第287話お仕置き、そしてお店通りへ

 お父さん達やアルマンドさんとお話終わったの、2日後のお昼ご飯食べたあとでした。とっても長いお話し合いで、その間ずっとお父さんに会えなかったし、じぃじにも会えなくて、お母さんもたまにお話し合いに行っちゃうから、僕とっても寂しかったです。

 

 お話し合い終わったアルマンドさんが、お家に帰るって僕達にさようならしに来ました。それで僕達ちょっとびっくりです。アルマンドさんね、この前の偽物ブタ獣人さんみたいになってたの。

 ほっぺもお鼻もとっても膨らんじゃってて、僕すぐにエシェットのこと見ました。この前はエシェットが偽物ブタ獣人さんにしたから、またエシェットがブタ獣人さんにしたと思ったの。でも、エシェットは何もしてないって。

 

 誰がアルマンドさんのお顔、ブタさんにしちゃったの? 僕すぐにディルに治してって言ったんだけど、そしたらお母さんがダメって言いました。アルマンドさんね、今お仕置きしてるところだから、お顔このままでいいんだって。


「おちおき?」


「そうよ。アルマンドは海でユーキちゃんのことお家に帰れないように意地悪したでしょう? だから今それのお仕置きしてるところなの。だから、このままのお顔でお家に帰るのよ」


「なぁなぁ、帰る前に俺達もお仕置きいいか?」


「あらそう言えば、ディルちゃん達のお仕置きの時間とってなかったわね。私は良いと思うけど、ね、アルマンド良いわよね」


「………ああ」


 お仕置きして良いの? 僕達すぐに突撃の準備です。僕の前にみんなが並んで…。


「とちゅげきぃ!!」


「「「わあぁぁぁぁぁ!!」」」


『『とつげき!!』』


 みんながアルマンドさんのお顔に集まります。アルマンドさんイテテテテって。だって僕のこといじめたもんね。ちゃんとお仕置きしないと。

 

 たくさんお仕置きして、みんなニコニコして僕の所に戻ってきました。

 お仕置きが終わったアルマンドさんが僕の前に立ちます。それでお辞儀して僕にごめんなさいしてくれました。

 うん。ごめんなさいしてもらったから僕もう怒らないよ。もう僕に意地悪しないでね。また意地悪したらすぐにディル達にお仕置きの突撃してもらうからね。


 くろにゃんがアルマンドのこと海のお家まで連れて行きます。お母さんがもう6日くらい街に居るから、スージーちゃん達連れて遊びに来てって。アルマンドさん分かったって言って、ブタさんのお顔のまま帰って行きました。


 ぼろぼろになっちゃったビースロイカの街は、ルトブルが地面直してくれて、キミルが木をたくさん生やしてくれて、街の人達とお船に乗ってた力持ちの人達が、いっぱいいっぱい頑張ってほとんど直ったんだよ。もう少しで全部直るから、そしたら僕達お家に帰ります。


 もう少しで帰るんだけど、帰りのことでさっきからエシェットとお父さんがケンカしてます。僕達がアルマンドさんにお仕置きしてる時、お部屋の端っこの方でケンカしてたの。

 エシェットはお家までくろにゃんでささって帰るって言って、お父さんはみんなで馬車やお馬さんに乗って帰るって。僕どっちでも良いよ。でも馬車はたくさん乗ると飽きちゃうの。この前みたいにお魚釣りとか、お泊まりする街で遊べたら良いなぁ。


「はぁ、この話はまた後だ。私はこれからまだやる事がある」


「ああ、我も用事がある。それと夜お前達に話があるからそのつもりでいろ。今日の夜は絶対に集まれ。絶対だぞ(勝手に進めてまだブツブツ言われたらたまらん)」


「何だ? そんなに大事な話なのか? ………嫌な予感がするんだが」


「何、これからのことを話すだけだ」


 そう言ってエシェットお部屋から出て行っちゃいました。お父さん達もまたまたお仕事です。僕はお母さんとアシェルとこれからお店通りに行きます。ちゃんとお店通りが 直ってるか見に行きながらお買い物するの。


 僕スキップしながらお店通りに行きます。ピュイちゃんも初めてのお店通り。僕の周りグルグル飛び回って、ピュイピュイ歌を歌ってます。

 お店通りの入り口が見えて来たら、最初に遊んでもらったゾウさん魔獣が、またブランコしてました。すぐにみんなで列に並んで順番待ちます。この前よりもたくさん子供が並んでて、お母さんと待ってる間にアシェルが、買う物がどのお店で売ってるか確認してくるって、お店通りに入って行きました。


「あのね、あのね、ゾウさんまじゅう、とってもちからもちでしゅ。ぼくもほかのこもぶらぶらなの」


「そう。楽しそうね」


 いっぱい並んでやっと僕達の番です。いっぱい並んだからアシェルが帰って来ちゃったの。アシェルがまだでしたかって。

 みんなでゾウさんのお鼻に乗っかってぶーらぶーら、ぶーらぶーら。でもキミルやモリオンはこの前みたいにマシロに隠れてたから乗れませんでした。みんなに見られちゃダメだから。

 ゾウさん魔獣のお鼻から下りてマシロの所に戻ったら、マシロのお毛々の中からキミルとモリオンが寂しそうなお声でつまんないって。


「キミルとモリオンかわいしょう。かあしゃん、のるのだめ?」


 お母さん困ったお顔してダメって言います。でもそのあとお母さんすぐにニコニコになりました。


「お母さんがお家に帰ったら良いもの作ってあげるわ。だからキミルちゃんモリオンちゃん、今日は我慢してくれるかしら」


 2人はそれ聞いて絶対ねって。


 ゾウさん魔獣が終わってすぐにお買い物です。カージナルには売ってない、料理に使う粉や食べ物それから道具、いろいろな物をどんどん買って、どんどんマシロが背負ってるカバンに入れていきます。カバンに入らなくなったら、ルトブルが荷物を持ちます。お母さんは力持ちはゾウさん魔獣だけじゃないわねって。うん! マシロもルトブルもエシェットもみんな力持ち。


 たくさんお買い物した後はみんなでおやつ買ってもらって食べて、それからまたお店通りで遊んで、とっても楽しかったです。

 そろそろじぃじのお家に帰る時間になって、お仕事忙しいお父さん達にお土産買いました。大きな大きな骨のついたお肉。カリカリに焼いてあります。

 僕達が寝てる時もお仕事のお父さん達。夜中にお腹が空いちゃっても、夜中は料理人さんも寝ちゃってるから、だからお腹空かせたままお仕事なんだって。このお肉お土産にして、夜のお仕事も頑張ってもらうの。


 全部の買い物が終わって、お母さんとお手々繋いで帰ります。あとちょっとしか遊べないけど、またお店通りで遊びたいなぁ。それからじぃじの浜辺で遊びたいし、スージーちゃんとアーク君とも遊びたいし。やりたいこといっぱいです。お父さんにお願いして、くろにゃんや モリオンの魔法で遊びに来ちゃダメかな?


 そんな事考えてたら、向こうの方からお父さんが歩いて来ました。僕は走って行ってお父さんに抱きつきました。


「とうしゃん!!」


「あら、あなた。どうしたの?」


「ひと段落したから迎えに来たんだ。ん? 何だ? 良い匂いだな?」


「あのねおみあげ!」


 今度はお父さんとお母さんとお手々繋いで帰ります。お手々にぶら下がってさっきゾウさん魔獣みたいにぶーらぶーら、ぶーらぶーら。僕ニコニコです。

 

 僕もお父さん達も気づかなかったんだ。マシロとルトブルとくろにゃんは気付いてたみたい。エシェットが僕達のこと屋根から見てたんだって、夜ご飯食べて休憩のお部屋にいるときに教えてもらいました。

 あのね夜のご飯のあと、休憩室にお父さん達もじぃじ達もみんな集まって、それでとっても大変だったの。お父さんとエシェット、とってもとってもケンカしちゃったんだ。


「どうだ? これが人間の生活だ。お前も覚えがあるだろう? エレノアと陸に上がったのならば。あのユーキの家族のように、エレノアはとても優しい笑顔で、私にお前と赤ん坊の話をしていた」


「………確かにあの時のエレノアは、あの家族や今ここにいる人間達のように、ニコニコと笑っていたな」


「そうですね。あの時のエレノア様はとても楽しそうにしていらっしゃいました」


「お前が決められないと、1日伸ばしてやったのだ。今ここで決めろ。答えによってはお前達を闇に落とす。ユーキにまた手を出させないために。そうなればエレノアの考えを理解するチャンスは2度とないと思え」


「本当にあの子供といれば、エレノアの考えを、エレノアの思い描いた未来を知る事ができるのか?」


「絶対とは言えんが、我とて観察中だ」


「そうか…」

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