第306話依頼書を見に行こう!!
「とうしゃん、はやく!!」
「だからそんなに慌てるなっていつも言ってるだろう。また転ぶぞ!」
僕は階段から下りてきたお父さんのお手々握って引っ張ります。僕は一生懸命引っ張ってお体が斜めに前に出ちゃってるけど、お父さんはぜんぜん早く歩いてくれません。
やっとお馬さんの居る所まで行って、お父さんと一緒にお馬さんに乗りました。
この前はゆっくりお店通り歩いてギルドに行ったでしょう? 今日は子供冒険者ギルドに行った後、お父さんは明日の準備しないといけないから、早くお城に帰って来れるように、お馬さんでギルドまで行きます。
お兄ちゃん達もお馬さんに乗っかって、キミルとモリオンはいつもみたいにマシロのお毛々に隠れて出発!
お馬さんに乗って行ったから、すぐに子供冒険者ギルドにつきました。
ドアを開けて中に入ると、子供も大人もいっぱい。でもこの前来たときよりもゆるゆるで、列もありませんでした。みんな僕とおんなじ冒険者のお洋服着て、これから森に行くってギルドのお姉さんとお兄さんにお手々振ってる子もいました。
僕の前を紙を持った子が、お兄さんの方に歩いて行きます。
「ユーキ今の子が持ってたのが依頼書だ。あの壁を見てみろ」
お父さんが指指した方を見ます。壁の半分より下の所に、たくさん紙が貼ってあって、その前にみんなが集まってます。僕もすぐに壁の所へ。紙見たけど、僕まだ文字読めないからなんて書いてあるか分かんなくて、ジョシュアお兄ちゃんが読んでくれるって。でもその前にお父さんが依頼書に書いてあるお星様のマークの説明してくれました。
依頼書には1番上のところに、お星様のマークが書いてあって、マーク1つが1番簡単なお願いなんだって。お星様が増えると難しいお願いで、もしかしたら僕じゃできないお願いなの。
あと、僕は冒険初めてでしょう。だから依頼書は、お星が1個のやつ選びなさいってお父さんが言いました。いっぱい冒険に行って、慣れたらお星様がいっぱいの依頼書やるの。
「さて、星1つだと何があるかな?」
お兄ちゃんがどんどん依頼書を読んでいってくれます。
綺麗な石を探してギルドに持ってくる依頼書。湖の美味しいお水を持ってくる依頼書に青いお花を2本持ってくる依頼書。あとは草を持ってくる依頼書とか、木の実を持ってくる依頼書。いろいろな依頼書が貼ってありました。
「ユーキ何やりたい?」
う~ん、何やろうかなぁ。お花探すのはキミルがいるからすぐに見つかるかも。あと木の実も。キミルがマシロのお毛々の中から小さな声でお話してきました。
「そのお花なら探さなくてもキミルが魔法で出せるよ」
「それでは冒険にならないだろう。主やお主達は明日冒険にいくのだろう?」
「あ、そっか」
あとは綺麗な石を持ってくるのも、いつも冒険の真似して探して見つけてるから、僕達探すの上手だよ。
あと草は何に使うのかな? お父さんに聞いたら草はお薬作ったり、お料理に使ったり、あと僕達の血吸いに来たり刺しに来る悪い虫さん達が寄ってこないようにしてくれる草もあるんだって。
依頼書に描いてある草の絵を見たジョシュアお兄ちゃんは、この草だったら僕でも見つけられるぞって言いました。
湖の美味しいお水を持ってくる依頼書は面白そう。お水どんな味がするのかな? 美味しいお水だから、ジュースみたいに甘いお水かな?
う~ん、どうしよう。やりたい物いっぱいです。
みんなでマシロの近くに寄って、小さなお声でお話し合い。お話し合いしてたらお兄ちゃんが2つ一緒でも良いぞって。依頼書は2つまで持っていって良いんだって。森に行くならその森の依頼書2つ、洞窟にいく時は洞窟の依頼書2つまで、って決まってるんだって。
だからみんなでお話し合いして、お手々挙げて、お手々の数が多かった依頼書2つやろうって決まりました。
お兄ちゃんが順番に聞いてくれるから、みんなでお手々上げていきます。
「よし決まったな」
湖の美味しいお水はみんながお手々挙げて、次はお花の依頼書が多かったです。石とか草とかもお手々上げたけど、それは今度別の日にしようって決まったんだぁ。
「えと、おみじゅとおはなにちましゅ!」
「よし、じゃあこの依頼書とこの依頼書をそっと壁から剥がすんだぞ」
そうっとそうっと。ペリペリって依頼書を剥がします。切れないように気をつけて。
綺麗に剥がせたら、次はこの紙をこの前のお兄さんの所に持っていきます。
「いらっしゃい。今日はどんな御用かな?」
「ユーキ、その紙を渡せ」
「えと、これおねがいでしゅ!」
「依頼書ですね。少し待っててください」
お兄さんが依頼書見たあと、お花のハンコを依頼書に押します。それからノートに何か書いて、そのあと僕の冒険者のペンダント見せてって言いました。
僕は首からペンダント外してお兄さんに渡します。お兄さんはペンダントに石近づけて、ペンダントのお名前見ました。
「はいお返ししますね。あとはい依頼書」
ペンダントと依頼書もらいます。お花のハンコは僕がこの依頼書やりますって、お兄さんが分かりましたって言う印です。
冒険が終わったらお水とお花と依頼書持って、お兄さんの所に戻って来て、お水とお花渡したら、今度はドラゴンのハンコを依頼書に押してもらうの。ちゃんと依頼できましたって印です。
「冒険はいつの予定ですか」
「あちた!!」
「そうですか(移動があるから明後日かな?)。頑張ってくださいね」
子供冒険者ギルドを出る前に、依頼書無くさないようにしまいなさいってお父さんが。なくしちゃうとダメダメだもんね。カバンの中の1番奥のポケットに依頼書をしまいます。
お馬さんに乗って、お店通りをちょっとだけふらふら。あのね前は冒険者のお洋服着てる小さい子、あんまりいなかったのに、今は冒険者の子がいっぱいです。剣じゃなくて弓持ってる子もいます。
僕は明日剣を持って冒険に行くけど、今オクタビオに魔法教えてもらってるでしょう。大きくなって、お父さんやお母さん、ハロルド達が冒険に行く森に入れるようになったら、そのときは魔法と剣で冒険するの。弓も! 弓はばぁばに教えてもらおう。
「剣に魔法に弓か? ユーキはマシロ達も居るからな。お父さん心配だ」
ん? 何で?
お城に戻ってお母さんと一緒に、もう1度明日の準備です。忘れ物しないように確認しないと。
僕のカバンにはいろいろな物入れたけど、ディルとリュカ、キミルとモリオンとピュイちゃんカバンには小さいクッキーと、お元気になるアメを1個ずつです。カバン小さいから。シルフィーとホプリンはお菓子だけじゃなくて木の実も入れました。
僕達が準備してる時、王様じぃじが僕達の後ろでブツブツ言ってて、それをサルバドールさんが怒ってました。
本当は明日王様じぃじは僕と一緒に森に行こうと思ってたの。でも今は森が出来たばっかりでたくさん人がいるから、もし王様じぃじが森に行ってみんなが集まってきちゃったら、冒険できなくなっちゃうかもしれないでしょう。だからもう少し人がいなくなってからって、サルバドールさんが言いました。エイムさんにもじぃじにもそう言われたんだよ。
そしたら王様じぃじがブツブツ、何でじゃとか、どうしてもかって、ずっと言ってるからサルバドールさんが怒ったんだよ。
準備が終わって、みんなの鞄をドアの近くに置きます。
夜のご飯になるまで、カバンの方に行って中見て戻ってきて、剣をぶんぶんしてからカバンを見に行って、おやつ食べて見に行って、何回もやってたらお兄ちゃん達がすごく笑ったの。だからエシェットに久しぶりにお顔雪攻撃してもらいました。
「かあしゃん、ねむくない」
「でもちゃんと寝ないと、明日冒険に行って、途中で眠っちゃったら嫌でしょう」
今日はいつもよりはやくベッドの中に入りました。
「とうしゃん、あちた、あしゃはやくいく?」
「あぁ、そうだな」
「かあしゃん、わしゅれものない?」
「えぇ、ないわよ」
「とうしゃん、しゅぐにもりにちゅく?」
「………ああ、そうだな」
「とうしゃ………すうすう」
「はぁ、やっと寝たか。質問攻めだったな。しかし大事なことを言うのを忘れていたな。近くに慌てて作った宿場に泊まるって」
「言ったら今頃まだ寝てないわよ」
「調べるときはくろにゃんに移動してもらってすぐだったからな。はぁ、明日から大変になるんだろうな」
「ユーキちゃんの喜ぶ顔が今から思い浮かぶわね」
「そうだな」
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