第297話お庭でお泊まり3
「お、戻って来たな」
テントの所に戻ってきたら、石でできた丸と、その上に棒にぶら下がった鍋が置いてありました。
お兄ちゃんが棒から鍋を外して、僕達が集めてきたこの枝を石でできた丸の中に置いていきます。
「随分木の枝拾えたな。これだけあれば当分もつだろう。よしユーキ、次はお父さんとご飯を釣るぞ。魚釣りだ」
「しゃかなちゅり!!」
お父さんとジョシュアお兄ちゃんと、夜のご飯で食べるお魚さんを釣ります。釣りの棒はお兄ちゃんが持ってきてくれたから、それを持って川の所に。アシェルがお椅子用意してくれてそれに座ってお魚釣ります。
あとねアシェルが、ディル達の小さい釣りの棒を用意してくれました。大きなお魚さんはルトブルが川に魔法で出してくれて、僕はそれを釣るの。ディル達はこの前ピュイちゃんが食べた小さなお魚さん釣るんだよ。
ディルとリュカが一緒に釣って、キミルとモリオンが一緒、シルフィーとホプリンがアシェルと一緒に釣って、ピュイちゃんはこの前みたいに1人で捕まえます。
「魚が泳いで行ってしまわないように、我が結界を張ってやる。ここからここまでで泳がせれば良いだろう。あとはもう少し魚が泳ぎやすいように、ルトブルちょっとだけ川を深くしろ。魚釣りが終わったら戻せば良い」
そう言ってエシェットが川にまあるい結界を張りました。それからルトブルが地面をズズズズズって、お魚さんがたくさん泳げるようにします。
お父さんが餌をつけてくれて、ポトンってそれを川の中に入れました。釣れるかなぁ、釣れるかなぁ。この前はすぐに釣れなかったよね。
最初にお魚さん釣ったのはお兄ちゃんでした。何でいつもお兄ちゃんが1番なの? この前もお兄ちゃんが最初にお魚さん釣ったでしょう。
僕この前アンソニーお兄ちゃんが言ったこと思い出しました。動いちゃダメって、それからお魚さんが糸を引っ張ったら良いんだよね。
じぃ~と、じぃ~と。そしたら糸がピンッて伸びました。
「ユーキ、お父さんと一緒に上げるぞ。せーの」
お父さんと一緒に棒を上げたら、大きいお魚さんが釣れました。
「ちゅれた! とうしゃん、ちゅれたでしゅう!!」
「凄いぞユーキ。この魚はユーキのご飯にしような」
「うん!」
みんなのお魚さん釣らないといけないから、どんどん釣りします。次に釣ったのはシルフィー達でした。それからディルとリュカ、その次がキミルとモリオン、ピュイちゃんは…、僕達の反対側から川をじぃ~って見てます。そして…ぴゅっ!!
いきなりピュイちゃんが川の中に潜りました。この前は体全部潜らなかったけど、今度は体が全部川の中に入っちゃってます。それでなかなか出てこないの。
僕心配でピュイちゃんのこと呼びます。
「ピュイちゃん、でてきて!」
ディル達もみんなでピュイちゃんのこと呼びます。
バシャアァァァァッ!! 勢いよくピュイちゃんが川の中から出てきて、ふらふら飛びながら僕達の所に帰ってくるピュイちゃん。お手々に大きなお魚さん掴んでました。ピュイちゃんよりもとってもとっても大きいお魚さんです。それからお兄ちゃんや僕が釣ったお魚さんよりも大きいの。
『ピュイちゃん、がんばったの!』
みんなでピュイちゃんの拍手です。凄いねピュイちゃん。
ピュイちゃんのお魚さん見て、ジョシュアお兄ちゃんが負けないからなって、その後お兄ちゃんお話しなくなっちゃいました。
「とうしゃん、にいしゃんどちたの? おはなちちない?」
「お兄ちゃんのことは放っておいていい。それよりユーキ、今度はお父さんのお魚釣ってくれるか?」
「うん!」
お兄ちゃんどうしたのかな?
僕は自分の食べるお魚さん釣ったあと、お父さんとアシェルのお魚釣りました。アンソニーお兄ちゃんのお魚さんも釣ろうと思ったんだけど、それはジョシュアお兄ちゃんが釣ったんだよ。ちょっと残念。
木のバケツの中はお魚さんでいっぱいです。ディル達もたくさん釣れたからニコニコ、僕もちゃんと釣れたからニコニコで、アンソニーお兄ちゃんの所に戻ります。
テントの所に戻ったら、ジョシュアお兄ちゃんが作ったお料理する石の周りに、お椅子が並んでて、それから小さな机も用意してあって、その上にコップとかお皿とか並んでました。
「もう夕方だからね、すぐにご飯の準備するからね。ユーキ、ちゃんとお魚釣れた?」
お兄ちゃんがコップとか用意してくれたの。お父さんがお兄ちゃんにバケツ渡します。お兄ちゃん凄いって褒めてくれました。それからジョシュアお兄ちゃんの方のバケツ見て、小さい魚は誰の? って聞いてます。
ジョシュアお兄ちゃん、2匹しかお魚さん釣れなかったの。それで1匹はとっても小さいお魚さんで、テントに戻ってくるとき、その小さいお魚さんはアンソニーお兄ちゃんのだって言ってました。
「何言ってるの。小さい魚しか釣れなかった責任はジョシュアの責任なんだから、こっちの小さいのはジョシュアのだからね。それに料理するのは僕なんだから」
ジョシュアお兄ちゃんガックリして、お兄ちゃん達のテントに入って行っちゃいました。
アシェルがお着替えしましょうって言って、テントの中で今日はアシェルがお着替え一緒にしてくれました。お着替えが終わったらお父さんと一緒にトイレに行って、それからお父さんが、これからは僕のお仕事だって。僕のお仕事は遊ぶこと。ご飯ができるまでは、テントの周りで遊んでて良いって言ったから、ディル達と一緒にもう1回川のほうに行きました。
「あちたは、かわでおもちゃであしょぼね」
「あと、探検もしないとな」
「みんなにお土産見つけるんでしょう」
お土産何が良いかなぁ。綺麗なお花とか、木の実とか。あとはお庭に時々ある綺麗な石とか。
みんなでお土産のお話して、それから川の中に綺麗な石が落ちてないか、みんなで川の中見たり、川の最後の所に行って、小さなお魚さんが壁の向こうに泳いで行くの見たりして遊びました。
お空が赤色とオレンジ色と黒色になってきて、マシロがテントに戻るぞって言ったから、みんなでテントに向かって歩き始めます。
ちょっと歩いて後ろ見たとき、さっき僕達がいた所で何か動いてる気がしました。青色の透明みたいなの。
「マシロ、あそこなにかいる?」
「ああ、久しぶりに見たな。街にばかり居るから、我も見るのは久しぶりだ。エシェットは森にいたとき良く見たんじゃないのか」
「ああ。だがユーキ達に会った時は、たまたま雨の後だったからな。別の水溜りに集まっていていなかったんだ」
マシロもエシェットもあの透明なの知ってるみたい。何か聞こうとしたらアンソニーお兄ちゃんが僕のこと呼びました。
「ユーキ、ちょっと手伝ってくれる!」
「はいでしゅ!!」
後で何か聞こう。急いでお兄ちゃんの所に戻ります。
戻ったら机の上に、串に刺さってるお魚さんが置いてありました。それからキノコも。ジョシュアお兄ちゃんはテントから出てきてて、お鍋をよいしょって運んでます。
僕のお手伝いは、お魚さんをこれから焼くから、焼けたらお兄ちゃんにお知らせするお手伝いです。
ジョシュアお兄ちゃんが鍋を丸の石の上にぶら下げて、丸の石の周りにお魚さんとキノコが刺さった串を刺してって言われました。1本ずつぐるっと串を地面に刺していきます。
それからアンソニーお兄ちゃんが、魔力石で丸の石の中にある木の枝に火をつけました。つけたとき火がボワッ! ってなってとっても熱かったの。
「あちゅいぃぃぃ!」
「わわ、ごめんごめん。ユーキ大丈夫? 火傷とかしてないよね?」
「アンソニー、もう少し魔力の調節を覚えなさい。ユーキのこと言ってられないぞ。この前も先生に注意されただろう」
「う~ん。何でいつもちょっと魔力が入り過ぎちゃうのかな」
火が小さくなって、お魚さんが焼けるの見ます。たまに反対にくるって串を回すんだって。そうしないと片方ばっかり焼けて焦げちゃうの。
くるくる、くるくる、だんだんとお魚さんが焼けてきました。ジョシュアお兄ちゃんはお鍋の中をグルグルかき混ぜます。お野菜のスープ作ったの。お野菜…どうしてお野菜なの? 僕お肉のスープが良いのに。お肉がいっぱいでお野菜がちょっとのスープ。うん、お野菜は半分キミルにあげよう。
少ししてお魚さんがちょっと焦げてきて、お父さんにもう良い? って聞いたら、お父さんが頷いたからお兄ちゃんにお知らせです。
お兄ちゃんがお魚さん確認して、お皿にお魚さんとキノコを乗っけていきます。お母さんがお外で使うお皿、今日買ってきてくれたの。ディル達の小さなお皿も。みんなお揃いのうさぎさんの絵が描いてあるお皿です。
お魚さんとキノコが終わったら次はスープ。後でそっとキミルのお椀にお野菜入れなくちゃ。
全部机に乗っけて、みんなで椅子に座って、ご飯の準備は終わりです。
「よし準備できたな」
お父さんが机の上に、光の魔力石が入ってるガラスの入れ物置きます。パァって机の上が明るくなりました。
「よし、じゃあみんなで一緒に。いただきます!」
「「いただきます!!」」
「いただきましゅう!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます