第336話さようならと、ありがとうのプレゼント

 キノコたくさん採って、他にもたくさん冒険して、アース達とたくさん遊んで、今日は最後の冒険の日です。4日後に僕達お家に帰ります。

 今日冒険に行って、次の日お城に帰って、それから2日お城にお泊りして、そうしたらお家に帰るの。

 だから今日は依頼書は1つだけ。それが終わったら、たくさんアースとストーンと遊ぶんだよ。


 今日の依頼書のお願いは、いっぱいお花だって。お泊まりしてるお宿のおばさんからのお願い。みんなで、さささってお花集めて、たくさんのお花をマシロのカバンに入れちゃうと、しぼぼぼってなっちゃうから、くろにゃんの影の中にしまってもらいました。


 早くアースの所に行かなくちゃ。今日はね夕方ちょっと前に森から出てお宿に戻るの。いつもは次の日に子供冒険者ギルドに、依頼書お願いの物持って行くけど、今日は森から出たらすぐに持って行くんだよ。明日お昼前にお城に帰っちゃうから時間がないんだって。


「アース!!」


「おう、ユーキ来たな。よし俺の背中に乗れ、移動するぞ!」


 アースの背中にディル達と乗って、今度は洞窟に行きます。ストーンが作ってくれた特別な洞窟のお部屋でみんなで遊ぶんだよ。

 アースがすい~って飛んでいきます。お父さん達が速いからもう少しゆっくり飛べって。お父さん達もマシロやくろにゃん、ドラゴンエシェットに乗ってくれば良いんだよ。乗らないなら、遊ぶ時間が少なくなっちゃうから走って!


 アースが飛んでくれて、お父さん達が早歩きしてくれたから、洞窟にすぐにつきました。洞窟の奥に行く時、この前会ったモグラさん魔獣にあったから、一緒にストーンの所に行くことにいました。モグラさん魔獣も一緒に遊びたいって。


 どんどん奥に進んで1番奥の広い所につきました。もうストーンが待っててくれて、すぐにストーンが魔法でトンネルを開けてくれます。

 そういえば今日はね、アースもストーンもなんかニヤニヤしてるの。どうしたのかな?


 お部屋の中に入って僕びっくりです。アースとストーンのお顔見ます。


「今日で1度ユーキ達は帰ると言っていたからな」


「だからレシーナに頼んで、連れてきてもらったんだ。ユーキも遊びたかったろ」


「うん!」


 僕はアースの背中から降りて駆け寄ります。


「モス、タス、クス!!」


 お部屋の中にレシーナ達とモスとタスとクスがいました。


「ユーキ久しぶりだな!」


「元気だったぁ?」


「冒険楽しんだか?」


 モス達ずっとレシーナがお仕置きしてたから、全然遊べなかったの。でもモス達があの闇の石持ってきたから、お仕置きは…うんしょうがない。でも今日遊びに来てくれてとっても嬉しいです。


 モス達の背中に乗せてもらったり、クスのツノ触らせてもらったり、タスが面白いって言った絵本読んでもらったり。タス凄いんだよ。文字が読めるんだ。僕はぜんぜん読めない…。


 それからもたくさん遊んで、もう帰る時間です。もっと遊びたかったなぁ。

 僕達が帰る用意して、お部屋の入り口に立った時でした。モス達がレシーナの魔法の中に体を半分だけ入れて何かしてます。それでお顔出したモス達。袋を1つずつ咥えてました。気付いたらアースとストーンも袋を持ってます。クスが最初に僕に袋くれました。


「ユーキに僕達からプレゼント。最初は僕。この森にはない、綺麗な石を集めたんだよ。僕達と遊んでくれてありがとう」


「次は私だ。私は私の集めた本の中から、面白かった絵本をプレゼントだ」


「次は俺だぞ。俺は俺が倒した魔獣の骨の化石だ! なかなかの獲物だったんだぞ」


「ふわわ! ありがと!!」


 モス達にありがどう言って、次はアースとストーンです。


「俺は俺のドラゴンのウロコだ。エシェットにはこんなに綺麗なウロコはついてないだろ」


「何だと?」


「次はオレだ。オレはこの前のやった虫と花が入ってる化石だ。でもこの前と虫の種類も花の種類も違うからな。帰ったら見てみろ」


「ありがとでしゅう!!」


 僕ちゃんとみんなにありがとう言いました。お父さんがここでプレゼント見てると時間がなくなるから、お宿に戻ってから見ようって。


 みんなで一緒に洞窟の入り口まで行きます。ちゃんと他に人がいないかエシェットが調べました。

 アース達が僕達と一緒にいられるのは、今日はこの洞窟の入り口まで。アース達が入り口に1列に並んで、僕達にバイバイしてくれます。


「じゃあなユーキ。また遊びに来いよ」


「お前の所にはくろにゃんもモリオンもいるから、いつでも遊びに来れるだろう?」


「来ればすぐにオレ達は気配で分かるからな。すぐに飛んでくるぞ」


「バイバイでしゅう!!」


 みんなにお手々ブンブン振ったら、アース達みんなお手々振ってくれたよ。また冒険にくるからね。絶対来るよ。あっ、今度はリク君も一緒に来たいなぁ。リク君冒険大好きだもんね。僕も一緒に冒険したいし。


 お兄ちゃん達と森の入り口で会って、みんなでお宿まで帰ります。

 帰ったらプレゼント楽しみだけど、先に子供ギルドにお花を渡しに行きました。くろにゃんに持っててもらったから、お花綺麗なままです。

 お兄さんにハンコと、今日は木の実たくさんもらってお宿に帰りました。夜のご飯はお外で買わないでお宿のおじさんの美味しいご飯食べるの。

 

 子供ギルドから早く帰ってきたから、アース達にもらったプレゼントをみんなで開けました。

 綺麗な石とウロコと、大きな牙の化石、絵本は冒険のお話の絵本で、ストーンがくれたのは虹色のお羽の蝶々と、紫のお花が入ってる石でした。


 僕達みんなで喜んでたら、お母さん達はちょっと困ったお顔してました。それから後からお部屋に入ってきたお父さんはプレゼント見て、いつもみたいに叫んでたよ。


「何だこれはあぁぁぁぁぁ!!」


 夜になっておじさんの美味しいご飯食べて、おじさんは今日も僕に特別なケーキ作ってくれました。明日帰っちゃうから。それでまた冒険しにきたら、おじさんのお宿に泊まれって。おじさんとお約束です。


 明日は朝早くお城に帰るから、今日は早く寝ます。お父さんは今日はマシロベッドで寝るって。何で? じゃあ僕も。僕がお父さんのお隣にマシロベッドに寝たら、ディル達もって、みんながベッドから移動してきました。


「ユーキ、お父さんこれだとマシロベッドに寝た意味が…」


「へへへ、とうしゃんといっちょ」


「………はぁ、まあ今日は良いか。マシロ大丈夫か?」


「気にするな」


「なんか狭いね。キミルゆっくり寝たい。モリオン、くろにゃんの方に行こう」


「いいよぉ」


「何でこっちに来るんだ!」


 ふへへ、みんな笑ってて嬉しいね。


 でも朝起きたらもうお父さんいませんでした。帰る準備してるんだって。

 お洋服着替えて、朝のご飯食べに行きます。僕が椅子に座ったら、お父さんがお外から帰ってきました。

 朝のご飯はおばさんのご飯。おじさんは朝寝てる時が多いの。お酒飲んで寝てるからなかなか起きないんだって、おばさんがぶつぶつ文句言ってました。


 朝ご飯をぱぱって食べて、お部屋に戻ったら、僕も自分の荷物をカバンに入れたり、くろにゃんに持ってもらったり。うん! これで準備は大丈夫。アシェルが馬車の準備ができたって呼びにきてくれたから、みんなで1階に下りて行きます。


 そしたらおじさんが起きてて、おじさんお手々を後ろに隠して階段の所に立ってました。おじさんにさようならの挨拶です。


「おじしゃん、しゃようなら!」


「おう、また来いよ。と、坊主にご褒美だ!」


 おじさんがそう言って、後ろからバンッて、大きな丸いお花のボール出してきました。とっても良い匂いです。僕はそのお花のボールをそっと両手で持ちます。


「これは馬車とか部屋とかいろいろな所に飾って、周りを良い匂いにするための飾りだ。花に特別な魔法をかけてあって、ずっと良い匂いがするんだぞ。それとこれは昨日坊主が森で詰んできてくれた花だ。初めての冒険頑張ったな! それのご褒美だ!」

 

「ふわわ! ありがとでしゅう!!」


 ご褒美だって。やったぁ!! アシェルにお願いして馬車に飾って貰います。飾ったらすぐに馬車の中がとっても良い匂いになりました。キミルがお花の匂いって、とっても喜んでたよ。


 みんなが馬車に乗って、おじさんとおばさんにバイバイしたら、馬車が動き始めました。おじさん達が見えなくなるまでバイバイです。

 そのあとは森を見てバイバイ。アースやストーンやモス達、今何してるかな? また遊ぼうね。それから森さん、また冒険に来るからね。

 

 僕は森を見るのに、お父さんにおさえてもらって窓からお体出して、ブンブンお手々振りました。ディル達も。僕達は帰るけど、どんどん新しい冒険者さん達が街に入って来ます。僕がまた冒険に来るまで、あんまり宝物とらないでね?

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