第327話泥のお山はスライムさん?

「えと、エシェット、あしょことあしょこ!」


「分かった。行くぞ!」


 ピュイちゃんと一緒に、エシェットとルトブルとジュードが、濃い茶色と青く光ってる場所に移動します。

 少しして地面がゆれて、泥のお山が出てきました。マシロがエシェット達は最初に、青く光ってる場所に行ったって教えてくれました。今みんなで攻撃してるって。


『うるさいなぁ』


「?」


「主?」


「うるしゃい、いいまちたか?」


「誰も何も言ってないぜ」


 あれ、じゃあまた僕だけが聞こえるお声? 今うるさいって言ったよね? マシロがもしまたお声が聞こえたら教えろって言いました。お母さんもおとうさんもだって。


 お山がなくなって、くろにゃんが僕の所に戻ってきます。次の茶色と青の場所教えたら、すぐにくろにゃん戻って行って、またお山が出たら攻撃です。

 少ししてエシェット達が1度戻って来て、今度は茶色の所に出るお山攻撃するってお父さんに言いに来ました。

 

「やはり攻撃は全て吸収されるな。次はもう少し強い攻撃をしてみよう」


 エシェット、もう1回僕に魔力欲しいって。だからお山が出てないうちに、マシロにお手伝いしてもらって、エシェットに魔力流しました。

 

 今度は茶色の場所に行くって言ったから。茶色の場所を教えようとしたとき、茶色と少し黒くなってる場所みつけました。あそこが良いかも。すぐにエシェット達に教えます。


 またまたお山が出てきて、エシェット達が急いで移動しました。僕が教えた場所から出てきたお山は、他のお山よりもちょっと大きいお山で、真ん中が黒く光ってます。

 僕あの黒いの見たことあるかも。う~ん。何だっけ?


 僕が考えてたら、マシロがどうしたんだって言ったから、お山の真ん中が黒く光ってるって、それから僕見たことあるよって言いました。マシロもディル達も、じぃ~ってお山見ます。

 

「確かに黒い気がするな」


 お山が消えてくろにゃんだけじゃなくてエシェット達も戻ってきました。全部攻撃お山の中に消えちゃうからダメみたいです。マシロはお山の真ん中が黒く光ってることお話しました。次にお山が出てきたら見てみるって。


「もしかしたら、その黒いものを攻撃すれば山が消えるかもしれん。攻撃できればだが」


 レシーナも呼んだ方が良いってエシェットが言ったから、くろにゃんがレシーナのこと呼びに行って、すぐにレシーナと一緒に戻ってきました。

 ちょうどその時お山が出てきて、みんなで一緒にじぃ~っ! ほら黒く光ってるよ。みんなみえるでしょ?


「確かに我には薄くだが黒く見えるな」


「ぼくね、みちゃことあるけど、でもわしゅれちゃったの。なんだっけ?」


「きっとあそこに石があるのだ。ユーキは海の家で見たのだ。お手伝いしただろう。悪い石と良い石を分ける」


 あっ! そうだ! ケイラばぁばのお手伝い! 悪い黒い石と、使っても大丈夫な石とか分けたときの、悪い石の光と一緒!

 

「あの山はモス達が持っていた闇の石を取り込んで、今ああなっているんじゃないのか?」


「やっぱりモス達のせいじゃない! まったく、後でお仕置きしなくちゃ」


「だがユーキが気づいてくれたおかげで、あの石を何とか破壊すれば、山は倒せるかもしれん。ユーキ、よく見つけたぞ」


 エシェットが頭なでなでしてくれました。えへへへ、嬉しいなぁ。今度はみんなであの黒い所に攻撃します。これでもう大丈夫だよね。

 エシェット達がお山の方に行って、石があるお山が別の場所に移動すると、僕がまた教えます。


『もっとしてくれないかな』


「!!」


『もうちょっと?』


「もうちょっと? なんでしゅか?」


『あれ? 誰僕とお話してるの? どこにいるの? 僕の黒い石とってくれようとしてるのって君?』


 誰かのお声、すぐにみんなにお話です。でもお話聞こうと思ったのに、声が聞こえなくなっちゃって、何てお話してるか分かりません。マシロが遠いから聞こえないのかもしれないって。またお声が聞こえた時その事お話したら、じゃあ近くに来てって言われました。


「黒い石と言っているのならば、話している相手はあの泥の山か?」


 僕お山とお話してるの?


「おはなちちてるの、おやましゃん?」


『おやま? 違うよ僕はスライムだよ』


「しゅらいむしゃん!!」


「スライムだと!! だからか。モリオン、エシェット達を呼んで来てくれ」


 モリオンがすぐにエシェット達呼びに行ってくれて、エシェット達がすぐ戻って来ました。それでお声の事と、スライムさんって教えたら、エシェットがああそうかって。

 スライムさん僕達のこと攻撃しないなら、お話に行っても良いぞってエシェットが言ったから、ぼく、スライムさんにそう言いました。


『僕、攻撃しないよう。ずっと攻撃してないもん。僕お花食べて気持ち悪いの治してるだけ』


 スライムさん気持ち悪いの? じゃあディルに治してもらおう。

 エシェットがみんなでお話しに行くってお父さんに言ったら、お父さんが危ないからダメって言いました。でもスライムさん僕達のこと攻撃しないって言ったもん。

 

「もしかしたら、すぐに解決できるかもしれんぞ。それに向こうには攻撃の意思はない。危ないと思ったらすぐに戻ればよかろう。心配ならお主も来れば良い」


「ああ、もう!」


 お父さんが頭をガシガシ、それからお父さんも一緒に行くって。ちょっとでもお父さんが危ないと思ったら戻るからなって言いました。


 くろにゃんでみんなで一緒にお山のスライムさんの所に行きます。スライムさんの所に着いたら、さっきよりも良くスライムさんの声が聞こえました。そしたら今度はマシロ達もスライムさんの声が聞こえたって。


「お前は不思議なスライムだな。それでどうしてこんなに大きくなったり、分裂しているのか詳しく教えろ。なんとかできるかも知れん」


『ん~、分かったぁ』


 スライムさんは別の森に住んでたんだって。でも急にこの森に来ちゃって、冒険者さんに追いかけられて、すぐに逃げたの。他の一緒に来た魔獣達が冒険者さんを攻撃したから、冒険者さんがスライムさんの事も攻撃したと思って、追いかけて来たんだって。

 それでスライムさんは土の中に潜るのが上手です。地面に潜って移動して、頭が3つある魔獣さんのお家に着いたんだって。頭が3つ? モス達かな?


 スライムさんはこの森に来てから、草とか葉っぱとかお花とか食べてたんだけど、お腹が空いてたから、モス達が残したお肉貰いました。その時お肉と一緒にあの悪い黒い石食べたちゃって、そうしたらとっても気持ち悪くなっちゃったの。


 スライムさんは具合が悪い時、黄色いお花を食べると治るの知ってたから、たくさん黄色いお花食べました。黄色いお花? 


「主が探していた黄色い花だな。このスライムが食べていたから、なかなか見つからなかったのだ」


 あの黄色いお花、スライムさんのお薬だったんだね。


 黄色いお花をたくさん食べたスライムさん。でもなかなか気持ち悪いの治らなくて、小さいままだと動くの面倒だからって、大きくなって、1度にたくさんの黄色いお花を食べました。それからたくさんのスライムさんに分かれて黄色いお花探したんだって。

 分かれる?


『こうだよう』


 大きなお山のスライムさんから、僕のお手々くらいのスライムさんが飛び出して来ました。


『僕何匹も僕を作れるんだよ。スライムの仲間は分裂っていってたぁ』


 お手々スライムさんが僕にこんにちはします。凄いねスライムさん。たくさんスライムさんになれるんだね。


「ちょっと聞いて良いか。あちらにいるスライムは今何をしている?」


『えっとあっちはねぇ…』


「やはりそうか」


 黄色いお花食べてるスライムさんが青く光ってて、濃い茶色の所にいたスライムさんは黄色いお花見つけられなかったスライムさん達だったんだって。


 なかなか気持ち悪いの治らなくて、そうしたらエシェットの攻撃が黒い石に当たりました。石にエシェットの攻撃が当たると、気持ち悪いのが少しなくなるんだって。だからかさっき、もっとしてくれないかなって言ったの。僕そのお声聞いたんだよ。


「石を破壊すれば、お前達は大きくなるのも森を枯らすのもやめるのか?」


『うん。元のスライムに戻るよぉ』


「だが、我らの攻撃は、お前の体が吸収してしまって、おそらくそのせいで、完全に石を破壊できんのだ」


『そっかぁ。う~ん』


 スライムさん何か考え事です。何もお話しなくなっちゃいました。

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