第345話今日は僕の誕生日1
たくさん音がしたから僕ビックリして、お目々瞑っちゃいました。お母さんが大丈夫よって。だからそっとお目々開けます。
たくさんお花が飾ってあって、それからお父さん達がみんな並んでて、可愛い箱がたくさん置いてあります。それから、お父さん達の後ろには大きなテーブルがあって、たくさん料理が置いてあるのが見えました。
全部がとってもキラキラしてて、フワフワってお花が飛んでて、とっても綺麗です。
それにお父さん達だけじゃありませんでした。お母さんのじぃじとばぁば、王様じぃじもサルバドールさんもシャーナも、それからオリバーさん達でしょう、ザクスさんもいます。ザクスさんのお兄ちゃんと、ギャレットじぃじもいるんだよ。
みんなどうしてここにいるの? 僕全然気づかなかったよ。みんなお仕事で来たのかな? きっとくろにゃんが、お仕事忙しいからって、みんな連れてきてくれたんだね。それでお仕事が終わったから、みんなでこれからここでご飯?
ちゃんとご挨拶しないとダメダメです。
「えと、こんにちわでしゅ。かあしゃん、きれいでしゅね。きょうはおそとでごはん?」
「ふふふ。そうよ特別なご飯よ」
お母さんがそう言って、お父さんの方に歩いて行っちゃいました。僕も行こうとしたらお母さんが待ってって。よく見たらお父さん達みんな魔力石持ってます。光の魔力石と火の魔力石です。
ディル達はみんなお手々にいっぱい花びら持ってて、マシロとくろにゃんは花びらが入ってるカゴ持ってます。ピュイちゃんもクチバシでお花持ってるんだよ。
「ユーキちゃんさっきお目々瞑っちゃったものね。もう1度よ。良く見ていてね」
みんながお手々を前に出して、
「ユーキちゃん、お誕生日おめでとう!!」
「「「ユーキお誕生日おめでとう!!」」」
『『『おめでとう!!』』』
『おめでとうなのぉ!!』
みんながそう言って、光りの魔法をキラキラさせたり、火の魔法でパンッパンッ! って音鳴らしたり、ディル達が僕の周りに花びらヒラヒラしてくれます。マシロはヒョイってジャンプしてカゴの中の花びらを僕の上から降らして、エシェット達はシャボン玉みたいのフワフワさせました。
お誕生日? 誰の? お母さん達今僕のお誕生日おめでとうって言ったの? 今日は僕のお誕生日?
「あら? ユーキちゃんどうしたの?」
僕がお話しなかったら、お母さんがちょっと心配なお顔して、僕の所に戻ってきてくれました。
僕ねお誕生日初めてなの。僕前にお誕生日ないって言われました。だから僕はお誕生日ないってずっと思ってたんだ。本当に僕のお誕生日? 間違いじゃない? 前のお母さんお誕生日の事お話すると怒りました。
お母さんにそうお話したら、お母さん悲しそうなお顔しました。でもすぐにニコニコに戻ります。お父さん達の方見たら、みんなもおんなじです。
それでみんなでみんなのお顔見て、すぐにニコニコになりました。お父さんが僕の方に歩いてきて、僕の頭なでなでしながらしゃがみます。
「今日は特別な日なんだぞ。ユーキがお父さんとお母さんとお兄ちゃん達と、みんなが家族になった日なんだ」
今日は僕が僕のお家にきて、みんなで家族になった日なんだって。えと、初めましてしてから、季節がちょうど1回ずつ終わったんだって。
「お父さん達はユーキの本当の誕生日を知らない。ユーキも自分の誕生日知らなさそうだったから、お父さん達が家族になった日を、ユーキの誕生日に決めたんだ。だからと今日はユーキの誕生日なんだぞ」
「たんじょびおめでと、ぼくいい? やったぁ! ちていい?」
「ああ、今日はユーキの誕生日おめでとうだ。やったぁ! して良いんだぞ。というかしてくれ。お父さん達はユーキがやったぁ! してるところが見たいんだ」
僕のお誕生日。初めてのお誕生日…。
「おたんじょびでしゅう!! やったぁ! でしゅう!!」
僕いっぱいジャンプです。僕がジャンプしたら、みんながまた魔法使ったり、お花ヒラヒラしてくれます。
それからみんなの周り走って、テーブルの上の美味しそうなお料理をジャンプして見て、真ん中に大きな大きなケーキを発見!
次は可愛い箱がたくさん置いてある所。これみんなから僕におめでとうのプレゼントだって。
ふおお、ふおおおおおお!! 凄い凄い!!
ジャンプしてたら、お母さんが僕の所に来て、みんなにご挨拶しましょうって言いました。何て言うかお母さんが教えてくれます。僕はそれ真似して、ピシッって立ってご挨拶!!
「えと、ユーキでしゅ! 3しゃいになりまちた! おたんじょび、ありがとでしゅう!!」
みんながワアァァァって、いっぱい拍手してくれました。えへへへ、僕3歳。僕お誕生日。ん? 3歳?
「かあしゃん、ぼく3しゃい?」
「ええ、そうよ。今日からユーキちゃんは2歳から3歳になったの。1つお兄ちゃんになったのよ」
おお!! 僕お兄ちゃん。何か嬉しいねぇ。
もう1回みんなが僕におめでとう言ってくれます。それが終わったら今度はみんなが僕に用意してくれたプレゼント貰って、またまたありがとうです。
王様じぃじもオリバーさんも、みんなみんないろいろなプレゼントくれました。僕の周りはおもちゃとかお洋服とか、ぬいぐるみでいっぱい。僕嬉しくてニコニコです。
みんなにプレゼント貰って、今度はディル達がプレゼントくれるって。みんながどっかに飛んでいきます。これから持ってきてくれるんだって。その間にエシェットがプレゼントです。
「我からはこれだ。ひと口食べれば怪我も病気も一瞬で治る精霊の涙だ。もし何かあった時、ユーキの側にディルがいなかったら大変だからな。うさぎのカバンに入れて持っておくと良い」
エシェットが僕のお手々の上に小さな小さな瓶を置きます。瓶の中にはキラキラ光るお水が入ってました。
じぃじのお家に来る時、近くの森に遊びに来てた、ディルみたいに怪我とか病気とか、それから悲しい時とかとか怒ってる時とか、そういう時に元気にしてくれる、癒しの精霊っていう精霊さんがいたんだって。
エシェットはいつのまにかお出かけしてて、その精霊さんにこのお水を出して貰って、瓶に入れて貰ってきてくれたの。
「おい、それは!?」
お父さんが何か言おうとして、エシェットがくるって振り返ったら、お父さん何も言いませんでした。お父さんどうしたのかな?
僕は今うさぎさんのカバンを持ってきてないから、お母さんが瓶を割らないように持っててくれるって、お母さんがいつも持ってる小さいカバンにしまってくれました。エシェットありがとう!!
次はジュード達です。ジュード達はとっても可愛いうさぎさんとかクマさんがいっぱい描いてある、折り紙がたくさん入ってる袋くれました。アシェルと一緒に選んでくれたんだって。こんなに可愛い折り紙がたくさん。
ありがとうジュードとセオドリオ! 後で折り紙してジュード達にそれあげるね。
ジュード達の次はルトブルです。ルトブルはちょっと待ってろって言って、ぴょんってジャンプして、すぐに戻ってきました。大きな何か抱えてます。
「これはベヒモスという魔獣だ。とても美味しいんだ。この前エシェットが隠し持っていた肉を見つけてな。それがとっても美味しかったのだ」
エシェットが隠してた? エシェット、僕達に隠してたの? 後でみんなでお話聞かなくちゃ。隠すのはダメダメなんだよ!
マシロとルトブルが僕のプレゼント探してくれてた時、ちょうどこの美味しいベヒモスがいて、捕まえてくれたんだって。
ベヒモスとっても大きいんだよ。馬車よりも大きいの。これ全部食べるの大変だよ、またくろにゃんにしまってもらおう。ルトブルありがとう!
「ほら受け取れ」
ルトブルにありがとう言ってたら、くろにゃんが途中で僕とルトブルの間に入ってきました。それで僕の方に可愛い袋投げてきました。開けたら中にはいろいろなアメが入ってて、1つお口に入れたら、甘くて美味しくて、でもサァーってすぐに溶けてお口の中から無くなっちゃうアメです。
「おいち!!」
「そうか」
こんなに美味しいアメ、どこで買ったのかな? きっとディル達も食べたいって言うから、後でどこのお店で買ったか聞いてみよう。
「くろにゃん、ありがとでしゅう!」
「ふん。誕生日とやらだからな」
あっ、くろにゃんしっぽぶんぶんだ。くろにゃん嬉しいって事だよね。僕もとっても嬉しいよ!
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