第285話ピュイちゃんとお友達

「たのちいこと?」


「そうだ。これくらいならマシロも文句は言わないだろう」


「おいまさか」


「良いじゃないか。そうだな…心配ならばこれが終わったら、また少しの間休めば良い。どうだ?」


 楽しい事何? 僕達ワクワクしながらマシロが良いよって言ってくれるの待ちました。マシロとっても難しいお顔して何か考えてたけど、ちょっとして分かったって。分かったってどっち? 楽しい事やって良いの?


「だが、これが終わったら本当にまた休ませる。我は主の体が心配だ」


「よし。じゃあユーキ、魔力も戻ったようだし、おやつが終わったらユーキ達が楽しみにしていたお友達になる時間だ」


 お友達!! ピュイちゃんとお友達になって良いの! やったぁ!!

 僕達みんなで拍手してから万歳です。だってみんなお友達はまだダメってずっと言ってたんだもん。だからなかなか魔力を使ってお友達になれなくて、ちょっとしょぼんだったの。


 おやつ食べたらお友達になれるなら、早くおやつ食べないとね。

 スノフルはむはむ急いで食べます。!!! 頭痛い!? 何これ? みんなも急いでスノフル食べたらぴゅうぅぅぅって。頭痛いって言いました。

 お兄ちゃんがねスノフル急いで食べるからだよって。スノフルを早くいっぱい食べると、頭が痛くなっちゃうみたい。すぐに痛いの治ったけど、また痛くなるといけないから、早くお友達になりたいけどゆっくり食べます。


 おやつが終わってすぐにお友達になろうとしたら、お兄ちゃんがお父さん達呼んで来るって。お父さんとじぃじとハロルド達がお部屋に入ってきました。

 もう良い? 早くお友達になりたいよ。お父さんのお顔見たらお父さんが頷きました。


 よしまずはお願いしますから。魔力さんお願いします、魔力貸してください。………う~んやっぱり魔力溜まりません。魔力どうしてこの前は魔力貸してくれたのかな?

 マシロにお願いして魔力溜めるお手伝いしてもらいます。魔力が溜まったら、僕の前にピュイちゃんが座りました。

 お父さんがピュイちゃんに、お名前ピュイちゃんでほんとに良いのかってこの前聞いたの。ピュイちゃんねピュイちゃんってお名前とっても好きって。だからこのままピュイちゃんのお名前で決まりました。


「ピュイちゃん、ぼくとおともだちなってくだしゃい!」


『ピュイちゃん、ユーキのおともだちなるの。よろしくおねがいなの!!』


 ピュイちゃんがそう言ったら、ピュイちゃんの体が白く光り始めました。ディル達の時みたいにすぐに光が消えないで光ったまんまです。僕ちょっとドキドキです。ずっと光ってるからお友達になるの失敗しちゃったと思いました。


 やっと光が薄くなってきてピュイちゃんが見えてきました。あれ?

 全部の光が消えて、ピュイちゃんが自分の体見ます。そしたらピュイちゃんも


『あれなの?』


 って。ピュイちゃんね、もこもこのまん丸になっちゃいました。前にキミルに初めて会った時、キミルまん丸のわたぼこの姿してたでしょう? ピュイちゃんは大きいわたぼこみたいでボールみたい。僕の両方のお手々くっつけて、その上にピュイちゃんが乗ります。


『ピュイちゃんもこもこ、まんまるなの。ちゃんとユーキのおともだちなれたの。うれしいの!』


 お手々から飛んだピュイちゃんが、お肩に乗って僕のお顔スリスリした後、頭の上に乗っかりました。ちゃんとお友達になれてみんなで拍手です。

 これからずっとずっと一緒に遊べるね。寝る時も一緒に入れるし、とっても嬉しいね。だって卵の時は、お部屋はいつも一緒だったけど一緒に寝れなかったし、お外に遊びに行く時はお留守番だったもん。


「えへへへ、いっちょいれるね」


『ピュイちゃんうれしいの』


「「ハハハハハッ!」


 その時僕達の後ろに立ってたハロルドとタイドスの笑う声が聞こえました。振り向いたら2人がとっても笑ってて、オクタビオは困ったお顔して笑ってます。


「何だそれ。毛玉! くくくっ」


「そのまま大きくなったら格好いいグリフォンじゃなくて、面白いグリフォンになりそうだな、ハハハッ!」


 何で笑うの? ピュイちゃんとっても可愛いのに。リュカが僕のお肩に乗って、みんなに内緒のお話だって。内緒のお話してる時もハロルド達笑ってます。

 せっかく可愛いピュイちゃんのこと笑うのなんてダメダメです。だからせっかくピュイちゃんお友達になれたから、本当の突撃しようってお話しました。朝ハロルド達にしたのはお友達になる前の突撃の練習。今度は本当の突撃です。

 みんなでそっとハロルド達の方向きました。まだ笑ってるハロルド達。ふへへへ。


「あ~あ、その笑い、あんまり酷くやっちゃダメだよ」


 ってアンソニーお兄ちゃんが言いました。酷く? いつもと一緒だよ。ピュイちゃんが増えただけ。よし!


「とちゅげきぃ!!」


「「「わあぁぁぁぁぁぁ!!」」」


『とつげきなのぉ!!』


「わっ、やべ!」


「ハロルド逃げるぞ!」


 ハロルド達が逃げようとしてドアに向かいました。でもドアの前で何かにぶつかってそのまま後ろに転んだの。それ見てみんな突撃しようとしてたけど止まりました。

 シルフィーとホプリンがドアの前に行って、お手々でチョイチョイします。それでボヨンボヨンの結界が張ってあるって。エシェットの方見たらエシェットがニッて笑いました。エシェットがねハロルド達逃げないようにしてくれたの。僕達みんなでもう1回ふへへへへ。

 みんなが僕の方に戻ってきて、最初からやり直しです。


「とちゅげきぃ!!」


「「「わあぁぁぁぁぁぁ!!」」」


『とつげきなのぉ!!』


「わわ、イテテテ、おいピュイ! この前より力が強くなってないか?」


「ブフっ! ホプリンやめろ! イテっ!!」


「いたたたたっ」


 みんなオクタビオはちょっとだけ突撃だよ。ハロルド達はいっぱい笑ったけど、オクタビオはちょっとだけだからね。


 突撃が終わってみんなが僕の所に戻ってきます。エシェットが結界無くしたら、すぐにハロルド達逃げて行っちゃいました。リュカがみんなの突撃見てて、どこが悪いとかもっとこうしてとか、明日の練習は何をするとか、いろいろお話しました。リュカ先生たくさんお話するから、僕全部覚えられなかったよ…。


 でもね次の日は練習できませんでした。スージーちゃんとアーク君がじぃじのお家に遊びに来てくれたの。お父さん達とアルマンドさん達がお話があって、ちょっと長いお話するから、その間スージーちゃん達と遊んでてって。


 スージーちゃんとアーク君にピュイちゃん紹介です。海の中には鳥さん居ないから、2人ともピュイちゃんなでなでしてとっても喜んでたよ。ピュイちゃんはアーク君の頭の上に乗って、僕の頭の上の次に座りやすいって言ってました。

 

 それから僕スージーちゃんにプレゼント貰いました。チョコミ達が入ってる入れ物くらいの大きさの、お星様の形した透明な入れ物に、ピンクと黄色と水色のプルカを入れてプレゼントしてくれました。


「ふわわ、ありがとでしゅう!!」


 プルカは海のお水の中しか住めないんだけど、ルトブルが海のお水魔法で出せるから、僕のお家でも飼えるってアイリーンさんが。

 あと、プルカのご飯は太陽の光なんだって。海の中に生えてる草とかもたまに食べるけど、太陽の光が1番のご飯だから、いつも太陽の光の当たる場所に置いておけば良いんだって。お家に帰ったらチョコミ達のと一緒に窓の所に置こうっと。


 えっとキミルはまだもう1匹のヤドカリさんのお名前考えてます。可愛いお名前が良いんだけど、なかなか決まらないんだって。リュカがみんなで考えようって言ったけど、ちゃんと1人でお名前考えるって。


「キミルね、どっちにしようか悩んでるの。だから決まったらみんなに発表するね」


 スージーちゃん達と1日中遊んで、夜のご飯も一緒に食べました。

 でもご飯食べ終わってもお父さん達とアルマンドさんのお話なかなか終わらなくて、スージーちゃんとアーク君とアイリーンさんが先に海に帰ります。


 2人にまたねしてから、窓の所に置いたチョコミ達とプルカにおやすみなさいして、お兄ちゃん達とベッドに入って今日はおやすみなさい。 でもね僕がベッドに入ってすぐにエシェットがどこかに行っちゃいました。


「では我はちょっと行ってくる。ユーキはちゃんと寝ていろ」


 お父さん達のお話が早く終わるように、エシェットお父さん達のお手伝いに行ったのかな?

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