっきよりもいっぱい待って、でも僕ちゃんと動かなかったよ。


 アシェルがパスミルをしまいます。それから僕を見てにっこり笑って、それから僕達の所に絵を持ってきてくれました。


「ふわわ、ふわわわわ!!」


 お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもじぃじとばぁば達もハロルドも、みんなさっきみたいにそっくり。それからみんなニコニコです。

 僕みんながニコニコが1番大好き。嬉しいなぁ、嬉しいなぁ。


 お父さん達もアシェルのこと褒めて、それからありがとうしました。僕達ももう1回ありがとうです。

 

 そしたらアシェルがどこかに行っちゃいました。戻ってきた時お手々にガラスの板持ってて、それを僕達の所に置いたら、今度はお庭の小屋の中に入れ、木の板を持ってきて、その板をアシェルが叩いたら、半分に割れちゃいました。

 それを何回もやってから、僕が持ってた2枚の絵を貸して下さいって。


 僕が絵を渡したら、絵の上にガラスを置いて、反対にもガラスをつけて、周りを割った木の枝で、囲っちゃいました。それからシュプちゃんに、ネバネバの水を出してもらって。


「できましたよ。これでお部屋に飾れます。お屋敷に戻りましたら、ユーキ様のお部屋に飾れます」


「ふわわわ! ありがとでしゅう!」


 全部アシェルが1人で作っちゃったんだよ。絵も描いてくれて、入れ物も作ってくれて、僕とっても嬉しいです! お家に帰るまで汚さないように、すぐにくろにゃんにしまってもらいました。


 それから雪だるまさんのままお庭歩きます。使用人さん達やメイドさん達が僕達のいる場所に来ると、みんなとっても驚いて、でもやっぱりニコニコになって、僕もう1回お父さん達の方見ました。


 みんなニコニコです。お父さん達もマシロ達もディル達も、僕も。みんなニコニコ。僕、これからずっとみんなニコニコが良いなぁ。だってニコニコが1番大好きだもん。あの悪い人達みたいに、変な笑い方とか、睨んでるお顔とか、そういうのはダメダメ。


「マシロ」


「どうした主」


「ぼく、ニコニコしゅきでしゅ。み~んなしゅきでしゅ!」


「ああ、そうだな。我も主が好きなものはみな好きだぞ」


「我らもだ」


「ボク達も!」

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