第289話お母さんのお仕置き、始まり始まり?

 う~ん。でもぉやっぱりぃ~。

 みんなでどうしようかお話し合いです。ほんとにもう虐めないかな? お怪我させたりしないかな? 

 僕達がお話し合いしてる時、お父さん達とエシェットもお話し合いです。それ見たリュカが、お父さん達のお話し合い何話してるか聞いてくるって言いました。みんなの話聞いて決めなくちゃダメだからって。マシロも一緒にお話聞きに行きます。


 その間に僕達だけのお話し合い続けます。シルフィーにほんとに赤いトゲトゲがジュードとセオドリオから出てないか確認です。

 初めて僕達がアルマンドさんのお城でジュードにあった時は、少しだけ赤いトゲトゲが出てたんだって。でも僕がジュードのお城に行ってから、赤いトゲトゲが薄くなって、僕が魔力をボールに流した時は、オレンジ色のトゲトゲがちょっとだけになったの。オレンジ色は赤よりも悪くないんだって。それで今は全然、赤もオレンジもトゲトゲが出てないって言いました。


「じゃあ本当ごめんなさいしてるってことか? もう悪いこと考えてないから、トゲトゲ出てないってことだろ」


「隠してるだけかもしれないよ。キミルはもう少しジュード達の事、観察した方が良いと思う。モリオンは?」


「もしダメなら僕がすぐに闇に入れちゃうとかどう?」


『ピュイちゃんはもうすこし、とつげきしたほうが良いなの』


『ボクも!』


「うん、突撃は大事」


 お友達になるかのお話し合いだったけど、だんだんと突撃のお話になっちゃいました。さっき2人とも1回も嫌がらなかったもんね。でも今はお友達になるか早く決めなくちゃ。

 

 みんなが突撃の練習始めようとしたからダメって言って止めたら、リュカがお父さん達のところから戻ってきました。


「なんかねお友達になるの、お勉強とは別に、ユーキを守るためなんだって」


 今このお部屋の中で闇の魔法を使えるのは、くろにゃんとモリオンとジュードです。

 みんな悪い人達や魔獣と戦うとき、くろにゃんは闇の魔法でバラバラな場所で戦ってるお父さんやお母さん達に、みんなのお話伝えるお仕事します。

 モリオンは偽者さんが夢に出て来たときに助けに来てくれたり、周りを真っ黒が包んだら、それを消してくれたり、くろにゃんの闇の魔法の力を強くするお仕事します。

 

 エシェットがねジュード達にはエシェット達みたいに攻撃してもらうって。今まで闇の力で戦える人は、僕のお家には居なかったからちょうど良いって。

 前にモリオンがルオンとか、悪い人たちをお仕置きするから、闇の中に入れたでしょう。もしかしたらその闇の中から出てきちゃうかもしれないんだって。それで出てきたとき、みんなにごめんなさいしてくれたら良いけど、もしまた悪いことすると大変です。

 

 その時すぐに悪い人達に攻撃できて、捕まえることができる人がいた方が、みんなもお怪我とかしないで良いでしょう? あのね闇の魔法に1番攻撃できるのは闇の魔法だけだって、モリオンが教えてくれました。


「うん、それはエシェットの言う通りだね。ユーキのお父さん達は強いから、闇の魔法でもなんとか戦えるけど、闇の魔法が使えるジュードが攻撃した方が、さっさと攻撃できるから、側に居てくれると良いかも。でも、エシェット、あいつらの魔力無くなったっていってなかったっけ?」


「うん、だからね…」


 もし魔力が戻ったら闇の魔法で戦ってもらって、もしダメだったら剣で戦ってもらうって。剣は魔法とか関係ないけど、剣の攻撃の時は最初に攻撃する係にするの。

 あとはいろいろ調べたりする係でしょう、うんとねぇ、なんでも係にするんだって。


 お父さん達のほう見たら、お父さんがおでこ皺々にして考えてるお顔してます。僕がお父さん達の所に行こうとしたら、一緒にお話し合いしてたお母さんが動きました。

 タタタッてジュードとセオドリオに近づいて2人の前に立ったら、いきなり2人が壁の方にちょっと飛びながら倒れて、ジュードはお顔押さえてて、セオドリオはお腹おさえてます。それからビックリしたお顔してお母さんのこと見てました。

 お母さん立ってるだけなのに、2人ともどうして倒れたの?


 僕が考えてたら、リュカがお母さんの見えない攻撃だよって教えてくれました。おお!? 今見えない攻撃したの? お母さんの見えない攻撃、僕いつもお母さんの攻撃が見えません。お父さん達の攻撃も。どれくらい大きくなったら見えるようになるかな?


「ユーキちゃん、ちょっとお兄ちゃん達と、お泊まりのお部屋に行っててくれるかしら? アンソニー、ジョシュア、アシェルを呼びに行かせるから、それまでユーキちゃんとお部屋で待ってて」


 お母さんニコニコです。僕達すぐにお部屋に行きました。

 お部屋に戻ってから、たまにドシンッとか、バアァァァンッとか、大きな音が聞こえてきました。お母さんがジュード達にお仕置きしてる音だって。なんで急にお母さんお仕置き始めちゃったのかなぁ。


 僕そのうちまた眠くなってきちゃって、いつの間にか大きな音聴きながら寝ちゃってました。起きたらお外が明るくなってて、お兄ちゃん達もディル達もみんな寝てたよ。

 それからお母さんがお仕置きしてる音がまだ聞こえました。お母さんずっと寝ないでお仕置きしてたの? 


 僕が起きたらマシロが側に来てお顔スリスリしてくれます。


「マシロ、かあしゃんずっと、おちおき?」


「あ、ああそうだな。お仕置きだな(良くあの音で起きなかったな)」


 それからお兄ちゃん達が起きて、ばぁばが一緒にご飯食べましょうって、お部屋に来てくれて、お昼のご飯の前になって、やっとアシェルが僕達のこと呼びに来てくれました。


「オリビア様がお呼びです。とりあえずは終わったようですよ」


 終わった? お仕置き? 休憩のお部屋の前まで行って、アシェルがドア開けてくれます。そっと中を見る僕。お母さんがお部屋の真ん中に立ってて、お父さんとじいじ、それからハロルド達はお部屋の端っこの方に立ってて、みんな困ったお顔と嫌そうなお顔してました。


「ユーキちゃん!」


 お母さんが振り向いて僕のほうにきて、僕のこと抱っこしてくれます。あれ? エシェットやジュード達は何処? お母さんのお肩から、お母さんの後ろの方を見ます。

 窓の所、3人がみんな座って頭をがっくりしてます。エシェットって呼んだら、エシェットがそっとお顔上げました。


「!?」


 エシェットのお顔、いつもエシェットが悪い人にする、偽物ブタ獣人さんみたいになってました。それからお洋服がいろいろなところが切れてたり破れてたりしてます。じぃっと見てたらジュードたちもお顔上げました。2人ともエシェットとおんなじお顔しててお洋服もおんなじです。


「ユーキちゃんお母さんとお話しましょう」


 お母さんね、今までお父さん達は毎日ジュード達にお仕置きしてたけど、お母さんはお仕置きしてなかったんだって。だから昨日からずっとお仕置きして、ちゃんとお母さんもジュード達にごめんなさいしてもらいました。

 それからエシェットは、お母さんやお父さんに何にもお話しないで、いろいろなこと決めたからお仕置きしたんだって。

 そっかぁ、お母さんにもちゃんとごめんなさいしたんだね。お母さんもう怒ってないのかな? お母さんが怒ってないなら僕ももう怒らないよ。


「かあしゃん、おこってない?」


「ええ。もう怒ってないわ。ごめんなさいたくさんしてくれたから」


「じゃあぼくも、もうおこらないでしゅ!」


 僕がそう言ったらジュード達が少しホッとしたお顔してました。


「それでねお母さん、エシェットやジュード達が言ったみたいに、お勉強しないといけないと思うの。どんなことが悪いことか、何をしたらユーキちゃんが泣いちゃうかとか、いろいろなお勉強よ。だからユーキちゃんがお友達になって、いろいろ教えてあげて欲しいの。良いかしら」


「ちょっと待って!」


 リュカが僕に1度抱っこから下りてって。それからディル達連れて、お母さんと一緒にお部屋の端っこに行って、小さな声でお話し合いです。


「ねぇ、本当に許すの?」


「まさか。でもねエシェットの話も一応考えないと。契約してもうユーキちゃんを傷つけることができなくなれば、本当にルオン達が闇から戻ってきてしまったら、あの力は必要になるわ。力が戻るか分からないけれど…でももし力が戻らなくても、危険が迫ったとき2人にユーキちゃんの盾になってもらえば良いのだから。それにね、言ったでしょう? まさかって。私はまだお仕置きしたりないのよ。連れ帰って毎日お仕置き出来たらと思ったの」


 やっと内緒のお話し合い終わったお母さん達が戻って来ました。それでもう1度お母さんが僕にジュード達とお友達になっても良いわって。でも嫌ならお友達にならなくても良いって。お父さんのほう見たら困ったお顔しながら頷きました。

 う~ん。お母さんもう怒ってないし、僕もいろいろ教える先生やってみたい! うん、僕お友達になって先生にもなるよ!


「なるでしゅ! おともだちなりましゅ!」

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