第295話お庭でお泊まり1

「よし! いくぞユーキ!」


「うん!!」


 お船をリク君が流します。マシロが風の魔法でこの前よりも少しだけ早くお船動かしてくれてるの。お船が流れてくるの待って僕がお船を止めます。


「とめちゃ!」


「よし次は俺の船だぞ!」


 今度はリク君の船が僕の所に。

 やっとリク君が森から帰ってきて、僕のお家に遊びに来てくれました。アニータさんとお母さんは近くテーブルとお椅子用意して、お茶飲みながら僕達のこと見てます。

 今日はちゃんと濡れてもいいお洋服に着替えました。リク君もお洋服着替えて川に入ってます。


「今度は競走しようぜ」


「うん!」


 2人でスタートの場所に立ちます。それからリク君の船にキミルが乗って、僕の船にモリオンが乗りました。ゴールは壁の所。


「俺の方が兄ちゃんだからな。ユーキ先にスタートして良いぞ」


「あいがとでしゅう!」


 僕はお船からお手々離しました。それから少ししてリク君スタートです。バシャバシャお船のあとをついて行って、真ん中くらいまできたとき、リク君のお船が僕のお船に追いつきました。


「がんばれでしゅう!」


「追い抜くぞ!」


 僕のお船が先に行ったり、リク君のお船が先に行ったり、そして…。


「まけちゃったでしゅう」


 僕のお船の方が後にゴールしました。残念負けちゃった…。

 よしもう1回。スタートの場所に戻ってまたまたスタート。今度も真ん中くらいでリク君のお船が追いつきました。一生懸命みんなで応援です。そして、


「かち!」


 今度は僕のお船が勝ちました。えへへ嬉しいなぁ。

 

 もう1回競走しようとしたとき、リク君がじっと壁のところ見てました。僕も近づいてリク君が見てる所を見ます。そこにはこの前ピュイちゃんが食べちゃった、小さいお魚さんがうろうろ泳いでました。それでその中の1匹がスイって、壁の向こう側に泳いで行っちゃいました。それからまた1匹、またまた1匹って、お外に泳いで行きます。


 リク君が向こう側の川も見てみたいって。お母さんが今日はもう時間がないから、今度遊びにきた時に見せてあげるって、リク君とお約束しました。

 壁の向こう側は騎士さん達が訓練する所です。騎士さん達はね川でも訓練するんだよ。川があるところで魔獣と戦ったり、お泊まりしたりするの。その訓練するんだ。


「俺もこの前父ちゃんと川の所で野営したんだぞ。野営っていうのは、お泊まりのことだぞ」


 リク君お父さんと2人だけで、川の所でお泊まりしたんだって。ふわわ、なんかカッコいい。僕もお泊りしてみたい。でも1人はちょっと…。お父さんとお母さんとみんなでお泊りが良いなぁ。


 その後もたくさんリク君と遊んでおやつ食べて、僕とっても楽しかったです。夕方になって、今度また遊ぶお約束してバイバイします。

 その後もお母さんとお兄ちゃん達と夜のご飯食べて、休憩のお部屋でゴロゴロしてたらお父さんがお仕事から帰ってきました。


「あなた食事は?」


「ああ、向こうで食べてきた。今日はどうせ遅くなると分かってたからな。夕食は用意しなくていいと言っておいたんだ」


 お父さんがドカッてソファーに座ります。すぐにお父さんの所に走って行って、お膝抱っこしてもらいました。それから今日リク君と遊んだこと報告です。それからリク君が森でお泊りしたことも報告。


 お泊まりの報告したら、お父さんも川の側でお泊まりしたことあって、それでお魚さん釣ってご飯食べたり魔獣と戦ったり、いろんな事したことあるんだって。

 僕がお泊まりしたのは、お父さん達と会った森でしょう、それからエシェットと会った森。でも僕お泊まりの準備ちゃんとして、お外でお泊まりした事ないの。みんなお泊り楽しそう。良いなぁ。


「そういえばジョシュアも冒険だとか言って、庭で野宿の真似してた事があったな。………アシェル明日からの私の予定は?」


「私が見張っていましたからね、明日の午前中で急ぎの仕事は全て終わりです」


「そうか…そうだな、よしユーキ、明日は午後から、そうだなお昼のご飯食べてから、お父さんと冒険の真似して、お外でお泊まりしてみるか? 2日間お外でお泊りだ」


 !!? 冒険? お外でお父さんと一緒にお泊り?


「ふわわわわ! ぼうけんしゅるでしゅう!!」


「何か楽しそうだな。ユーキ俺も一緒に冒険するぞ」


「ジョシュアが一緒にやるなら僕だって」


「よし、じゃあ明日はお父さんとアンソニーとジョシュアとユーキ達で、みんなでお外におとまりだ」


「やったぁ!!!」


 僕達みんなで拍手してから、お部屋の中グルグル走ります。だって嬉しいんだもん。

 じゃあじゃあ、今日は早く寝て、それから冒険するのは明日のお昼食べてからだから、それまでに冒険の準備しなくちゃ。

 えっと、お菓子でしょう、おもちゃでしょう、絵本でしょう。夜のご飯は何食べるのかな? お家の川にいるお魚さんは小さいからお魚釣りできないよね。あっ、でもルトブルにお魚さん出して貰えばできるかも。そしたらお魚さん釣る道具もいるよね。

 

 僕はいつもより早く寝ることにしました。みんなにお休みなさいしてお母さんと寝るお部屋に行きます。だってドキドキワクワクしちゃうと僕寝られなくなっちゃうの。だから早くベッドに入って、頑張って寝なくちゃダメダメです。

 最初はお目々ぱっちりだったけど、明日の準備する物考えてたら、いつの間にか寝ちゃってました。


 次の日の朝、朝のご飯をパパパッて食べて、すぐに僕のお部屋に行きます。ジョシュアお兄ちゃんが一緒に来てくれて、大きなカバンを僕にわたしました。この大きなカバンに入る物だけ持って行くんだって。

 ご飯食べるお皿とかコップとか、それからお料理する道具とかはお兄ちゃん達が持ってきてくれるから大丈夫です。あと、お魚釣りのお話したら、その道具もジョシュアお兄ちゃんが準備してくれるって。


「みんなで泊まる時は、それぞれが分かれていろいろな物持っていくんだぞ。俺はご飯作る道具とか皿とか持って行って、アンソニーは他に必要な物持っていくんだ」

 

 みんなお話し合いしないで、お皿ばっかり持って来たり、お皿持って来ないでご飯作る道具ばっかり持って来たり、そしたらお泊まり出来ないでしょう。だからお兄ちゃん達僕が寝てからお話し合いして、自分が持って行く物決めたんだって。

 僕は初めてだから、好きな物持って行って良いって。


 まず1番大事な物からカバンに入れます。あっ、お菓子は最後ね。お菓子1番下に入れちゃうとボロボロになっちゃうから。

 最初に入れるのは絵本です。夜寝る時お父さんに読んでもらうの。絵本を1冊カバンに入れました。

 次に入れるのはおもちゃ。みんな1つずつ好きなおもちゃ入れて行きます。僕は前に貰った小さなお船のおもちゃ。この前じぃじに買ってもらったお船は大きいから、お泊まりには持っていけません。でも川で遊びたいから、小さなお船持って行くの。


 僕達が準備してたら、お母さんがお部屋に入ってきました。


「ユーキちゃん、ちゃんとお洋服も入れましょうね。川で遊ぶお洋服と寝る時の洋服と。昼間着る洋服は今のままでも良いけれど、それにお洋服先にカバンに入れた方が、おもちゃ壊れにくくなるのよ」


 そう言って僕達が入れたおもちゃ、カバンから出し始めたの。ダメダメ。僕達が準備するんだよ。お母さんにダメって言って、おもちゃカバンから出します。お母さんが用意してくれたお洋服をカバンの中に入れて、それからまたおもちゃ入れて。

 えっとそれから、うさぎさんとルーリアのぬいぐるみ持って行かなくちゃ。


「何か遊びに行く準備みたいね」


「まぁ、ユーキの場合、冒険ごっこだし良いんじゃないかな。俺達も一緒だし」


 後は何入れよう。2日お泊まりするでしょう。お庭の冒険もしようかな。このいっぱい荷物入ってるカバンは持って歩けないから、小さなうさぎさんのカバンも持っていこう。あとは…。


「ユーキ、それ忘れるなよ。冒険者でも騎士でも1番大事な物だぞ」


 お兄ちゃんが机の上指差します。


「けん!!」


 そうだった。剣忘れちゃダメダメ。すぐに腰に剣をつけます。


「さて、ユーキの方の準備はいいかな。俺は自分の準備してくるよ。ユーキ。お昼ご飯が終わるまでに、他に入れたい物ないかよく考えるんだぞ」


 お兄ちゃんがお部屋から出ていきます。お兄ちゃん、ちゃんとお魚釣りの準備してね。忘れないでね。


 そうだ、僕お母さんにお願いがあるの。ちゃんとお願いしますしなくちゃ。

 僕がお泊りしてるとき、チョコミ達とプルカのご飯お願いしました。だってずっとお外だからご飯あげられません。


「そうだわユーキちゃん、お魚釣りするのでしょう? チョコミちゃん達にそのお魚お土産にしたら?」


 お土産! うんそれが良いね。チョコミ達だけじゃなくて、お家で待ってて来れるお母さん達にも、お庭冒険したら土産持って帰ってこよう!

 

 いろいろ考えてたらまたワクワク、ドキドキです。やりたい事いっぱい。それでね…。


「なんだ寝ちゃってるのか?」


「あらあなた。あなたは準備終わったの?」


「ああ。一応な。ユーキはこのままお昼ご飯まで寝かせておくか。昨日早く寝に行ったのはいいが、けっきょく遅く寝たからな。自分では早く寝たと思っているが」


「あなた気をつけてね」


「分かってる。だいたい庭に泊まるだけだぞ。今からユーキの喜ぶ顔が思い浮かぶな。良い思い出になると良いんだが。お義父さんの所ではいろいろあって、思い出作りどころじゃなかったからな」


「そうね。楽しい思い出になると良いわね」

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