第292話ただいまカージナル!

「ほらユーキちゃん、そろそろカージナルの街の壁が見えてくる頃じゃないかしら」


 お母さんにそう言われて、僕はお父さんに抱っこしてもらって、窓からお外見ます。前の方見ながら、お父さんに、


「いちゅ?」


 って聞きます。お父さんは今度なって。


 門の所について、門の所に立ってる騎士さんに騎士さんの挨拶。ピッ!! それからもう1度お父さんに、


「いちゅ?」


「もう少し経ったらな」


 街に入って、お店の人達にお手々振ります。みんなお手々振ってくれながら、お帰りなさいって。アニータさんのお店の前で馬車が止まります。リク君にお土産わたそうと思ったんだけど、リク君今お父さんと森に行っちゃってるんだって。だからまた今度お土産わたすことにしました。ちゃんとリク君にわたしたいもんね。

 

 次はクロエさんのお店の前に泊まります。クロエさんはお店に居たから、ちゃんとお土産わたせました。


「ユーキちゃん、ちょうど良かったわ。ユーキちゃんが欲しがってたお洋服できたのよ。今持って帰る?」


「ふおぉ!? ありがとでしゅう!!」


 新しいお洋服が入った袋をもらいます。お家について、アメリアや使用人さんメイドさん、料理人さん達やお庭を綺麗にしてくれるおじさん達、みんなにお土産わたしたら、すぐに着てみよう。ふへへへ、楽しみ。


 クロエさんにバイバイして馬車に戻ります。戻ってからすぐお父さんに、


「いちゅ?」


「雪が降ったらな」


 馬車が動き始めて、夜のご飯の時間がもうすぐだから、とっても良い匂いのするお店通りをどんどん進んで、良い匂いが終わったらお家が見えてきました。

 

 お家の門に立ってる騎士さん3人がニコニコ笑って、お帰りなさいって言ってくれました。騎士さん達にもお土産あるからね。お父さんがいつも頑張ってお家や街を守ってくれてる騎士さん達に、お土産買ったんだよ。何買ったか知らないけど、絶対嬉しい物だよ。お父さんニコニコしてたもん。


 騎士さんに騎士さんの挨拶して中に入ります。お父さんが降りる準備しなさいって、僕は脱いでたお靴履いて、それからうさぎさんのカバン首から下げて椅子に座ります。

 それからやっと馬車が止まって、お父さんの方にあるドアが開いて、お父さんが最初に下りて次がお母さん、その次がお兄ちゃん達で最後が僕です。お父さんが僕を馬車から下ろしてくれて、その後にディル達が馬車から出ました。


「アメリア!!」


「ユーキ様! お帰りなさいませ!」


 アメリアに抱きついたら、アメリアがふわって抱きしめてくれます。


「えへへ、アメリアただいまでしゅう!」


「元気そうで良かったですわ。アメリアとても心配したんですよ。それで…あそこに居るのが、ユーキ様と奥様を傷つけた輩ですか。奥様後でお話が」


 ん? 一瞬だけアメリア怖いお顔したかな? 僕間違い? う~ん、まっいっか。

 アメリアに抱っこしてもらったままお家の中に入ります。ジュードとセオドリオは馬車下りてから、アシェルがどっかに連れて行っちゃいました。

 すぐに夜のご飯だから綺麗な汚れてないお洋服に着替えて、アシェルが運んでくれたチョコミとチャップとプルカを、お遊びのお部屋の窓の所に飾って、それからそのお隣にピュイちゃんの卵の殻を飾りました。ご飯が終わったら、アメリアにピュイちゃんの紹介しなくちゃ。


 くろにゃんが料理人さんの所から戻ってきました。少しだけクラーケンとシーサーペントをわたして来たんだって。残りはまだくろにゃんが持ってます。腐っちゃうといけないから。料理人さん達とっても喜んでたって。


 ご飯のお部屋に行ったら僕が1番。すぐに後にお兄ちゃん達が入って来て、僕のことお椅子に座らせてくれました。

 みんなが揃って、どんどんご飯が運ばれてきます。でもアシェルもジュード達も来ませんでした。僕はご飯食べながら、またお父さんに聞きます。


「あとどのくらい? ゆきいちゅふる?」


「はぁ、今日はその質問ばっかりだな。お父さん疲れたよ」


「ユーキ様、雪が楽しみなのですか?」


 アメリアが聞いてきました。うん。僕雪楽しみだよ。でも今のは違うの。


「違うのよねユーキちゃん、忘れ物しちゃったのよね。それにお父さんがあんなこと言うから」


 あのね僕、じぃじとばぁばに僕の剣の練習たくさん見せるって約束してたのに、見せるの忘れてたの。昨日お泊りしたお宿で僕思い出して、じぃじはすぐに遊びに来て良いって言ったでしょう? だからお父さんにお家に帰ったら、すぐにまた遊びに行こうって言いました。でもお父さんすぐはダメって。もう少ししてからって言ったから、今日馬車の中で、もう少しってどのくらいかずっと聞いてたの。


「そうですか。ではユーキ様、今もユーキ様はお上手に剣を使いますが、もっともっと上手になって、ディアンジェロ様にたくさん褒めていただきましょう」


 そっかぁ、うん。そうだね。僕もっと練習してじぃじにたくさん褒めてもらおう。お父さん達みたいにヒュンって。

 僕フォークをヒュンってやりました。そしたらスポッて、ハロルドのお皿に乗ってた、小さく切ってあるお肉にフォークが刺さって、ディル達がお肉の刺さったフォークをそのまま持って戻ってきます。それをシルフィーのお皿に。シルフィーはお肉食べてフォークを僕に持って来てくれます。


「ユーキありがと。美味しかった。またお願い」


「うん」


「おい、それは俺の肉なんだが」


「ついに剣で父さんだけ被害が出るんじゃなくて、フォークでハロルドおじさんに被害が」


「ジョシュア怖いこと言うな。ユーキ、剣のマネをフォークでするな。まったく。お前が持つ物はなんでも凶器になるな」


 何でいつも剣とかフォークが飛んで行っちゃうのかな?


 ご飯が終わってから休憩のお部屋に行きました。本当はみんなにお土産わたしたかったけど、ご飯食べ終わるの遅くなっちゃったから、アメリアにはお土産わたして、使用人さん達には明日お土産わたします。

 アメリアのお土産は髪の毛むすぶ可愛いリボンです。お母さんと一緒に選んだの。プリカの絵が描いてあるんだよ。アメリアとっても喜んでくれました。


 次はピュイちゃんの紹介です。ピュイちゃんが僕の頭の上に乗りました。


『ピュイちゃんなの。よろしくなのぉ!』


「ピュイちゃんですね。はじめましてアメリアです。よろしくお願いしますね」


『ピュイちゃん、たまごのなかからみてたの。アメリア、ユーキにとってもやさしいの。だからピュイちゃんアメリアすきなの。ユーキのかぞく、みんなだいすきなの!』


 ピュイちゃん生まれたばっかりだけど、みんなととっても仲良しです。でも1番の仲良しは僕だよ。


 ピュイちゃんの紹介終わって少ししたら、アシェルがお部屋に入ってきました。もうジュード達とお話し終わったのかな? ジュード達はどこ?


「旦那様用意ができました。入りなさい」


 アシェルの後ろから誰かが入ってきます。あっ、ジュードとセオドリオだ。ん?


「今日から2人はウイリアム家の執事として、主にユーキ様のお世話を」


 ジュードとセオドリオ、アシェルみたいなお洋服着てます。でもアシェルの方がカッコいいお洋服だよ。ディル達が周りを飛んだり、シルフィー達が匂い嗅いだり。マシロ達はニヤって笑ってます。

 

 これから2人はずっとアシェルとお勉強なんだって。僕も2人の先生するけど、その前にジュード達は陸のこと全然知らないから、まずはアシェルが街のこといっぱい教えるんだって。でも街のこと勉強する前にもお勉強することがあって、お家のことお勉強です。それが終わったら街。街が終わったら街の周りのこと。森とか林とか湖とか。お勉強することいっぱいです。

 あと、アシェルのお勉強だけじゃなくて、お母さんとアメリアも2人にお勉強です。何教えるのって聞いたらいろいろよって、お母さんとアメリアとってもニコニコしてました。


 僕はいつ2人の先生するのかな? だってアシェルのお勉強でしょう、お母さん達のお勉強でしょう? 僕学校行ってお勉強するの楽しみだけど、いっぱいお勉強ばっかりはやだなぁ。


 みんなにお休みなさいします。今日からエシェットはジュード達と寝るから、エシェットにぎゅうって抱きついてお休みなさいしました。お昼寝は一緒にしようね。

 お部屋に行く前に、お遊びのお部屋に行って、チョコミとチャップ、プルカにおやすみなさいしました。


 明日はお土産みんなにあげなくちゃ。それからリク君とお船で遊ぶお約束して、モリオンに持ってきて貰った海のお花を、お花のプールに入れて、それからそれから…あっ! あのお洋服も着なくちゃ。やることいっぱいです。

 ふへへへ、お洋服楽しみ!

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