第298話お庭でお泊まり4

「おしゃかなしゃん!!」


「ユーキ待ちなさい。お父さんが骨を取ってやるから。その間にスープ飲んでなさい」


 え~、野菜のスープ? う~ん、最初は僕が釣ったお魚さんから食べたかったのに。でも僕上手にお魚さんの骨取れないし…。

 僕はスープの入ってるお椀を自分の前に置きました。誰も見てない? 僕はフォークでお野菜さして、サッとキミルのお椀の中に入れました。人参みたいなやつ。あとピーマンみたいなやつもパッて。


「ユーキ、野菜もちゃんと食べなさい」


 うう、お父さん見てたよ。ジョシュアお兄ちゃんが少しだけ僕のお野菜食べてあげるから、半分頑張って食べろって。それからもう1個、キミルが人参食べてくれるって。ありがとう。

 残りのお野菜をツンツンしながら食べます。お魚さんまだかなぁ。


 やっとお野菜全部食べ終わったら、ちょうどお父さんが骨取ってくれるの終わりました。スープを向こうに置いて、僕の前にはお魚さんとキノコの乗ったお皿が。

 パクってひと口お魚さん食べたら、今までで1番美味しいお魚さんです。全然パサパサしてなくて、フワッとしてて、食べるとすぐに口の中から無くなっちゃうの。


「これは我が1度森に行ったとき、大地の精霊が美味しいと教えてくれた魚だ。とても珍しい魚らしいが、我は1度食べれば、その魚をすぐに出せるからな。喜んでくれたようで良かった」


 ルトブル、シルフィー達と違う精霊さんにあったことあるの? どんな精霊さん? シルフィー達みたいに可愛い精霊さん?


「お前、精霊に会ったことがあるのか?」


「我もエシェット達と同じで長く生きてるからな。会ったことくらいある」


 ルトブルが会った精霊さんは可愛い精霊さんじゃなくて、綺麗な精霊さんだって。僕も会えるかな。僕シルフィー達とお友達になれたもんね。会えたらお友達のなってくれるか聞いてみよう。


「ユーキ、その顔さぁ、これからも精霊と友達になる気満々みたいだけど、そんなに簡単に会えないからね」


 だってシルフィー達にはすぐに会えたよ。だからきっと会えるよ。お父さんが僕の隣で溜め息です。それからいろいろ教えないとって。


 お魚さん食べながらキノコ食べて、お野菜が全部なくなったスープを飲んで、すぐにご飯食べ終わっちゃいました。

 食べ終わったお皿をアンソニーお兄ちゃんとアシェルとジュード達が片付けます。その横でジョシュアお兄ちゃんが別のお皿を用意してました。ご飯食べたのに何でお皿用意するのかな?


 お兄ちゃんはお皿の上に串に刺さった、小さな丸い茶色の玉を置いていきます。僕はお兄ちゃんに近寄って、お手々伸ばして串を1本持ってみました。小さな串もあって、それはディル達のみたい。お兄ちゃんがニッて笑って、鍋片付けるから待ってろって。

 僕もディル達も串持ったまま、お兄ちゃんがお鍋お片付け終わるの待ちます。

 お兄ちゃんを待ってる間にアンソニーお兄ちゃん達が、お皿片付けて机に戻ってきました。


「よしっと、この鍋は明日の朝のスープだからな。さてユーキ、俺がこれからやることちゃんと見てろよ」


 お兄ちゃんが串を持って、火のついてる石の丸に近づきます。それで火の中に茶色の玉を入れました。お魚さんの時は丸の外に刺してたのに、今度はお手々で持ったまんまです。みんなでじぃーって茶色い玉を見ます。

 少ししたらパチ、パチって音がしてきて、それからまた少ししてパンって音がして茶色い丸が少し大きくなりました。お兄ちゃんが串を火から出します。


「よし、ちゃんとできたな。ユーキも同じようにやってみろ。火を使うからな、気をつけるんだぞ」


 お父さんが危ないからって、僕と一緒に串を持ってくれて、火の中に茶色の丸を入れます。ディル達もマネして串を入れます。お兄ちゃんの時とおんなじで、少しパチパチした後にパンって茶色が大きくなります。


 火から出してお兄ちゃん見たら、茶色い丸をお兄ちゃんがお口の中に入れました。それからサクサクって音がします。僕達またマネしてお口の中に。サクサクサク!!?


「クッキー!!」


「そうこれはクッキーだ。自分で焼くことができるおやつだぞ。野営の時とか疲れてる時に食べるのにちょうど良いんだ」


 まだまだ持ってきてるからどんどん食べていいって。やったぁ!! 自分でクッキー作れるなんてすごい凄い! 夜なのにおやつ食べられるんだ!

 みんなでどんどんクッキーを焼いて、焼いたらすぐサクサクサク。とっても美味しいクッキーです。


 美味しくて楽しくてすぐにクッキー無くなっちゃいました。みんなでクッキー無くなった串見て、ちょっとだけしょぼんです。そしたらお兄ちゃんが、明日の夜の分もちゃんと持ってるって言ったから、僕達みんなでバンザイしてから拍手です。


 お菓子を食べ終わったら、あったかい飲み物飲んで、飲んだ後はお兄ちゃんと歯磨きしておトイレに行って、すぐにテントに戻ってきて、テントの中でアンソニーお兄ちゃんが寝るお洋服着せてくれました。それからもう1回テントのお外に出て、アシェルがもこもこのマットをテントの中に敷いてくれます。


「さぁみんな、寝る準備ができたな。エシェット、外の事はまかせたぞ」


「分かっている。交代で見張るから安心しろ。だいたいはこいつらに任せるが、何かあると困るからな。我らもしっかり見張る」


 夜の半分よりもっと、ジュード達がお外見張るんだって。寝なくて大丈夫なのかな?

 

 お兄ちゃん達におやすみなさいして、エシェット達におやすみなさいしてテントに入ります。真ん中にマシロに寄りかかりながらごろんって寝て、隣にお父さんとアシェルが寝ます。僕真ん中。それからお父さんとアシェルのお手々握りました。

 お父さんのお顔見てアシェルのお顔見て、僕ニコニコです。今日はずっとお父さんと一緒だし、アシェルは一緒に寝るの初めてだからとっても嬉しいの。


「ふへへへへ。とうしゃんとアシェルいっちょで、うれちいなぁ」


「私もですよユーキ様」


「おやしゅみでしゅう」


 僕すぐに寝ちゃいました。


「おい、アシェルお前でもそんな顔するんだな。俺はお前がそんなにニコニコしてるの初めて見たぞ」


「旦那様がいつもきちんとお仕事をなさってくだされば、いつもこの顔なのですが」


「………うん、俺はいつも通りが1番だ」


 朝起きたらお父さん達もう起きてて、朝のご飯の用意してました。朝ご飯食べる前に、昨日みたいにアンソニーお兄ちゃんがお洋服着せてくれます。それからお顔を洗って、お椅子の所に。

 朝のご飯は昨日の夜のお野菜のスープの野菜なしのスープ。それからパンとチーズです。急いで食べなきゃね。今日もやる事いっぱいです。お庭の冒険して、それからお母さんたちのお土産探して。

 お魚さんは今日は昨日みたいにたくさん釣らなくて良いんだって。今日の夜ご飯はお魚さん少しと、お兄ちゃん達がお肉用意してくれるの。


 ご飯食べてお父さんと一緒に、お庭の冒険に出発です。まずは花壇とかじぃじの木の所を冒険。その後に川を冒険です。


 花壇の所には

僕と背と同じくらいのお花も咲いてて、そのお花の所にみんなでお顔入れて、何かないか探します。それから池のそばにある草むらの中にも入って、お母さん達のお土産探しました。


「う~ん。なんにもないでしゅね」


「今日は綺麗な石落ちてないな」


「お花もいつもとおんなじだね」


 お昼まで探したけど、何も見つかりませんでした。

 

 テントに戻ってお昼のご飯を食べます。お昼のご飯はサンドウィッチでした。自分でパンに好きな物挟んで食べたんだよ。僕は卵とチーズとハムとそれから唐揚げと…たくさん挟んだら大きくなっちゃって、一生懸命パンと一緒に食べたんだけど、先にパンがなくなっちゃって、ボロボロ落ちちゃった具はフォークで食べました。


 お昼のご飯の後は、お兄ちゃん達と川で冒険です。でも最初は一緒に冒険してたんだけど、夜の準備するからって、途中でお兄ちゃん達テントに戻っちゃいました。

 みんなでお話し合いして、もう1回川がお家の中に入ってくる所から、お魚さん達がお外に出て行く所までお土産探そうって、僕達は川の最初の所に行きました。


 お着替えしてきたから川の中に入っても大丈夫。川の中で綺麗な石とか川の周りに咲いてる綺麗な花とか探します。

 でも今日は全然見つかりません。1つだけ見つけたのはリボンの形した石。それ1個しか見つけてないの。どうしよう。明日冒険終わりなのに。


 一生懸命探して、川の半分よりもうちょっと進んだ時でした。よく見たら川の最後の所に、昨日の青色の透明なのが動いてます。


「マシロ、とうめいしゃん、またいるでしゅ」


「ああ、さっき魚とは反対にこっちに入ってきたからな。………ん?」


 マシロが変なお顔しました。エシェットはニコニコ笑ってます。それから僕にここで待ってろって言って、2人で青色透明さんの方に歩いて行きました。

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