第300話お家でお泊まり6
マシロがお話始めて、すぐにお父さんがっくりです。
「本当にエンシェントスライムなのか?」
「ああ、確かだぞ。本人はまだ子供で良く分かっていないが、体から溢れる魔力は我よりすこし少ないくらいか。大きくなればもっと強くなるだろう。まぁ、我もこれからまだまだ強くなるだろうし、我を超えることはできんだろうがな」
「それで何でそんなものがここにいるんだ」
さっき僕達がお話したお話をお父さん達に話すマシロ。でもさっきよりもお話が長いの。机の上で僕の前に座ってたスライムさんが、僕の頭の上に乗ってきてつまんないって。お母さんがそれ聞いて、テントから離れなければ遊んでても良いって言ったから、僕テントの中とか見せてあげることにしました。マシロは今お父さんとお話中だから、スライムさんが何をお話してるかルトブルが教えてくれます。
最初にテントの中でうさぎさんのぬいぐるみとか、絵本とかおもちゃとかいろいろ見せてあげました。スライムさんは体の中にそれを入れてグルグルグル。みんな綺麗にしてくれたの。うさぎさん真っ白です。ディル達もおもちゃ綺麗にしてもらえてとっても喜んでました。
そうだ! スライムさんが遊びに来たとき、スライムさんもおもちゃがあった方が良いよね。今はお外にお泊まり中だから、今度お部屋で遊ぶ時におもちゃ選んでもらおう。
テントの中見るのが終わったら、次はお魚釣りの棒を見せてあげます。
「これでおしゃかなしゃんとるの。ルトブルがだちてくれたおしゃかなしゃんは、とってもおいちいの。きょういっちょにごはんたべる?」
スライムさんにそう聞いたら、ぷよよよよんってとっても喜んでました。お父さん達早くお話終わらないと、お魚さん釣る時間なくなっちゃうよ? もうすぐお空がオレンジ色になっちゃう時間です。
次はお鍋の置いてある所に行きました。お兄ちゃんがお魚さん串に刺したり、お野菜切ったりする板の所、焼いたりスープ作ったりする丸い石を見せてあげたの。今日はどんなご飯かなぁ?
木の枝が燃えた後見て、何で燃えてるのって聞きます。だからお鍋の中見せてあげて、ご飯を作るのに木の枝に火をつけてお料理するって教えてあげました。後火をつけるのは魔力石を使うんだよって。魔力石が置いてある所指差します。
今魔力石はお野菜切る板の上に置いてあって、火の魔力石だけじゃなくてお水とかいろいろな魔力石が置いてあるの。その魔力石をツンツンするスライムさん。
「ぷゆゆ?」
「人間は石がないと魔法使えないの? と聞いているぞ」
「そうでしゅ! えと、ぼくれんしゅうちてるの。おみじゅのまほう」
「ボクも水の魔法が使えると、それからこのスライムも石を使って魔法が使えると言っているぞ。水以外他の魔法はやった事がないが、もしユーキが水の魔法しか出来ないなら僕がやってあげると。たぶんできると言っているぞ」
魔力石に近づくスライムさん。それで火の魔力石を持ち上げました。それからお体の中に入れてグルグルグル。でもさっきまでと違います。石とかぬいぐるみとかは綺麗にしてくれたけど、今度は石がどんどん小さくなっていって消えちゃいました。それからさっきの燃えた木の枝の所に行って、新しい木の枝ある?って。
僕は木の枝が置いてあるところから少しだけ持ってきて、丸い石の所に置きました。
「ぷゆゆゆん!」
「見てて、と言っている」
スライムさんがぷるるるんって揺れて、そしたら体からぴゅって火が出たの。火は木の枝の方に飛んでいってぶつかって、しゅって火がつきました。
ふわわ、凄い!! 僕達みんなで拍手です。僕達の拍手でお父さん達がこっち見ました。それで火はついてたからお父さんが慌てて僕達の所に走ってきました。
「ユーキ魔法を使ったのか!? ダメだろう勝手に魔法を使ったら。しかも火の魔法なんて、怪我したり他の物が燃えたらどうする。ルトブルも何で止めなかった! それに魔力を使う手伝いをするなんて」
「我は何もしていないぞ」
「とうしゃん! スライムしゃん、しゅごいの!」
僕はお父さんに抱きつきます。それからスライムさんが石食べちゃって、火の魔法をぴゅっ!! ってやったの説明します。でもお父さん変なお顔して困ったお顔してるの。それから良く分からないって。
だからもう1度スライムさんにおんなじ事してもらいました。
今度は火の魔力石じゃなくて土の魔力石をグルグルグル。さっきみたいに石が無くなって、今度はぴゅって土が火の方に向かって飛んでいって火を消しました。
またまたみんなで拍手です。
お父さんもお母さんも、みんな驚いたお顔してスライムさんが出した土の方見てました。
「どういう事だ。スライムが魔法?」
「ああ、このスライムの特別な力だろう。魔力石を取り込めば、その取り込んだ石の能力を使える。今はまだ小さい子スライムで、魔力石も今回の野営用の小さい物だっただろう。だからあれくらいの威力なのだ」
「特別な能力って、マシロ達は知ってたのか?」
「いや、だがエンシェントスライムなのだ。それくらい変わった能力を持っていても不思議ではないだろう」
またまたお父さん達お話が始まっちゃいました。僕はスライムさんとお話です。
スライムさんに魔法が使えて凄いって、もう1回拍手したら、上手にできて良かったって。そっか、スライムさん水の魔法はできるけど、他の魔法やった事ないって言ったね。
凄い凄い! 僕この前1回だけ1人で魔力溜められたけど、でもその後1回も1人でできないんだよ。
なかなかお話が終わらないお父さんとマシロ。お母さんがお空見て、お兄ちゃんとお魚さん釣ってきてって言いました。ご飯の準備しないとダメダメです。
お兄ちゃんとスライムさんとみんなで川に行ってお魚釣り始めます。今日は2匹で良いから、僕が2匹釣りました。僕がお魚釣ったらスライムさんが体をぽよよんってして、凄いって言ってくれたの。
テントに戻ってもお話し合いしてるお父さん達。お兄ちゃんがお魚さんとどっかから持ってきたお肉を料理します。それから今日のスープはキノコのスープ。お野菜じゃなくて良かったぁ。
スライムさんに一緒にご飯食べようって言ったらとっても喜んで、今度はぽよんぽよん跳ねたんだよ。
ご飯ができてちょうどその時、お父さん達のお話し合いが終わりました。それでご飯食べる前にお父さんとお約束です。
スライムさんはお家のお庭に住んでも良いって。でもさっきみたいに勝手に魔法は使わないこと。お水の魔法は石がなくてもできるみたいだから、それだけは使って良いって。それからお家のものは絶対に溶かさないこと。街へ行く時は必ず僕と一緒。勝手に街をふらふらしないこと。それから…。
お約束いっぱいで全部覚えられません。スライムさんもディル達も、お約束いっぱいで変なお顔してます。
「あなた、それ以上は無理よ。私もお約束したいけど、その時その時で注意するしかないわ。いつもついついお約束が多くなっちゃってダメね」
「はぁ、仕方がない。とりあえず勝手に1人でこの家の庭から外に出るな。それから溶かすな。魔力石で魔法を使うな。どうだ? 3つなら覚えられるだろう」
「はいでしゅ!」
「ぽよよよん!」
良かったねスライムさん。お庭にいられて。これならすぐにいつでも遊べるね。あとお店通りとかたくさん遊びに行こうね。
今日はお母さんも一緒にお外でご飯。アシェルがスライムさんのお皿を用意してくれて、マシロがお皿はとかしちゃダメって教えます。
スープもお肉もお魚さんも綺麗に食べたスライムさん、美味しかったってお兄ちゃん達にありがとうして、それからみんなのお皿を集め始めました。
全部のお皿を集めたら1枚ずつ体の中に入れてグルグルグル。タレとか汚れが消えたらお皿をぽんって体のお外に出して、また次のお皿を体の中に入れます。次、次ってどんどんお皿を重ねていって、全部のお皿綺麗にしてくれました。お兄ちゃん達にありがとうのお礼だって。
「わぁ、本当に綺麗にだね。あれ? お皿についてた傷までなくなってる!?」
「ぷるるる」
「少しの傷ならなんでも直せるらしい。これも成長すればもっといろいろ直せるようになるだろう」
「頼むからこれ以上、今日はびっくりさせないでくれ」
ご飯のあと、昨日みたいにクッキー作って、それから今日はアシェルがホットミルクも作ってくれて、今日もとってもとっても楽しかったです。
テントにみんなで入ってごろごろ。明日の朝でお庭でお泊まり終わりです。もう終わり。もっとみんなでお泊まりしたいなぁ。あっ、でも今度お泊まりできたら、お母さんやアメリアも一緒がいいなぁ。それからお父さんのじぃじとばぁばと、お母さんのじぃじとばぁばも一緒。ハロルド達は…どうしようかな?
今度はいつお泊まりできるかなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます