第313話酔っ払い再び。そして変身したのは?

「す、すみません!!」


「昨日の事は覚えてるようだな。俺が何て言ったかもちゃんと覚えているか? お前俺の家族にだけじゃなく、他にも居合わせた新人冒険者にもいちゃもんつけてたよな。それで、俺はお前を外に連れて行って何て言った?」


「自分よりも弱い者に威張らないで守り、そして新人冒険者にはアドバイスをして、下の者を育ててやれと言われました!!」


 ハロルドとっても怒ってます。今までで1番怒ってます。どうしたのかな? あのおじさんまた悪いことしちゃったのかな。ハロルドはいつもニコニコなのに。僕ちょっとヤダな。僕お父さんのお洋服引っ張ります。


「ユーキ、もう1度ギルドに入ろうか」


 お父さんがそう言った時、お兄ちゃん達が僕達の所に歩いて来ました。


「ユーキ、僕達とギルドに入ろう。父さんはハロルドおじさんの所に」


「ユーキ、今日はどんな依頼選んだんだ?」


 お兄ちゃんと一緒にもう1回子供ギルドに入ります。入った時に中にいたギルドのお兄さん達が何人かお外に出て行きました。

 

「にいしゃん、あのおじしゃん、まただれかおこった?」


 お兄ちゃんに聞いたら、お兄ちゃんたちが依頼書見てた時、あのおじさんがお兄ちゃん達のこと怒鳴ったんだって。何で大人ギルドの依頼書見てるんだって。弱いんだから子供の方に行かないとダメだろうって。

 何で? お兄ちゃん達はとっても強いんだよ。魔獣をたくさん倒したし、僕のこと守ってくれるもんね。

 そっかぁ、本当は強いのに弱いって言ったから、ハロルド達もじぃじも怒ったんだね。それに昨日夜、怒鳴ったこと怒られたのにまた怒鳴ったから、それも怒られてるんだ。ダメダメなおじさんだね。

 何かさっきよりもお外が煩くなってるけど、きっとお父さんも一緒に怒ってるからかな?


 お父さん達が戻ってくるまで、また依頼書見る事にしました。最初にお兄ちゃん達に選んだ依頼書見せて、それからまだ貼ってある依頼書見ます。

 僕はお星様が1つの依頼書しか見ないけど、お星様が4つの見る? ってお兄ちゃんが。


 お星様3つの依頼書は、僕達が行った湖よりも、もっともっと奥まで行かないと見つからないお花とか草を取ってきたり。あと、奥にも湖があって、そこのお魚さんはちょっと強いお魚さんで、僕はもう少し冒険の練習してからじゃないと行けないの。

 それから持って帰ってくる量も多いんだよ。昨日はお花2本とお水ちょっとだったでしょう? お星様4つはお花20本とか、石が10個とかたくさんです。


「そうだユーキ、俺達が選んだ依頼書見せてやろうか。ちょうど椅子も空いたし、あそこに座ってゆっくりしてようぜ。どうせまだ父さん達戻って来ないだろうからさ」


 ギルドには何個かテーブルとお椅子が置いてあって、ちょうど今男の子とお父さんがお外に出て行ったから、僕達そこに座って、お兄ちゃんの依頼書見せてもらいます。


 お兄ちゃん達の依頼書には、僕達みたいなお花のハンコ押してありませんでした。文字と剣のハンコ。可愛くないです。

 それからイノシシ魔獣の絵が書いてありました。このイノシシ魔獣を倒すのがお願いなの。

 それからもう1つの方は、昨日の僕とおんなじ。お花を探すお願いです。でもとっても見つけにくいお花なんだって。両方ともお星様が6個でした


「むじゅかちい?」


「どうかな? いつも行ってる森だと慣れてるから大丈夫なんだけど、ここの森は初めてだから、ちょっと時間がかかっちゃうかも」


「俺が魔獣倒して、兄さんが花を探せばすぐだろう?」


「ジョシュア、おじいさんに何て言われたの? 一緒にって言われたでしょう」


「俺、花探すのの苦手なんだよな」


「それはいつもジョシュアが上から見てるだけで、ちゃんと探さないからでしょ」


 お兄ちゃんとお話してたら、いつの間にかお外が静かになってました。静かになってちょっとして、お父さん達がギルドに入って来て、終わったからどこかのお店でジュースとおやつ食べて帰ろうって。僕スキップしてギルドから出ます。


 今日はお天気良いから、お店でいろいろ買って、お外でおやつ食べる事にしました。噴水の所のお椅子に座って、お兄ちゃん達が買ってきてくれるの待ちます。

 待ってる時に近くの木から、レシーナ達が出てきました。


「ユーキ今日は。キャロラインが木を通して、面倒臭い冒険者がいるって言ってきたのだけれど、貴方達、何か知ってる?」


 隣のテーブルの方に座ってたじぃじとハロルド達がおじさんの話して、その話が終わったらレシーナ達が分かったって。もしおじさんが森に入って来て、おんなじことしたら、レシーナのお友達が怒ってくれるって言いました。

 それから僕達と一緒にジュースとお菓子食べて帰っちゃったの。僕達もお宿に帰る時間です。


 帰ってお母さんにあたらしい依頼書見せて、昨日持って帰ってきたお花の石と緑色の石を見て、緑色の石は、お家に帰ったらお風呂に入れるの。お花の石は机の上に置いたら、お部屋の中がお花の良い匂いになりました。キミルがもっとよくしてくれるって、モリオンに持っててもらったピンクのお花出してもらって。ばぁばがね、疲れがとれるわねって、とっても喜んでました。

 

 明日はまだ冒険の日じゃないから、お母さんに何するのって聞いたら、荷物の確認しましょうねって言いました。

 昨日使っちゃった水入れる入れ物、新しいの買ってまたカバンに入れたり、前の冒険で使わなかった道具も、壊れてないかちゃんと確認です。冒険に行ってもし壊れてて使えないとダメダメ。何も待って帰って来れないかも。


 次の日お買い物行ったら、お兄ちゃん達に意地悪したおじさんが、街のお掃除してました。冒険者さんのお洋服じゃなくて普通のお洋服着て、エプロンしてお掃除のお帽子かぶって、ホウキで綺麗にしてます。おじさんのお隣にはギルドのお兄さんが立って、きちんと掃けって怒ってました。


「あれは悪いことした人が、お仕置きでお掃除してるのよ。これから少しの間冒険できないの。良いって言われるまでずっとお掃除。でもお掃除の時にまた悪いことしたら、もうずうっと冒険できなくなるの。ユーキちゃんは冒険いっぱいしたいでしょう。絶対に人が嫌がることしちゃダメよ」


 冒険いっぱいするんだもん。僕絶対嫌がることしないよ。

 

 お買い物して帰る時、前の方からお兄さんが歩いてきました。赤と青のお洋服着てます。お母さんが僕の前にすって立ちます。でもエシェット達が、


「なんだ、あいつも変身できるのか。まぁ、いい歳だからな。が、少し若く変身しすぎじゃないか?」


「変身って…エシェット、貴方彼のこと知ってるの?」


「知ってるも何も、お前たちがこの前会ったアースドラゴンだぞ」


 アース!! あのお兄さんアースが変身してるの!


「ようユーキ、この前以来だな」


 お母さんが慌てて僕達がお泊まりしてるお宿にアースを連れて行きます。あのねぇ、アンソニーお兄ちゃんみたいなの。

 お宿でじぃじと明日の準備してたお父さんが、エシェットがアースだって言ったらまたかっ!! って叫んでました。


「何でこう勝手に変身して街に来たり、突然木から現れたり、勝手なことする精霊や魔獣が多いんだ」


「この前ユーキに悪いことをしてしまったからな。お詫びに来たんだ。ユーキにプレゼントを持ってきたぞ」


 アースがお手々広げたら風がふわわわわって。それからお手々の上が光って、光がなくなったらお手々の上に、赤いまあるい木の実が乗ってました。とっても美味しい木の実で、食べた後も面白い事があるんだって。


 みんなでひと口ずつ木の実を食べて、全員が食べたらまたひと口ずつ食べるの。甘くて苺みたいな味でとっても美味しかったよ。

 僕達みんなニコニコして食べてる横で、お父さん達はとっても変なお顔してました。


「おい、まさかその木の実は」


「俺が居る所まで来ないと採れない木の実だぞ。とっても美味しんだ。それにユーキは冒険が好きみたいだからな。きっとあれも喜ぶはずだ」


 みんなでどんどん木の実食べます。中の種が見えてきて、あれ? 種光ってる? みんなもそれみて急いで木の実食べます。中から出てきたタネをルトブルが水で綺麗に洗ってくれて、そしたら光の魔力石みたいに光ってる種を出した。


「ふわわ! しゅごいねぇ」


「キミル、この木の実、1回しか見た事ないよ。魔法で出すの大変だし」


「気に入ったか? また今度持ってきて…」


「ダメだ!!」


 そのあとずっとアースはお父さん達とお話し合いでした。

 

 この木の実はとっても珍しい木の実で、もし他の人達が見たら、ダメだめな木の実なんだって。名前はライチー。珍しい木の実だけど、アースの周りにはたくさんあるんだって。ふ~ん?

 

 とっても綺麗な種だから、お家に帰ったらチョコミ達のお隣に飾ろう! 僕達がどの入れ物に入れて飾るかお話し合いしてたら、お父さんに怒られてたアースが、


「飾るのか? なら木が生えるように植える用の種も持ってきてやろう」


 って。木が生えるの? やったぁ! ありがとう。お家のお庭に植えよう!


「おい、余計な事を言うな!!」


 またお父さんに怒られてました。

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