第288話エシェットのお願い

 じぃじのお家に帰って、みんなで夜のご飯食べました。今日はみんな一緒だったんだよ。お父さんもじぃじもみんな。僕みんなでご飯食べられてニコニコです。だってずっとみんなで一緒にご飯食べられなかったんだもん。


 ご飯のあとは休憩のお部屋でマシロに寄りかかってゴロゴロです。エシェットがお話しあるからここで待っててくれって。エシェットはすぐにどこかに行っちゃいました。

 ごろごろしながら待ってる間、ピュイちゃんにマシロゴロゴロ教えてあげます。マシロはマシロベッドだからね。


「ピュイちゃんこうでしゅ。ゴロゴロゴロ」


『ゴロゴロなのぉ~』


 ピュイちゃんふわふわモコモコのボールみたいになったから、マシロの背中に乗ってゴロゴロして、お滑り台みたいに下りてきました。違うよピュイちゃん、ゴロゴロゆっくりの時はお滑り台じゃなくてゴロゴロなんだよ。背中の上でゴロゴロしないで、僕達みたいに、寄り掛かってゴロゴロしてみて。

 そう教えてピュイちゃんが寄り掛かってゴロゴロ。そしたら今度は横にゴロゴロ転がっちゃいました。


『むずかしいの。でもピュイちゃん頑張ってゴロゴロするの』


「え? ゴロゴロってがんばってするものなの?」


 ってお兄ちゃんが。だってみんなでゴロゴロの方が楽しいもんね。今日はピュイちゃんもできるお滑り台で遊びながらエシェット待ってよう。

 みんなで順番にマシロお滑り台です。お家のお滑り台、ピュイちゃんすべったらどのくらい転がっちゃうかな? でも…ちょっと面白そう。帰ったらすぐにピュイちゃんとお滑り台で遊ぼうっと。


 マシロお滑り台でたくさん遊んで、でもエシェットなかなか戻ってきません。眠くなってきちゃった…。お母さんに抱っこしてもらって、ウトウトしながらエシェットのこと待ちます。


「失礼します。旦那様、エシェットが来ました」


 アシェルがお部屋に入ってきました。やっとエシェット戻って来たみたいです。僕がドアの方見たら、アシェルがドアの横に立ったんだけど、なんかアシェル怒ったお顔してるの。どうしたのかな?


 アシェルがドアの所に立ってすぐエシェットが入って来ます。それからエシェットの後ろから誰かがお部屋に入って来ました。入って来た人のこと見てシルフィーとホプリンが突撃の格好します。それ見てマシロがダメって。入って来たのはジュードとセオドリオだったの。

 2人を見て、お父さんとじぃじがエシェットのこと怒ります。なんでお部屋に連れて来たんだって。


「うるさいぞ。これから説明する。その前に…シルフィーにホプリンそれに他の者も、この2人に突撃のお仕置きをしても良いぞ。もう安全だからな。まずは突撃して、それから話を進めよう」


 エシェットが突撃のお仕置きして良いって言ったから、すぐに僕達突撃の準備です。


「とちゅげきぃ!!」


「「「わあぁぁぁぁぁ!」」」


『『とつげき!!』』


 みんながジュードとセオドリオの顔に突撃して行きます。


「今日はいつもよりも力を入れて良いぞ。我が許す」


 それ聞いたみんながいつもよりも強く攻撃します。じっとしたままのジュード達。お父さん達みたいに痛いとか止めろとか言わないんだよ。

 たくさん攻撃してみんな僕の所に戻ってきます。


「なんか変だぞ?」


「ね、変だよね」


「キミル頑張って突撃したよ。ね、モリオン」


「うん頑張ったよね」


『ピュイちゃんも頑張ったの』


『僕も』


 うん。みんな頑張ったよね。だってね2人のお顔引っ掻いた痕がいっぱいついてるもん。でも2人ともお部屋に入って来た時と同じお顔してます。もっと頑張らなくちゃダメだったのかな? お家に帰ったらもっともっと突撃の練習しなくちゃ。


「さてユーキ。我からお願いがあるのだが良いか?」


 お願い? 明日のおやついっぱい食べたいっていうお願い? それとも一緒にお店通りに行けなかったから、明日は一緒にお出かけしたいっていうお願い? でもそのお願いはお母さんにお願いしないとダメだよ。一緒にお母さんにお願いしてあげようか?

 僕がエシェットにそう言ったら、エシェットそのお願いじゃないって。


 エシェットが僕にお願いします。それでエシェットのお願い聞いたら、お父さんがエシェットのお洋服ガッて掴んで、大きなお声で怒りました。僕もみんなもびっくりしてマシロの後ろに隠れます。

 お父さんとっても怖いお顔してるの。僕お父さんのこんなに怖いお顔見たことないの。お父さんそんなに怖いお顔で怒らないで…。


「お前は今何と言った!!」


「ジュードとセオドリオをユーキの友達にしてくれと言ったのだ」


「ふざけるな!! この『海の死神』のせいで、どれだけの被害が出たと思っている! ユーキも酷い目に合わされ、オリビアは死ぬところだったんだぞ!!」

 

 あのねエシェットのお願い、僕とジュードとセオドリオとお友達になってほしいってお願いだったの。

 

 お父さんが怒ってる後ろでガチャンって音がしました。そっちを見たらじぃじが大きな剣を持って、お父さんみたいにとっても怖いお顔して立ってます。それで僕見えなかったんだけど、いつの間にかじぃじがエシェットの所に移動してて、エシェットのこと攻撃してました。じぃじの剣の攻撃をエシェットが剣を摘んで止めます。風がビュウゥゥゥッ!! って吹いて、お部屋にあったいろいろな物が飛んで、コップとかもテーブルから落ちて割れちゃいました。

 みんなケンカはダメダメだよ! 僕そう言おうと思ったんだけど、僕の側のいるディル達が、お父さんとじぃじにもっと攻撃しちゃえって、お父さん達のこと応援して、キミルとホプリンが殴るマネしてます。


「いくら伝説の存在とはいえ、そんなバカな話を我らが認めるとでも思っているのか」


「もう少し話は最後まで聞いたらどうだ? 我とて何も考えずに言っているのではない。これはユーキの安全のためでもあるのだ。それを聞いてから判断したらどうだ?」


 エシェットにそう言われて、じぃじが剣持ったまま少し離れました。お部屋の中にいるみんながエシェットのこと怒ってます。


 エシェットが僕にお友達になって欲しいって言ったのは、もうジュード達がみんなに意地悪したり、お怪我させたりしないようにして、もし悪いことしたらすぐにお仕置きできるようにするためなんだって。あとはお勉強もするの。どんなことしたらみんな泣いちゃうとか怒るとか、いろいろな事お勉強するため。

 あのね僕とお友達になることもお勉強なの。ジュード達お友達が1人もいないんだって。だからお友達になってあげて、僕がお友達は何をするか教えてあげてくれって。僕が先生だって言いました。

 

 う~ん、でも~。ジュード達は僕にたくさん意地悪したし、お母さんのことお怪我させたでしょう。僕2人ともあんまり好きじゃないの。僕がいろいろ考えてたら、お父さん達がまたエシェットのこと怒り始めました。


「だからってどうしてユーキがこいつと契約しないといけない! もし何かあれば…」


「そうしないための契約だ。契約をすれば此奴らは主を攻撃するどころか、キズ1つだって負わせることはできなくなる」


「だが無理やり契約破棄されでもすれば」


「此奴らの魔力が全て戻ったところで、ユーキの魔力には到底敵わない。あの膨大な魔力に対抗できる魔力を持った者は、今この世界に1人も居ないだろう。ならば此奴らを牢に閉じ込めて逃げられまた攻撃されるよりも、永遠の闇に落として、いつ現れるとも分からない綻びから抜け出され、また攻撃されるよりも、ユーキと契約させ側に置き、此奴らの自由を奪ってしまう方が安全であろう?」


 お父さん達が長いお話してる間、僕ずっと考えてました。お友達…う~ん。その時シルフィーがまたジュード達の方に近寄ってふんふん匂い嗅ぎます。ダメダメ、勝手に近づいたらまた怒られるよ。慌ててシルフィーを抱っこしてマシロの所に戻ります。


「ダメでしゅよ」


「ユーキあのね、あの2人赤いトゲトゲ出てない」


「うゆ?」


 赤いトゲトゲほんとに出てないの? ほんとのほんと? じぃーってジュード達のこと見ます。じぃーって見てたらジュードとセオドリオが僕達の方に歩いて来ました。


「おい!!」


 お父さんが2人を止めようとしたけど、それをエシェットが止めました。お母さんとマシロそれからくろにゃんとルトブルが、僕達の前に立ちます。

 僕達の前で止まったジュードとセオドリオ。いきなりお辞儀してきました。それで僕とお母さんにごめんなさいしてきたの。


「すまなかった。お前達を危険な目に合わせて」


「お前? 我は何と呼べば良いか教えたはずだが?」


「ユーキ様、オリビア殿、本当にすまなかった」


 お父さん達みんな、とっても驚いたお顔してます。


「ごめんしゃい?」


「ああそうだ。ユーキ様、私はこれからいろいろな事を勉強したい。皆を傷つけないように、皆が幸せに暮らすにはどうしたら良いのか勉強したいのだ。どうか我々と契約して、私達に勉強させてくれないだろうか」

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